表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の降る街に  作者: 霧島
第7章
70/92

70 buio/到着

列車が滑るようにホームに入っていく。


「これは・・・・凄い」


「今までと雰囲気が違うだろ?」



私の左隣で準備をしている櫻井さんが、私の呟きに反応してくれる。



「・・・ええ、想像以上でびっくりです」

一番驚いたのは、ホームの広さ。


はるか向こうまでホームが並んでるって、どれだけがあるんだろう。


これだけの規模の駅を持つbuio。


この先の事を考えたら、降りる前から、足がすくむ・・・。


「ケイ?どうした?」


右隣にいる隼人、私のわずかな変化を、敏感に感じとる。


「ん?大丈夫よ」


笑顔で隼人のほうへ振り向くと、がしがしと、大きな手で私の頭を撫でる。


顔をあげると、口角を上げ、フッと笑った隼人は、私を引き寄せ抱きしめ唇を重ねた。


「怖がらなくてもいいんだよ」


隼人の言葉に、頷くと同時に、列車が駅に到着したことを知らせるジョニーさんのアナウンスが車内に流れる。


「只今buioに到着致しました。出発は、35番線、地球時間3日後20時の予定です」



「・・行くぞ」


ゆっくり立ち上がった櫻井さんの声で、緊張感が高まる。


私は無意識に、胸の上にかかっている鍵を洋服の上から、祈るように握りしめていた・・・。



隼人が私から離れた隙に、櫻井さんが通りすがり、私の右頬に手をかけた瞬間、スッと顔が近づき左頬にキスをしていった。


呆気にとられたが、櫻井さんの気持ちに気がついた・・・。


「しっかりしないとね」

一人気合いをいれて、コンパートメントを後にした。



車掌のジョニーさんたちに見送られて、隼人と櫻井さん、真さんと共に、ホームに立つ。


「すぐに手を出して来ることはないだろうが」


「相手が仕掛けてきたら、遠慮なく・・だ、隼人、真」


「はい」

隼人は正面を見つつ、頷く。


「もちろんです。最初から遠慮なんかする相手じゃないですし」

と、私の後ろから真さんの声。


横に立つ、櫻井さんを見あげると、目を細め前を見据えている。


「vulcanoもtenerezzaも、狙ってくる目的は一緒だ」


「俺たちが守らなきゃいけない愛する大切な女性(ヒト)・・と一緒なら・・」


一瞬私に視線を移すと、


「俺達は・・・容赦しない」


櫻井さん、何だか今までと違う・・?


ぼんやり、櫻井さんを見つめてると、


「本場の戦いになるとき、ご主人様は豹変します。戦場にいるのが長かったですし・・」

真さんが、私の心を読んだように、答えてくれる。


「今回は、ケイさんがいらっしゃいますから、特に・・・かもしれませんが」

微かに聞こえる声で、真さんが、言葉を繋ぐ。


「愛する大切な女性(ヒト)・・・」

櫻井さんの声が、頭の中でリピートする。



「ひとまず、駅を抜けよう」


私の右手は、隼人の手にしっかりと握られ、私も握り返す。


櫻井さんは私の左側に。


真さんは私の後方に。


出口に向かって、歩きだした。


駅を抜けるだけでも大変だった。


私たちが降り立ったホームは、35番線。


駅の出口はもちろん1番線方面なので、必死で歩かないと、到達できないだろう・・。


どのホームも、乗降するたくさんの人達でごったがえしている。


着飾っているひと、今から何か掘りにいくと、目をキラキラさせている男性、たくさんの荷物を抱えて足早に歩いている女性など、歩きながら人間ウォッチングしてると、つまずき転びそうになって、隼人に抱えられていた。


「キョロキョロしてると迷子になるぞ、ケイ」


「ならないから」

少しふてくされる・・・。


「ふふっ、地球を出てくる時みたいだな」


あのときも、駅の大きさにビックリしてたんだっけ。


「そういえばあったね」

ふてくされたことも横において、そんなに遠くない出来事を思い出していた。



「その後よね、男がぶつかってきたのは」


「そうだったな」


今は、飛鳥とともにsperanzaにいるはずだ。


飛鳥、どうしてるんだろうか。



話をしながら歩いていると、今更ながら気がついた。


「駅では、追われてたよね、あの男。凄い慌てていたけど、誰に追われていたのかしら」


私を隠密で追っていたのなら、あれはあり得ないと思うけど。


「多分、やつは別の件で追われてたんだろう」


話を聞いていた、櫻井さんがさらっと答える。


「別の件?」


「ああ、指名手配されるようなやつだからな。何かのきっかけで見つかって追われたんだろう」

さらっと言ったけど、櫻井さん?


「指名手配ってどういうこと??」

余りの驚きに、櫻井さんにも普段の喋り方になる。


「やつ、スパイ容疑で指名手配中だったんだよ。捕まえてからわかったんだが」


「・・・スパイ?!」


「普段から、お互いに国同士の情報合戦だからな、スパイがいても決して不思議じゃない。もちろんsperanzaにも情報機関がある」


「実際、こうやってケイのことも、情報が流れているわけだし」


ああ、そうなんだ・・。


妙に納得してしまう。


だから私の知らない場所で、沢山の情報が流れて、おおごとになってるのね。


「隼人の件も、今は動きはないが、どうなってくるのかわからないからな」


いろいろと、心配は尽きない・・・。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ