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星の降る街に  作者: 霧島
第8章
78/92

78 目覚め

「・・・・隼人?」


どれぐらいの時がたったのだろうか。


意識を少しずつ動かす。


私は、なぜここにいるのか。


どうして、身体が思うように動かないのか・・・・。



いくら考えてみてもわからない。



「ケイ、目が覚めたか」


隼人が、私の顔を覗きこみ唇にキスをする。


「うん・・・、でも身体が思うように動かないの」


目の前にいる、隼人の姿も霞んで見える。


「無理しないでいいんだよ」


今度は、違う所から穏やかな声が聞こえる。


「・・・・櫻井さん?」


ぼやっとした視界の中に、もう一人の影がうつる。


「ケイさん、もう大丈夫そうですね」


この声は真さん。


何が大丈夫なんだろうか。


真さんの声が聞こえて、私の周りが賑やかくなった。


「真さん、私・・・・」


段々視界がはっきりしてきた。


私のバイタルを測りながら、周りの機器を片付けていく真さん。


「ケイさん、3日間程眠り続けていたんですよ」


「3日間も?」


「強い毒が体に入ってますので、抜けるまで時間がかかったのです」


「毒、ですか」


「わからないのは当たり前だ」


私の頬を優しく撫でる温もり・・・櫻井さんの手。


「部屋にあった花に猛毒が塗ってあって、それにケイは触ったんだ」


私の手を握っている隼人が教えてくれる。


「そうだったの」



「それで相手は、誰・・・?」



「大丈夫だ、その件はもう片付いた」


隼人より先に、顔色を変えず櫻井さんが答える。


櫻井さんが、片付いた・・・と言うことは、



「vulcanoの関係・・・?」



「まぁ、そんなところだな」


そう言いながら、私の頭を撫でる。



「後のことは、心配しなくてもいい。それよりケイの身体の回復させるほうが先だ」


「そうです、しっかり食事して元気になって頂かないと」


そう言う真さんの手には、温かいミルクティーと軽い食事の乗ったトレイがあった。


「隼人、ケイさんをよろしく。また後で来ますので」


いつの間にか、呼び方が変わっていた真さんが隼人にトレイを渡し、真さんと櫻井さんが部屋を出ていくと、隼人の後ろに立っている男性に気がついた。


「隼人、そちらの方は?」


「ああ、親父の片腕で仕事している俺の叔父さん。ケイが倒れた日に、こっちに着いたんだ」


「初めまして、鳴沢ケイです」

少し身体を起こして挨拶をする。



「初めまして、隼人の叔父の岸田です。今回、こちらの関係で迷惑をかけてしまってい、申し訳なく思っています」


「気分はどうですか?」



「なんとか・・・、こんな格好してては説得力ないですけど」


身体を動かそうとすると、


「無理しなくていいよ」

隼人が、私を止める。


「意識が戻って良かった。隼人も心配でずっとケイさんの傍にいて、離れられなかったんだから」


そう言いながら、クスッと微笑む顔は、何となく隼人に似ている。


「彼女のことを心配するのは当たり前ですよ」

真顔で答える隼人。


「そうだよな、隼人の未来の嫁さんだし。俺も親戚になるしな」


二人の会話に、聞いてびっくりしてると


「未来の身内に手をだす奴らを片付けておかないとな、隼人」


「ええ、もちろんです」


「その前に隼人、真さんから預かっただろ」


「ああ、そうだった」

私のベットサイドに、トレイを運んできた。


「少しずつでも食べないとな」

隼人が身体を起こしてくれ、私の目の前にトレイを置く。


「嬉しい、ミルクティーだわ」

湯気のたつcupを手にとり、口にする。


「美味しい」

温かい液体が、身体に染み込んでいく感じ。


「ケイは ほんとミルクティー好きだよなぁ」



「コーヒーも好きだけど、やっぱりこっちの方が飲んでて落ち着くの」



「まぁ病み上がりには、コーヒーよりはいいかもな」

岸田さんも、隼人の隣の椅子に座る。


「食べて、元気にならないと。私のせいで先に進めないんでしょ?」


目が覚めて、3日も寝ていたと聞いた時に、私が動けないから、出発ができないのだと思った。


「心配しなくていい。この先は船でいくから」

岸田さんが、さらっと答えると、


「それはまずいんじゃないですか?俺たち一般人だし」


隼人の言うことに頷くと、


「櫻井さんのではなく、うちのだから大丈夫だろ」


「うちのって・・・、まさか」


「事業団の、プライベートのやつ。親父さんの指示だ」


「親父・・・」


「プライベートのやつって?」

どうも、私は話に乗り切れない。


「事業団の上層部の限られた人しか乗れない船なんだよ」


「良く親父OKしましたね」


岸田さんが乗るのは、幹部だから別に問題ないが、自分たちが乗るのは問題じゃないかと・・・。


「自分が関わる仕事で息子や未来の嫁さんが命を狙われてるんだ、問題ない」


「それに・・・、闘いは終わってないからな」


一瞬厳しい表情をする岸田さん。


「でも、本当は自分が来たかったんだから船ぐらいは許されるだろ」


「ケイさんの体調が良くなったら出かけるぞ」


「はい」

隼人は返事をし、頷く。


「俺は 櫻井さんたちと打ち合わせしてくる。ケイさん、食事して隼人とゆっくり過ごしてればいいからね」


そう言いながら、岸田さんは部屋を出ていった。




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