↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄!? 心の中で大喜びしますわ!  作者: 風月 雫
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/59

第52話 ダリル殿下の失敗 2

拙作ですが、よろしくお願いします(#^.^#)

「俺も一緒に行く! あいつは絶対に怪しい!」


 心配でそうレミリア嬢に伝えた。


「来なくていいですよ」


 一言で俺をあしらう。

 まさか、告白するわけでもないよな、と思いつつ彼女に尋ねると否定されたが、何故か彼女の顔をが薄っすらと赤い。今まで、青ざめる所しか見てこなかった俺とクリスティーナ嬢は目を見開く程驚いた。男子生徒ばかりに気を取られていたが、まさかレミリア嬢が先生に好意を抱くなどとは思いたくなかった。


「あんな先生に恋をするのは辞めてくれ」


 気が付けば、レミリア嬢の感情を探るかのように視線を向けてしまっていた。彼女が顔を赤らめる、そんな表情をさせる先生に対して完全なる嫉妬だった。


 悔しい……。


 そんな醜い感情が沸きあがってくる。一緒にいたクリスティーナ嬢が俺のそんな感情を読み取ったのだろう。「堪えてください」と言われ、我に返った。

 クリスティーナ嬢もレミリア嬢と俺がこれ以上一緒にいるのは、まずいと考え彼女をエリク先生の所に向かわせた。


「ダリル殿下、少し頭を冷やしましょう。散歩でも行かれますか? ご一緒いたします」


 クリスティーナ嬢は少し呆れ顔だった。


「すまない。ダメだな、俺は……」


 情けないな、と俺は自嘲気味に笑った。

 レミリア嬢とは初めて会って、まだ日は浅い。焦らず彼女と接し、じっくりと自分の存在を大きくしていこうと思っていたはずなのに、それが出来ない。意外と難しい。自分の気持ちをコントロールできない。


「焦る気持ちも分からなくはないのですが……」

「クリスティーナ嬢の言いたいことも理解できる……まずは友人からだよな」

「そうです。急にアピールしすぎるとレミリア様も怖がります。まずは異性の友人としての接していかないと」


 分ってる。分っている。

 頭では、クリスティーナ嬢の言っている事は理解できる。レミリア嬢を怖がらせてしまう事も分かる。けれど心が、気持ちが焦っていしまう自分がいた。


「いざ、気になる令嬢が現れてもどうしたら良いのか分からない。情けないな……」

「仕方がありません。殿下も恋愛初心者なのですから。こればかりは誰も教えてくれませんからね。ご自分の気持ちも大切ですが、相手を思いやる心も大切ですよ」

「……分かった」


 応援しているので、焦らず頑張りましょう! とクリスティーナ嬢に励まされる。そんな会話をしながら二人で藤棚のある庭まで来た。来たのはいいのだが、藤棚の下のベンチでレミリア嬢とエリク先生が仲良く並んで座り、話をしていた。


「レミリア嬢……」


 咄嗟に彼女の名前を呼んだ。クリスティーナ嬢のお陰で頭が冷えたのに、またぶり返してしまった。俺は唇を噛みしめ気付けば先生に対して射るような視線を向けていた。けれど先生は俺たちに気付いたが、どこ吹く風といった表情で臆することなく平然としていた。しかも、レミリア嬢の頭をポンポンと軽く叩いていく。


 勝手に触るな! と俺は口に出かけたのを堪えた。エリク先生は俺の方を見ると素知らぬ顔で何も無かったようにその場から離れた。先生の態度が何故か見下されたように感じた。確かに向こうは大人だ。そう思いながらもこの苛立ちを抑えられない。


「あの先生に何もされなかったか?」


 俺のその一言でレミリア嬢の顔色が変わった。いつもの青くなるのではなく、不愉快だと言う表情だった。


「何をされるというのですか? あれほどの面倒見の良い先生になんてことをおっしゃるのですか?」


 レミリア嬢が俺に不満をぶつけると、こちらを睨みつけ、そのままこの場から離れようとした。俺は咄嗟に彼女の白く細い手首を捕まえ、握った。自分の感情を抑えきれずに力任せに彼女の手首を握ってしまった。レミリア嬢は顔を歪めた。すぐに横にいたクリスティーナ嬢に慌てて注意され、手首を放したが、握った所が赤くなっているのが見えた。壊れそうなほどに早鐘を打つ心臓の音が耳の奥でバクバクとなっている。


「だ、大丈夫か? レミリア嬢……すまない」


 俺は悪い事をしてしまった自覚があった。慌てて謝ったが、レミリア嬢は俺をまた睨みつけると何も言わずにその場からいなくなった。自分が為出かしたことに頭が真っ白になり茫然と立ち尽くした。


「ダリル殿下!! どういうおつもりですか!? あれではレミリア様は怖がって殿下に話さえしてもらえなくなります!」


 ああ、俺は間違ってしまった。


 クリスティーナ嬢が助言してくれていたと言うのに、気持ちを抑えられなくなってしまった。

 あれではクリスティーナ嬢の言う通り彼女を怖がらせるだけだ。そんなつもりは一切に無いのに。


「すまない……」

「謝るのは私ではありません」

「しかし、いろいろ助言をしてくれていただろう? 申し訳ない」


 俺は嘆息を漏らす。それに釣られてクリスティーナ嬢も深い溜息を吐いた。


「明日は朝一番に、レミリア様に謝罪をしましょう!」

「謝って許してもらえるだろうか……」


 もう、話もしてもらえないかもしれない。目も合わしてもらえないかもしれない。だが、俺をここまで心を乱されるのはレミリア嬢だけだ。


「何を弱気になっていらっしゃるの! 誠心誠意、謝るのです!」

「……分かった」

「朝一に応接室を使わせてもらうように学院長に伝えておきます。そこで、待っていてください。レミリア様を朝一で連れて行きますので」


 クリスティーナ嬢には頭が上がらない。王太子の俺が人の目に付くところで頭を下げる訳にいかない事を理解している。そしてその段取りまで的確にテキパキと段取りをしてくれる。国王がクリスティーナ嬢を俺の婚約者にしたい理由はこういう所もあるんだろう、と思った。


 俺はその後、寮の部屋に戻った。戻ってっ来ると、アルトが俺の部屋に来た。俺の顔を暫く眺め僅かに眉を寄せる。


「殿下、何かあったのですか? お疲れですか?」

「顔に……出ているか?」

「かなり酷い顔をされております」


 アルトは苦笑しながら頷く。そして、温かい紅茶を入れてくれた。


「何かあったのですか? まあ、言わなくても大体検討はつきます。ブロッサム令嬢の事でよね……何かヘマでもされましたか?」

「……うるさい」


 入れてもらった紅茶を一口飲む。香りもあまりしないし、苦みもある。相変わらずお茶を入れるのが下手なやつだ。自分で入れた方が幾分マシだ。


「何をされたのですか?」

「お前には関係ない。婚約者と上手く行っている者には理解し難い事だ……」

「さようでございますか」


 アルトは満面の笑みで羨ましいだろうという表情をされた。悔しいが羨ましい。


「何か用事があって来たんじゃないのか?」

「あ、はい。ですが、お疲れの様子なので後日の方が良いかと思います」

「なんだよ。それ? 良いから教えてくれ」

「……ドルーニア国の第二王子がこちらにいらっしゃるそうです」

「はあ? 何しに?」

「それが、交流を深めたいとか。訪問期間も無期限という手続きが昨日終わったので。あと一週間ぐらいで到着予定と聞いております。なのですが、もうすでに我が国に極秘で入国している可能性があるようなのです」

「はあ!? 無期限てどういうことだ……しかも手続きが終わる前に入国済みだと?」

「まあ、可能性があるだけなので……それらしい人物を見かけたというだけなので」


 俺は溜息を吐いた。なんという無茶苦茶な事をしてくれる王子だ。まあ、極秘で入国している間に何かあってもこちらに責任はない。


「父上は……国王は何と言っている?」

「放っておけの一言だけ」

「だろうな。ちゃんと入国手続きが済んだらこちらの護衛を付けれいい。それまでは見て見ぬふりで良い」

「分かりました」


 無期限の訪問なのかが理解し難い。何か企んでいるのかもしれない。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

もし面白いと感じていただけたなら、応援やブックマーク、評価などいただけましたら励みになります。

次回更新は8月12日0時10分頃の更新予定をしております。

また読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。