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心地良い?
「殿下」
グレイス様の声がして、振り向くと彼がそこにいた。
肩には子猫のキュアーを乗せている。
(クルトは置いてきたのかな)
あんな大きな竜が町に入ったら大騒ぎになるだろうから、クルトも子猫にでも変化させればいいのに、と私は思った。
(でも、そうできない理由が何かあるのかな?)
大きさの問題かな、と思った。
大きな竜を小さくするのは思った以上に大変なのかもしれない。
「キュ」
キュアーがグレイス様の肩から下りて私のところにやって来た。
小さな子猫の姿でじっと私を見ているキュアーはとてつもなく可愛い。
私はキュアーを抱き上げてその身体を撫でた。 いつもの少しひんやりした感触ではなくて、柔らかな体毛が心地良い。
いつものキュアーのじんわりと体温の伝わる感じとは違って、すぐに温かさを感じるのには驚いた。
(変化の術って、見た目だけじゃないのね)
寒い季節にはこの温かさは心地良いだろう。
絶対、冬までに術を覚えるぞと思いながら、私はキュアーを肩に乗せた。
「その猫が噂の子竜かな?」
アウトゥール殿下がそう言った。
それに答えたのはグレイス様だ。
「ええ。キュアーといいます」
「ふうん。可愛いね」
殿下がキュアーをじっと見ている。
探るようなその目には、キュアーは子竜の姿で映っているのかもしれない。




