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王都の天才発明家

 私のいる国、ノクシア王国。


 その王都グランベルにいる友人に用事があって、久しぶりに訪れることにした。


 私は王都にある魔法学校に4年間在籍していたから、王都についてはそれなりに知っているし友人もいる。


 今日はそのうちの一人、稀代の天才発明家と呼ばれている友人が営む小さな魔法具店にやって来たんだ。


 「やっほー、ノエル」


 「お、久しぶりだなハンナ!身長伸びたか!?」


 「もう22だぞ。伸びるわけないだろ」


 こいつが件の友人、ノエル。お淑やかそうな名前なのに破天荒な性格なのが特徴だ。


 稀代の天才発明家と言われながら、こんな小さな魔法具店に収まっているのにはこの性格が大きく影響しているんだろう。


 「子供ごっこはやめたのか!?」


 「やめてないよ。王都は私のことを知っている奴らが多いからね」


 私が好きでやっていることだけど、知り合いに知られたら馬鹿にされるからね。こいつはいろいろ突っ込んでくるけど、嫌なことはしないから信頼している。


 「まあ、それは置いといて。アレができたってのは本当なの?」


 「もちろんだ!私にできないことなんてないからな!」


 「発明以外何もできないじゃん」


 「発明だけはなんでもできるよ」


 そう言って、拳大の装置を渡してくれた。見た目じゃどう使うのかが全く分からないな。


 「まだいろいろ弄ってるから、使い捨てになっちゃうけどいいよな?」


 「うん、十分すぎるよ。ありがとう」


 その後いろいろ説明してくれたけど、重要な部分だけ聞いてあとは聞き流しておいた。


 まさか、私の友人が王国初の転移装置を作るとは。


 この子はこの性格だから、王都とはちょっと合わなくてね。たまには数少ない友人として話を聞いてあげないとね。


 「王都の転移ポイントはここにしておくから、気が向いたらまた来るよ」


 「もう帰るのか?」


 「せっかく王都に来たんだし、いろいろやっておきたいんだ」


 「そっかー、また来いよ!」


 相変わらず元気だったな。


 大人になったら少しは落ち着くものだと思っていたけど全然だったね。


 ええと、次は何をするんだったっけ。


 そうそう、冒険者ギルドに用があるんだった。王都の冒険者ギルドでは、特別に魔物を売却させてもらっているんだよ。


 本来は冒険者しかダメなんだけど、ちょっといろいろあってね…。

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