漁師と海竜王1
『異世界転生した~』の八尾比丘尼騒動、王国側詳細をこちらに書きます。
ドラゴン、この場合は知性有る上位竜達の事だ。
彼等は人間の様な国家を形成してはいないが、神竜王(聖、光)とその継嗣を中心に風、火、水(海)、地(大地)、氷、雷、空(次元)、樹(植物)の各魔法属性ごとの王の元にまとまって、基本普通の人間では辿り着けない、峻険な霊峰の山頂や、万年雪に覆われた氷原、海の水底等で暮らしている。
神竜王本人(本竜?)は、移動大陸で暮らしている。
『浮遊』ではなく『移動』だ。ガリバー旅行記にも出てくる日本で一番有名な亡国ではない、アレは城だけだし。最も飛ばそうと思えば出来る(……)そうだが、現在は世界中の海の上を移動している。
海洋国家にとってはそれだけでも充分な驚異だ。実際過去には魔大陸に移動大陸で突撃をかけた事もあるそうだ。
国家という政治組織が無い事で、ドラゴン達を野生動物扱いする輩もいるが、彼等もどこ吹く風という様子だったそうだし、国境を接しないどころか、生活圏が全く被って無いのだから、お互い関わりを持たず遠くで幸せに暮らしていれば、それで良いとドレイクなどは思うのだが、黒竜の一群が神竜王の元から離反し魔王軍に与した一件に思うところが有ったのか、竜達は風竜王の住む霊峰の麓に、大使館的な『街』を設けてそこを窓口にした。
あくまで『窓口』、その街に竜王達は居ないが、数少ないの外交上の接点だ。
その第一報をフェバード国内に有るもう一つの『窓口』、ドレイクにもたらしたのは、海竜王本人(本竜?)だった。
「ヨルド市の互助会会長ダイムズが、裁判も行われずに処刑される。」
その内容も、もちろん一大事なんだが、いきなり開口一番コレ↑である。何があって海竜王がそれに関わりあいになった?
ヨルド市は国内南と言うか、正しくは大陸最南端、海竜達が暮らしているのは、ガイス大陸北側沖の海底の筈だ。
「それで私に何をお望みですか?」
人間の王様とは違って統治していないのは知っているが、何で竜王ともあろうものが住み処を離れて一人(一竜?)で人間の街をフラフラしているのか。
毎度毎度(×5)ツッコミたい事は山脈一つ分位有る。
竜の常識では、護衛が必要な弱い竜は王ではないそうだが、問題はそこじゃない、何故同行者がいない?、いやそもそもホイホイ住み処を離れる(放れる?野放し!)なって。
海竜王の人化の術そのものは完璧だ、綺麗に整えられた白髪混じりのアクアマリンの髪と口髭、鍛えられた身体を包む上品な仕立て服と靴、さりげなく宝石をあしらった上質な革の小物と帯剣、柄と鞘だけ見ても名品だと判る剣、どこからどう見てもダンディな上流階級の紳士だ。
馬車も使わず飛び込んで来た先が、下町の食堂でなければ、完璧過ぎてチグハグだ。もっと言えば移動手段は転移魔法だよな。
「私が、彼の弁護をする、王国側へ話を通してくれ。」
ドレイクが所謂ドラゴン番なのも、自分達の正体も、国の上層部しか知らない秘密なのに、隠そうという気配りが無いのかと聞きたい。
以上全部が頭の中を駆け巡って、口から出かけた。
叫んで良いか?
「お客さんが他にも居るからダメ」
声に出してないのに、4才児に無情に却下された。
ドレイク隊長の葛藤は30秒位です。お勤めしている人は大変。




