表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の降る街に  作者: 霧島
第1章
9/92

9 決心


溢れんばかりの思いをお互い感じながら、今は隼人の運転する車に乗っている。


「まだ時間早いけど、家にこない?」

まだ気持ちがフワフワしている私に声をかける。昨夜の辛く悲しい思いが嘘のようで、

今の状況が信じられない。


頷くと、繋いでいる手をギュッと握ってくる。私も彼の体温を感じながら握り返した。



部屋に入ったとたん、隼人に抱きしめられた。

最初は優しくキスをしてきたのが、だんだん深くなり足に力が入らなくなる。


「俺、もうだめ…。」

不意に身体が浮く。

「隼人?」


すでにお姫様だっこされていて、つれて行かれたのは寝室…。

ベッドにそっと降ろされ、それからは、お互いの熱を感じながら激しく求めあった。

それは、まるで今までの時間を埋めるように…。



カーテンから差し込む朝日…。


隣で私をしっかり抱えて眠っている隼人がいる。

普段は、隙のないかっこいい彼も、寝顔はあどけない・・。

寝顔を見ながら昨日からのことを思い出す。


「夢じゃないよね…。」

と呟く・・と、


「夢じゃないよ。」

と声がする。


「おはよ。」

私を抱きしめながら、額にキスをおとす。


「おはよう。起きてたのね。」

「さっき目が覚めてケイの寝顔みてた。」

恥ずかしくて顔を隠す。


「こうやって腕の中に居てくれることが嬉しいと思ってさ。」

「私も、嬉しい。。」

「ケイ…愛してるよ。もう誰にも渡さない。覚悟してて?俺、わりと独占力強くて、すっごいヤキモチ妬きだから。」

「隼人が?信じられない。きっと私の方が、ヤキモチ妬くことが多いわね。これから。」

「なんで?俺、会社のやつらにも嫉妬するし、今までもしてたし。」

「…さりげなく爆弾発言ね。今までもしてたの?」

「してたよ。ケイと話す男の奴らに。だから特に男相手には容赦なかったかも…。」

「え???私がらみだったの。『氷のプリンス』は。」

「そう。その『氷のプリンス』はやめて。」

ほんとうに嫌そうな顔をする。


「じゃあ『氷』はとってあげる。でも『プリンス』は、私にとっても隼人は王子様だから間違ってないわ。今までも、会社でヤキモチ妬いていたのは私もそうだし。」

隼人の抱きしめる力が強くなる。


「お互い、近くに居すぎて気がつかなかったのね。」

「これからは更に近くなるよ。」

隼人の顔をみると、柔らかい優しい笑顔で、意味深なことを言う。


「会社もそうだけど、旅にでれば、いつも一緒だろ?」


現実に頭が戻される。


「隼人、本当にsperanza[スペランツァ]に行くの?私は月曜日辞めるように話するつもりだけど。」

「行くよ。決心は変わらないし俺も辞めるよ。急で引き継ぎもやらなきゃいけないから、会社には言っておいた方がいい。一緒に話いくか?」

「う~~ん。」

「どうした?」

「会社というより、会社の女性陣の反応が怖い…。あの視線が私に突き刺さりそう。」

「なにそれ。月曜日には俺ら付き合ってるの公表するつもりだし。男除けに。」

「え?」

「言っただろ?俺独占力強いって。他の奴らに絡んで欲しくないから。」

普段見せたことがない、意外な反応に、笑みが零れる。

「わかった。言うのは別々の方がいいと思うわ。お互い立場も違うし、それに。」

「それに?」

「二人で行ったら、いろいろ追求されるの目に見えてるし。」

隼人もクスクス笑いながら、

「そうだなぁ。そりゃ根掘り葉掘り聞かれるだろう。」


明日が怖い……。



…………………………………………………………………………………………………


月曜日。


隼人が言った通り、私たちが付き合ってるのを公表してから、私の周辺の視線がいつもより厳しい。

それ以外に、私が男性の後輩と喋ったりしてると、別の視線を感じるのは気のせいではない…。

その後の後輩には、隼人は容赦なかった。



会社には、一身上の都合で辞めるということで、年明け1月末で辞めることになった。

隼人は引き継ぎの関係で、2月末に辞めることになったらしい。どういう話をしたかは聞いてない。


会社の方が、決まったので、週末の土曜日に、隼人と不動産屋に行くことにした。



一枚の張り紙を見たことによって、周りの環境が激変している。

運命なんてわからないし、この先これからどうなっていくのかなんてわからない。

それでも・・自分自身で決めたこと。私は後悔はしない。



部屋の窓から夜空を見上げる。空気が澄み、満天の星空が広がる。輝く星たちに、旅の無事を祈った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ