表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
御近所のドラゴン一家  作者: さゆき
PR
13/19

漁師と海竜王3 八百比丘尼伝承

説明ばっかりです。

 当然の事だが知性ある生き物でも竜と人族は別の生き物、ドラゴン番の本分と言えばそれまでなんだが、彼ら(ドラゴン)が、人の常識を知らないのを、フォローをするのが自分の仕事というのはやや理不尽だ。


 その場に居合わせたのは偶然だった、最初はよくある『お母さんはお父さんのどこが好きで結婚したの?』的な質問から。

 どう話がつながってか、女将さんから同じような本音(ぼやき)(こぼ)れた。

「まあ、ではそれを考えればこんなに長い間、お父様がお母様に見捨てられなかったのは、いっそ不思議ですわね。」

 父親の隣に座って、あどけない声で四才児がしみじみと言った(毒を吐いた)


 父親は無言で娘を見下ろし、母親は爆笑し、その場に居合わせた叔父達は店から逃げ出した。

 離れた席にいたドレイクは、冷や汗をかきながら全力で、聞こえていない振りを貫いた。


  ☆ ☆ ☆


「義姉さん、アレス隊長、トラブィス太守とアラマド会長がいらしゃいました。」

 マリウスに案内されて、人目につかないように勝手口から二人が入って来た。

 連絡を回して、それぞれの立場から事実確認をしてもらっていた訳だが、さすがに二人とも情報が早い。


 持ち寄った情報を確認していると、俺ですら馴染みの無い単語が出てきた。

「それで、この『ヤオビクニ』というのは、一体何ですかな?」

 (もっぱ)らアラマド会長がトラブィス太守の質問に丁寧に説明する。


「向こうでもかなり古い『不老不死』伝承です、『ヤオ』は数の800又はとても沢山(たくさん)と言う意味で、『ビクニ』はこちらで言えば女性神官のことです。

『人魚』の肉を知らずに食べてしまった為に、周囲と同じように老いる事が出来なくなり、家族達に取り(のこ)され故郷’を離れ人々に奉仕しながら800年間さ迷い歩き、やっと死ぬことが出来た女性です。」

 八百比丘尼又は白比丘尼(しらびくに)、妖怪漫画で読んだことがあったような……うろ覚えだ。


 眉唾(まゆつば)どころか、酒の肴のほら話だったらしいんだが、転生者達の周囲で聞き耳を立てている連中は多い。

 金になりそうな知識やアイデアを拾って、一山当ててやろうと近くを常にうろついている、どこのどいつか知らないが、(しゃべ)った奴が不用意(うかつ)だったのは否めない。


「私が覚えているこの話(やおびくに)の『人魚』は、人の顔をした魚又は手足の生えた魚です、海の民(メロウ)のような水棲種族のことではありません。

 しかし今回の騒ぎを起こした貴族は、『人魚の肉が不老不死の妙薬』だと言う、この話(デタラメ)を真に受けて『ダイムズを処刑されたくなければ、逃がした人魚の代わりを差し出せ』と要求しているそうです。」

 俺達の世代(死んだ頃)で『人魚』と言えば、海の泡になった童話のヒロインが一番有名だ、多分噂の発生源(おおバカ)からそのイメージで発信されていたのだろう、だから混同した原因は分かる。


「なんと浅ましい、恥の上塗りをどこまで重ねる気だ、情けない。それで君達は要求に応えるつもりはあるのかね?」

 加害者貴族を(ののし)る太守に、アラマド(オッサン)がキッパリと答える。

(まった)くありませんな、ダイムズ本人もそれだけは従うなと、言い置いて代官府へ出向いて行ったそうです。」


 無理が通れば道理が引っ込む、まずは道理を正しい位置に戻すとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ