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星の降る街に  作者: 霧島
第8章
76/92

76 希望

「いよいよ、始まるな」



「はい。先程尚人様から、軍に指令が入りました」



「今回は、尚人と木理谷の揃えだからな、普通のやり方はしないだろ」


「おそらく・・・・・・」


「この間の隼人絡みの事件処理なんて、生易しいもんだからな」



「今、ケイはどんな具合なんだろうか、大丈夫か?」


毒薬・・・って聞いた時は、血の気がひいたが。



「木理谷が処置をして、今夜越せば落ち着くだろうと、尚人様はおっしゃっていましたが」


「そうか、木理谷は薬剤関係のプロフェッショナルだからな、あいつが言うなら間違いないだろう」


「尚人様も木理谷も、ケイさんが被害を受けたことに心を痛めておりますので、今回のvulcanoに対しては、今までになく、非情な扱いになるかと思われます」



「vulcanoの奴ら・・・・・・とんでもない地雷を踏んだな」



一番、刺激してはいけないところを狙ったからな、仕方ない。



「随時報告を、場合によっては俺も加わると、尚人に伝えてくれ」



「畏まりました」




speranza軍が動き始めた頃・・・・・・・。



「報告致します、speranza軍がvulcanoに現在向かっております」



「やはり動き始めたか」



「司令官と参謀が動いてる・・・ということは」



buio(ココ)にはケイがいるんだな」



「はい、でも現在非常に危ない状態とのことです」



「危ないってどういう意味だ?!」



「宿泊先で、ケイさんが猛毒に触るトラブルがあり、意識がない状態で、今は医療管理下にいます」



「猛毒に触るって、誰か触らせたのか?」


「どういう流れでというのは、まだ掴みきれていませんが、どうやら居室のあった花をケイさんが触って、その直後のようです」



「おそらく、それを仕掛けたのは、vulcanoの奴らか」



「speranzaも動き始めるわけだな・・・・・・」


もし、自分も同じ立場なら、やった奴らは、生かしておかない。



「ケイを強引に連れて来るのもありだが、今、下手に動かして、毒が回っても困るからな」



「少し様子をみることにしよう」





櫻井さんと真さんが部屋を出ていって、暫くすると、



「ん・・・・・・」

眠っていたケイが動き始めた。



「ケイ、目が覚めたか?」

枕元で、隼人は声をかける。



声に反応したのか、声のするほうにゆっくりと頭を動かし、うっすらと瞼を開く。



ぼんやりしているので、



「ケイ?わかるか?」

ケイの頬をなで、顔を覗く。


「・・・・・・はや・・と?」

ケイの右腕がゆっくり動き、頬に置いてある隼人の手のひらに重なった。



「そうだ。やっと意識が戻ってきたな」

ケイの口周辺には、呼吸器が着いているので、少しずらし、唇を重ねた。



「私・・・?」


今のこの状態が、納得できてないな。



「部屋にあった花に毒が塗ってあって、ケイはそれに触ったんだよ」



「真さんが、すぐ解毒処置をしてくれたからよかったんだけどな」



先程の緊張感を思い出すと、背筋がぞっとする。



「そうだ、SPさん」


コールボタンを押すと、入り口で人の気配がする。



「隼人さんどうされましたか?」



「ケイの意識が戻ったので」



「そうでしたか。今すぐ伺います」


数分後、部屋の入り口の扉が開き、数人のSPが入ってきて、ケイの様子を診察する。


「山はこえたようですね。もう安心です」



少し離れた所に、待機をしていた隼人に声をかける。


「よかった・・・ありがとうございます」

全身の力が抜ける。



「櫻井さんに、ケイの意識が戻ったと、伝えて頂けますか?」



「はい、伝えておきます」


そういうと、道具を片付け部屋から出ていった。



「櫻井さん・・・?」


ケイが、微かな声で尋ねてくるので、


「何か調べに行くって、真さんと出掛けているんだ」


今はまだ、本当のことを言うわけにはいかないから。



「もう少し眠るといいよ。俺も傍にいるからさ」

手を繋ぎ直し、ケイの頬にキスをする。



ケイの頭を撫でていると、静かな寝息が聞こえてきた。



どれだけの、毒がケイの体内に入ったのかわからないが、しばらくは動かすのは危険だ。


この先の旅は、どうなるんだろうか。


ケイの身体の回復や、speranzaとvulcanoの争いの結果で、列車に乗ることができないかもしれない。


まぁ、ここまで来たんだ・・・・・・なるようになるしか、だよな。




それにしても、櫻井さん達、vulcanoをどうするつもりなんだろうか。


前にも戦って、あえて休戦協定を結んだと言っていた真さん。


でも何故、休戦協定だったんだ?


あの言い方だと、speranza軍のほうに力があったよな。



ばからしい・・・・・・俺には、関係ないことだ。


争いなんて、深入りしたらろくなことないからな。



俺は、ケイが早く元気になってくれれば、それだけでいい。


一日でも早く結婚式あげて、一緒に暮らしたい。


何処で生活しようか。


ケイは、どうしたいのだろう。


今回は、そんな甘い思いでいっぱいの旅になるはずだったのに、どこでどう間違えて、ケイが、こんなに苦しまないといけないんだ?



一緒に暮らす前に、俺を追ってくるやつも片付けておかないとな。


岸田さんも、夜が明ける頃には到着する。


俺に近づいたことを、後悔させてやる・・・・・・。





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