表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の降る街に  作者: 霧島
第7章
68/92

68 buio/車内殺人事件?

「本音が出ましたね、ご主人様」

ケイと隼人が部屋に帰った後、片付けをしながら真が声をかけてくる。


「・・・そうだな」

否定はしない。


地球に帰る危険性とか何よりも、ケイにはsperanzaにいてほしいという気持ちが先にたち、無意識にあの発言・・・・・。


それに、隼人も同じ気持ちだったらしいのには意外だったが。


「どちらにしても、今の状態じゃ帰った所で、隼人よりケイのほうが危険だからな」


「最悪、隼人の親父さんの弱味にもなりかねない」


俺のいない所で、そんなことになったら・・・ゾッとする。


「まぁ、ケイを今更自分の見えないところにおくつもりもないが」


「でしょうね・・、全く手離す気はないかとお見受けします」

真は、クスっと笑い、でもすぐ真面目な顔に戻り、


「まずは、buioですね」

ここを越えないと先はない。



「ああ」

隼人の関係者のことも頭に入れて動かないといけなくなりそうだ・・。




その後は、警戒しつつも穏やかに、列車もトラブルもなく進んでいた。



が、buio到着を明日に控えた夜のこと、突然櫻井たちの部屋の入り口をノックする音が・・・。



真がドア越しに姿を確認し、扉をあけるとSPが慌てた様子で、


「今、列車内で殺人事件が」


「なにっ?」

仕事をしていた手を止める。


「真、すぐ隼人とケイをここに」


「はい」

いうと同時に、真は部屋を出ていった。


「現在の状況の説明を」

嫌な予感がする・・・。


こういう時の直感はまず外れたためしがない。


「はい。個室の男性なのですが、30分ほど前に車掌が見回りに部屋を訪れたところ返事がなく、部屋のテーブルにうつぶせになっていて、声をかけても反応がないのでみたら、息絶えていた」


「現在、自他殺両方で確認中です」

・・と。


「そのことは、車掌から聞いたのか?」


「はい」


「わかった。現地点では、はっきりしないが、こっち関連・・かもしれないな」

SPに視線を向けると、


「・・おそらく」


「引き続き情報収集を」


「かしこまりました」

挨拶をしSPが部屋を出ていった後、隼人とケイを真が連れてきた。



「櫻井さん、殺人事件って」

部屋の扉が閉まったことを確認すると、隼人が尋ねてくる。


「部屋で死んでるのを、車掌が確認したらしいが、どうにも」


「・・胡散臭いですねぇ」

隼人も思うところがあったんだろう。


「そう思うか?」

尋ねると、


「ええ」

と、頷く。


「隼人の勘は当たってるかもな」


ほぼ100%で。


ケイがらみということを差し置いても、隼人の素質の中でも抜群の勘のよさに、この状態でも口角が上がる。


いずれは・・・・・だな。


「明日には、buioに着きますし、この絶対的なタイミングの良さはそそられますねぇ」


櫻井さんの横に立つ真さんが、柔らかく言葉を繋ぐけれど、目が全く笑ってなくて、纏うオーラの冷たさが半端ない。


いつもと違う真さん、怖い・・。


「とりあえず、隼人とケイはここにいた方がいい」

という櫻井さん。


「でも、迷惑なのでは?」

隼人は別として、いつものことで私は居ても、何の役にもたたないから、部屋で待とうと思っていた。


「迷惑だなんて、全く思わない」

一瞬、フワッと身体が温かいものと鼻を擽る薫りで包まれる。


気がついたら、櫻井さんが、私をぎゅっと抱き締めていた。


「俺は、ケイの姿が見えない所にいると心配でしょうがない」


「傍で守るほうがいい」


腕の中で見上げると、櫻井さんの真剣な眼差しとぶつかる。


「着く前からこうだからな・・。相手からの宣戦布告みたいなもんだ」

苦笑いすると、抱きしめる力を解き私の頬を撫でる。


「鍵を狙ってくるのは、どこで聞き付けたか、どうやらtenerezzaだけじゃないみたいだからな」


「え?そうなんですか?」

まだ新しい敵が出てくると思うとウンザリする・・・。


「って言うことは?」

私の隣で、不機嫌オーラ満載で立つ隼人。


「buioも、やっぱり安全ではないってことだ」


櫻井さんは、ポンッと隼人の肩を叩いて、デスクの方に歩いていった。



不機嫌な隼人も、私を引き寄せ腕の中に抱くと落ち着いたようで、



「今回の事件との関連性が何かわかるんですか?」

一緒にデスクの方へついていく。


タバコを取りだし火をつけ、煙を吐き出す櫻井さん。


「speranzaと休戦協定をしている星の連中が、何やら裏で動き始めてるという情報が入って来てるんだ」


「休戦協定?ですか」

隼人の表情が厳しくなる・・。


「今のsperanzaの状態に落ち着くまで、他の星からの攻撃が多々あってな」


「speranzaを手にいれようと、紛争が絶えなかったんだ」

そう言うと、一瞬櫻井さんの瞳が揺らいだ・・。


「それで・・・。その戦いの前線で、櫻井さんはずっと戦ってきたんですね」

隼人は納得したように答える。


「ああ、そうだ」


「あいつらと休戦協定をひいて、数年たつが」


「どうやら、動き出したらしい・・・」


相手が見えない状況が、更に濃くなっている。

私の中では、もうすでに判断はできない。

隣にいる隼人は、何やら考え込んでいる様子だったが、不意に顔を上げると、


「櫻井さん、俺に出来ることあったら言って下さい」


「隼人・・」


びっくりした表情をした櫻井さんが、隼人のいう意味がわかったんだろう、フッと笑みを浮かべ、


「わかった。真と話をしてすすめよう」


「真、構わないか?」

櫻井さんが、真さんに声をかけると、


真さんもわかったようで、


「ご主人様の指示のままに」

と、笑顔で答える。


「早速作戦会議だな」


話の流れに、唖然としている私に、櫻井さんは

「ケイも一緒に聞くといい。これからの動きがわかった方が知らない所で動かれるよりいいだろう?」


櫻井さんも解っていたんだ・・。

今までも、話の中に入れない不甲斐なさを感じていた私の気持ちを・・。


櫻井さんへ、笑顔で頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ