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星の降る街に  作者: 霧島
第8章
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77 岸田さん【再会】

「ご主人様、ケイさんが、意識を取り戻したと連絡が入りました」


司令官がいる部屋へ、参謀長の真が入ってきた。


vulcanoに向かっている船の中でも、ケイのことが、頭から離れることはない。



「山を越えたようです。毒が完全に抜けるまでにはもう少しかかりますが」



「良かった・・・。真の処置のお陰だな」


思った以上に、身体が強ばっていたようで、椅子に座ると、力が抜ける。



「最初、倒れたケイさんを見たとき、助からないかもと思いました。しかし、私の命にかけても助けなければと・・・」


「それだけ、強力な毒だからな、あれは」


「はい、ほんの少量で人を殺せるくらいの。専門医の、私でさえ滅多に遭遇することがないものです」


真が医師の時でさえ、数える位のものだった。

そういうものを使うvulcanoに、改めて、強い殺意を覚える。


「あのまま、処置をせず時間を置いたら、間違いなく・・・ケイさんは命を落とされてましたね」


「そうだな」


ケイが殺されるなんて、考えるだけでも・・・・握る手のひらに力が入る。



立ち上がり、船の進行方向にある大きなモニターを見つめる。



「真」



「はい」



「あと10分程で、vulcano上空に入る」



「準備は?」



「全て、指示通り整っております」



「よし。すべては予定通りに」



前回は、事情があっての休戦協定だったが。


vulcanoとは今回で・・・・・・すべて終わりだ。



数えきれないほどの船体が、vulcanoに向かっている頃。




buioでは、隼人は、地球からきた客人と再会していた。




「お久しぶりです」


部屋を訪ねてきた、岸田さんとハグをする。


岸田さんは、現在親父の仕事の片腕でもあり、小さい頃からお世話になっている母方の叔父でもある。


「隼人、いろいろ大変だったな。親父さん、心配していたよ」


ここにたどり着くまでの騒動のことをいってるのだろう。



「そうですね。でも俺以上に大変な思いをしているのは、彼女です」


ベットで、眠っているケイのほうへ視線を動かす。


「ケイさんだったね。entrata(エントラータ)で襲われたのは」



「はい」



「襲った奴らの残骸が、今もって隼人を追ってきてるんだよな」



「親父じゃなく息子で、その上彼女まで狙うなんて・・・・・・・」



「隼人、今回は完全に組織潰す」


「そのために、はるばるここまで来たんだ」


本当なら、岸田さんではなく親父が来たかった所だろう。



「今潰しておかないと、隼人たちも後々厄介だろ?」



「ケイさんと結婚するんだろうし」



「はい、そのつもりです」



「それにしても隼人、バック大きいな」



「櫻井さんたちのことですか?」



「そう、親父さんに聞いたときは、腰がぬけるくらいびっくりしたぞ」



「もともと、俺たちは、親父の仕事柄みの事件も、国同士の争いも、巻き込まれた方だから、被害者みたなものですよ」



「今、正にその真っ只中ですし・・・・・・」



「そうだな。でもentrataの騒動の時、隼人だけだったらケイさん守りきれたか?」


そう言われると、何も言えない・・・・・・。



「まぁ、へこむな。隼人も軍隊上がりレベルまで、鍛えあげてあるんだし」


岸田さんに連れられて、訓練に行ったからな。


「時が来たら自信をもって戦え。ケイさん守りきれなければ、他の男たちに持っていかれるぞ」



冗談にも聞こえないことを、さらっと言う・・・・・・。


返事に困っていると



「お、隼人。心あたりがありそうだな」



にやり、とこちらに視線を向ける。



「旅にでてから、悩みの種ですよ」



「ケイは、tenerezzaの王までにも狙われてるし」



「tenerezza??」



「ええ、櫻井さんたちに言わせると、欲しいものはどんな方法を使ってでも手に入れるとか」


「確かに、あそこの王のあんまりいい噂は聞かないよな」


「で?tenerezzaとケイさんと接点があるのか?」


「親父から聞いてないですか?tenerezzaの連中に2回も薬使われて、ケイが連れてかれているのを」


「目的は、ケイが持っている鍵とケイ自身」


「ケイの元カレ繋がりで知ったらしく、王妃として迎えたいと言ってるらしいです」



「そうか、それはケイさん大変だなぁ、国王レベルでの話じゃ」



「そういえば櫻井さんも、ケイさん狙ってる一人だろ?」



「そうですね。櫻井さんもsperanzaの王族で、軍総司令官ですし。国レベルです」


否定はしない・・・・・・。



「相手がどうであれ、隼人、大事なら手放すんじゃないぞ」



「当たり前です。ケイを手放すつもりはない」



「今回の隼人を追って来ている奴らの処分しだいでは、地球に戻るより、speranzaで生活したほうがいいかもしれないけどな」


「それは考えていますよ。ケイの安全が一番ですから」


「親父が今の仕事をやっている以上、同じように危険が付きまとうから、地球には帰れない」


「それにsperanza国も移住を薦めてるから、ちょうどいいでしょう」


「そうだな、住むことは問題ないだろう」


二人で話をしていると、岸田さんの携帯電話が鳴る。


「岸田です。はい、先程隼人と合流しました」


岸田さんと目が合い頷く。


「そうですね。ではこのまま繋ぎます」


話をしながら、何やら荷物の中から取りだし、目の前の机に画面を広げ、スイッチをいれるとそこには、


「親父・・・・・・」


久しぶりに見る親父の顔だった。


「この方が話が早いからな」


岸田さんも隼人の横に座る。


「隼人、ケイさんの状態はどうだ」


画面から聞こえてくる親父の声。


「真さんの処置が早くて、とりあえず山は越えた。でもまだ油断はできない」


「そうか。彼は薬剤関係に詳しいみたいだから大丈夫だろ」


「ああ、元々その分野の医師だって聞いてる」


SPさんに聞いた話だから間違いない。

親父も知っているということは、櫻井さんたちから、詳しい情報が入っているんだろう。


「相変わらず二人とも素っ気ない会話だな。未来の身内が大変な事態なのに」


隣で岸田さんが呆れたように呟く。



「さてと、ここから本題の打ち合わせいきますか」


と、さすが親父の片腕。きっちり話を動かしてくる。


「そうだな、隼人も含めて」


画面に映る親父は、既に仕事モードに切り替わっていた。


ベットで眠るケイを視界に入れながら、打ち合わせを始めた。



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