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ほっぺたマニア

 朝早く目が覚めたから、冒険者ギルドに来たんだ。そしたら急に豪雨になっちゃって、全然人が来ないんだよ。


 「おはよう、ハンナちゃん」


 挨拶されたって思ったら、いきなりほっぺたを鷲掴みにされたよ。こんなことするのは……それなりにいるね?


 「ほうずはん、ローズさん!おはよー!」


 受付嬢3人組の、茶髪ロングのローズさん。この雨じゃなかなか人が来ないから、カウンターから出てきたんだと思う。


 「おはよー、ハンナちゃん。今日も柔肌ほっぺね」


 ローズさんはほっぺが大好きなんだけど、特に私のが好きみたいなんだよ。だから今日みたいに暇な日は、カウンターから出てきて私を弄くり回すんだ!


 「朝ごはん食べた?」


 「ううん?まだだよ!」


 「何食べたい?」


 「うーん、今日はシチューとパンでいいかな」


 「タイショー、ハンナちゃんにシチューとパンをあげて?」


 ここまでのやり取りが終わると、ローズさんは決まって私を椅子に座らせるんだ。


 「もが、もがが…ふげー」


 そして毎回、私のほっぺを弄るんだ。


 集中しているのかなんなのか、無言なうえに真顔だからちょっぴり怖いんだよね。


 ほっぺを親指と人差し指で挟んで丸を作って、そこを指で刺してくるんだ。私が本当に子供だったら、嫌がって逃げてるはずだよ。


 「お待ちー、またやってんのかい」


 「タイショー、ありがとう!」


 やっぱりシチューにはパンだね。これが一番いいよ!


 異論は認めるけどね。


 「タイショーは料理作るのが早すぎるのよ、少ししか触れないじゃない」


 「ご飯食べるからほっぺ禁止ねー」


 「けちー、よいしょっと」


 私がご飯を食べる時は、ほっぺを触れない代わりに膝の上に乗っけるんだ。重力魔法で軽くしないと潰れちゃうんだけどね。


 多分子供が好きなんだろうな。


 でも、結婚とかはしたくないらしいんだよ。私もそれには賛成するけど、そのせいで私がプニられるわけで…。


 いつもより早く食べて撤退しないと、今日は丸々一日プニられちゃうよ。


 「ごちそうさま!じゃあねローズさん!」


 「えー、ちょっと待ってよー!」


 「おいローズ、受付以外にも仕事はあるはずなんだが?」


 「あ、ギルド長…」


 いいタイミングだよギルド長!


 …ギルド長?


 なんでローズさんのほっぺた語りに押し負けているの?仕事をサボって私のほっぺを触るのは悪いことだって注意しないとダメじゃない?

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