王様に会う?
竜の群れの中から出て、待っていたラファンの所まで戻ると、私はグレイス様に、15歳まで待たずに弟子にしてほしいと言った。
グレイス様はすぐに了承してくれた。
それから私は、気になっていたことを訊いた。
キュアーが大きくならないことについては、あっさり解決した。
「竜は長命な生き物だから、幼少期も長いのだろう」
グレイス様がそう言ったので安心した。育て方の問題とかだったらどうしようと思っていたのだ。
しかし、それならなぜ自分が王都に呼ばれたのか気になった。
それについては、ライドさんが答えてくれた。
「キュアーのことを報告したら、王様が興味を持っちゃってね」
それでキュアーと私を呼ぶことになったのだそうだ。
王様に会うと聞いて、私はパニックになった。
(ええーっ! 王様と何話したらいいの!? 服は!? 王様に会えるような服、持ってないのに!!)
慌てまくる私に、ライドさんが言った。
「大丈夫だよ。陛下に会う時は私たちも一緒にいるし、受け答えは私たちがするから、君はキュアーのことだけちゃんとしててくれればいいから」
(あ、なんだ。私はキューちゃんのついでか)
途端に今まで慌てていたのが恥ずかしくなった。
(叫んだりしなくて良かった〜)
声に出して言ってたら、今頃恥ずかしくて帰りたくなっていたはずだ。
(王様の前ではキューちゃんが飛び回ったりしないように、しっかり押さえておこう)
そう決意した。




