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星の降る街に  作者: 霧島
第7章
67/92

67 buio/永住?

buio(ブイオ)ってどんな星なんでしょう?」


これから行く星のことが気になる。


speranzaからは近いだろうから、情報はありそうなんだけど。


食事をしながら、櫻井さんに訊ねてみる。


「そうだな、何故か「暗闇」という名がついているが、暗いイメージはないな」


「あとは」


「周辺では、speranzaの次に大きいな。speranzaは、大きさは地球より少し小さいぐらいで、環境は地球と似てるが、buioは少し異なる」



「そういえば、前に櫻井さん言ってましたね、speranzaは地球に住むより、安全で快適に住めるって」


「ああ、まだあのときは、旅に出るかどうか決める前の話だったな。」



「今思うと、あの日を境に、運命が変わった気がします」


旅に出ようと決意した日・・。


そして、隼人と結ばれた日・・。



「buioは、今まで寄ってきた星の中では、一番大きいですね」


真さんも答えてくれる。


「色んな星から人々が集まってくる移民の星なんです」


「buioは豊富な資源があるからな。みんな出稼ぎにくる」


「資源・・・ですか?」


隼人も興味があるのか、話に参加する。


「そうだ、自然の資源が大きいな。」


「主は鉱山発掘関係だが。」


「人が集まれば、コミュニティができるからな。街も活気づく」


「なるほど。」

隼人は、なにか考えつつも、頷いている。


「きっとbuioは、開発される前は何もなくて、真っ暗だったんじゃないですか?だから暗い星のイメージで名前が付いたんじゃ」


太陽のような存在があれば別だけど・・。


「今は全く雰囲気も違うのかしら」


行ったことがない星をイメージしてみる。


「ケイの言う通りだな」

そう言う櫻井さんと視線が合うと、柔らかく微笑む。


「開発される前は、ひっそりと、他を寄せ付けない星だったが、ここ数年で変わった」


「列車も停まるようになったし、街は賑やかだな」


「buioでも、街に出れるといいんだけどね」

櫻井さんは、私の気持ちを考えてくれてるのね・・。


「期待したいです」

櫻井さんに、微笑みかえす・・・と、先程から口数を減らし、考え込んでいた隼人が私の手を握りつつ、話始める。


「櫻井さん、この星の開発責任はどこかご存知ですか?」。


穏やかに話ていた櫻井さんの表情が変わる。


「隼人、何か引っ掛かるのか?」


「ええ、ちょっと・・・・・」


「????」

私は急に変わった二人の会話の意味が解らない。



「親父さん、か?」

櫻井さんの言葉に、隼人の雰囲気がかわる。


「・・・・多分、直接ではないと思いましたが。俺もちゃんと聞いた訳じゃないから何とも言えないですが」


「そうか、初めて知ったな」

腕を組み、今度は櫻井さんが黙ってしまった。


私の知らない所で話が進んでる。


隣に座る隼人を見ると、私の視線に気がついて、自分の方に私を引き寄せる。


「隼人、また狙われるの?」


まだ襲われた新しい記憶が甦り、不安になる・・・。


「俺は大丈夫だ」

そう言う隼人に抱き締められ、額に体温を感じる。


「それより今は・・・ケイのほうが心配だ」


「無駄に相手がでかいからな・・・。」


「まぁ、油断はできないが、今の所は隼人は心配ないだろう」


「真」


「はい。」


「buioのデーターを」


「こちらに」


真さんから何か預かると、真剣に見始める。


「ふむ・・・・」

暫く画面を見ながら考えていた櫻井さんが、顔を上げ、今まで見ていた画面を、隼人の方に向ける。


「これ、見てみろ」

何やら、凄い情報量らしく画面一杯に文字が羅列されている。


「いいんですか?」

と、隼人が櫻井さんに尋ねると、言葉なく頷く。


画面に視線を戻すと、隼人は食い入るように読み始める。私も一応覗いたが、早々にギブアップ、隼人に託すことにした。



暫く画面を見ていた隼人が、顔を上げると、眉間にシワを寄せ難しい顔をしている。


「隼人?」

厳しい状態なんだろうか・・・気になる。


「櫻井さん」

隼人が声をかけ、櫻井さんと視線を合わせると、


「知らない所じゃ無かっただろ?」

隼人は言葉なく頷く。


「ここまで手がのびてたのは意外でしたが、注意は必要ですね・・・」

とため息をつく。


「前回は、親父さんが対処できたが、もしbuioで騒動があると厄介だな」

櫻井さんも、なんとも言えない困り顔で呟く。


話の行き先は心配だけど、二人の話に口出しするつもりはなく、それでも無意識にため息をついていたらしい。


「ケイ?」

声のする方へ、視線を戻すとこちらを見る隼人の視線とぶつかる。


「ん?」

首を傾げると、


「心配か?」

隼人が私の身体を包むように抱きしめる。


「心配じゃないっていったら嘘になるわね」


「buioの開発関係者の中に、この間の実行者の親類が入ってるんだ」


「え,そうなの?」


「俺も何回かあったことがある」


「そいつも、親父と反対側の組織のやつだから、ちょっと気になってな」


「じゃぁ・・」


「ここまで来たら開きなおるしかないな」

という隼人は、苦笑い。


「櫻井さん、もしかしたらまたご迷惑かけてしまうかもしれませんが」


「それは構わないが隼人も大変だな・・」

櫻井さんに、本気で同情される隼人。


「親父があの仕事辞めない限りは追われるでしょうね」


「まぁ地球で住みにくいなら、speranzaに着いたらそのまま永住すればいい」

当たり前のように言う櫻井さん。


櫻井さんの言葉にびっくりしていると、


「そうですね。それも実は考えています」

・・と隼人。


「この状態で、地球に帰っても俺だけ狙われるのなら、それなりに対処しますが」


「ケイだって間違いなく標的になるのがわかってるから・・」


「隼人」


「あの騒動の中には入れたくない」

腕の中にいる私をぎゅっと抱きしめる。


「そうだな、今の状態じゃ100%ケイも標的になるな」


「前例もすでにあるし・・」


櫻井さんの言葉で、事件を思い出し、震えがくる。


「speranzaなら、俺たちもいるから間違いなく安全だな。手出しはできないだろうし」

近付いてきた櫻井さんの指が、私の頬を撫でる。


「できたらたいした者です」

とあっさり真さん。


「まぁ、今度襲われるなんてことがあったら、現場で容赦しないけどな」

隣で隼人も頷く。


「とりあえず、speranzaに着いてから考えます」


物騒な話をしたあとは、穏やかに食事をし、その後隼人と自分達のコンパートメントに帰ってきた。



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