表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の降る街に  作者: 霧島
第1章
7/92

7 思わぬ展開

店の主人が、奥から戻ってきた。


「さてそろそろ、本題に入ろうか。」


私たちに、コーヒーを勧めてくれ、自分もカップを持ち、正面に座った。


「お嬢さん、まずは名前を教えてもらえるかい?」

かばんの中にある名刺を取り出して渡す。


「鳴沢ケイです。」


「鳴沢さんね。商社勤めなんだ。

それで、今日ここに来たということは、先日の話に、気持の動きがあったということかな?」

無言で頷く。


「いろいろ考えましたが、先日もお話させて頂いたように、すぐにあちらに【住む】

というのは決めかねます。でも、どんな星なのか行ってみたいと思って。

星まで行く道中のことを含めてお話を聞きたいと思い、今日は伺いました。」


「わかった。」

主人は、私の顔をみて頷いて返事をすると、横に座る隼人に視線を動かす。


「彼も一緒に聞くかい?」

隼人も黙って頷く。


「じゃあ、まず初めに目的地の星の話をしようか。」

主人はそういうと、ファイルをテーブルの上に広げた。


「位置は、地図見て貰うとわかるけど、地球はここね」

と、指で指す。


「鉄道の終着駅のある、目的地の星がここ。speranza[スペランツァ]、

希望という名の星。」


「speranzaまで、何もなければ、鉄道で1ヶ月かかる。宇宙船だともう少し早いかな。」


「何もなければ?というと。」

隼人が主人に尋ねる。


「すべてに安全の保障はない…ということだね。speranzaについてしまえば、

地球にすむより安全に快適に生活ができる。王政国家で、国がちゃんと機能してる

からね。」

隼人を見ると、厳しい顔付きでファイルを見ている。


「列車の出発は、毎月5、15、25日。地球時間20時、50番線ホームから」


「それと旅費の件は、鳴沢さん、ひとつ提案なんだけど。」

急に主人から話を振られ、びっくりする。


「なんでしょうか?」


「今回、もしsperanzaに鳴沢さんが行くのなら、旅にかかるすべての費用は

私が持ちます…という提案で。」


「は?」

提案に言葉がでない。


「条件…というか、speranzaにいる知人に届けて欲しいものがあって。

もちろん、怪しいものでもないから大丈夫。それを届けてくれるなら費用を

任せてほしい。」

そして、隼人の方に振り向き、


「もし、彼も一緒にいくのなら、そちらも心配なく任せてほしい。」

隼人が言葉なく、繋いだ手を強く握ってくる…。


「悪い条件ではないと思う。もし、speranzaに住むようになれば、手配もする。」



「1週間ぐらいで返事を待ってる。」



…………………………………………………………………………………



店の主人に見送られ、隼人の車に戻ってきた。


助手席でぼんやりしていると、


「さてと。」

顔をあげると、隼人がこちらを向いてる。


「とりあえず、お昼だしご飯食べに行こうか?朝も食べずにきたからお腹すいた。

ケイもそうだろ?」


「そういえば。夕べ眠れなくて朝も食べてない…。」

そっと隼人の左手が私の右手を繋ぐ…。


「食べてからゆっくり考えよう。」

コクンと頷く。


隼人の運転する車が動き出し、気持ちのいいJazzの音がスピーカーから流れてくる。

外の景色を眺めながら、少しの間、音に身をまかせることにした……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ