次も?
「殿下」
今まで黙っていたタイゼンさんが言った。
「リゼで遊ぶのは止めて下さいよ」
(え? 遊ぶって……)
「だって、素直で可愛いから、つい」
(……は?)
「リゼ。殿下はおまえをからかっているだけだ」
グレイス様がそう言った。
(〜〜もっと早く教えて下さい……)
どっと疲れが襲ってきた。早くお城に帰りたい……。
私は疲れを癒すべくキュアーの身体を撫でた。
すると殿下がキュアーへと手を伸ばしてきた。
「私にも触らせてくれないかな」
そう言われては拒否できない。
私は殿下の手の上にキュアーを乗せた。
「これは可愛いね」
「キュゥー」
殿下に撫で回されて、キュアーが嫌がっている。それでも殿下は撫でるのをやめない。
「……殿下は気に入った物を構い過ぎて嫌われるんだ」
タイゼンさんがぼそっと言った。
なるほど、と思った。
「殿下。帰りますよ」
「もう少し」
「わがままを言わないで下さい」
キュアーを返してもらった後は、グレイス様と殿下が言い合っていた。
その間にタイゼンさんが呼び寄せたのか、クルトが飛んで来るのが見えた。
「竜だ!」
「騎獣か!?」
竜が降りてくるのを見て、町の人たちが騒ぎ出した。
それを見て観念したのか殿下が大人しく帰ると言ったので、私たちは急いでクルトに乗ってゾーマの町を後にした。
「次はゆっくり来たいな」
殿下が呟いた。
また次も捜しに来るのかと、私はこの面倒な王子様を眺めていた。
この人が王太子様じゃなくてよかったな、と思った。




