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星の降る街に  作者: 霧島
第7章
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66 隼人の真実

地球を出てきたのは、そういう理由があったからなんですね」

自分は今、動けないからケイと隼人に鍵を託したはず。



「多分、親父も難しい位置に居るんだろうと思います」


大きな事業を抱えているのは知っている。

でも櫻井さんには言わない。

親父が抱えてるのも地球を背負う、国家機密だから・・・。


「親父の敵対視してるやつらが、前からも、いましたし」

そういうと、深い溜め息をつく。


「櫻井さんが、さっきおっしゃった通り、周りがほっとくことなく、俺にも矛先がむきましたからね」


「隼人も大変だよな」


「じゃなきゃ、親父さん隼人にあれだけの護身術、身に付けさせなかっただろうに」


櫻井さんと視線を合わせる・・・と、


「親父さん自身も、日々危険な中で仕事をしてるからこそ、隼人も自分が手の届かない所で、狙われるのがわかるからな」


「受けたのは、特殊部隊並みの訓練だったろ?隼人」


「はい」


「・・・だろうな。隼人の動きを見てると良くわかる」


「そうですか?」


「一般の護身術あたりじゃ、あれだけ動けない。戦場あがりぐらいのレベルだぞ?」



「でも・・大事な時に、大切な彼女(ヒト)を守れないようじゃ、大したことないですよ」

ケイを守りきれていない自分に、不甲斐なさがつのって、溜め息がでる。。



「隼人が親父さんのこと、どう思っているかはだいたい見当はつくが、親父さんの隼人への想いは熱いものだ」


「櫻井さん・・・」


「ケイがテロで襲われて、俺たちが実行犯含めて片付けに動いただろ?」


「はい」


「俺も怒りで容赦なく、実行犯や組織もすべて潰したが」


「隼人の親父さんも容赦なかったぞ」

ふっと片方の口角をあげ、笑う。


「えっ?」


「地球側の、裏で指示を出した実行犯は全て片付け・・意味がわかるよな」


「はい」

既に命はたたれてるはず。


「事件の関係者すべて、二度と仕事をできないように手を回して、地球から追放した」


「え?そうなんですか?」

初めて聞いた事実に驚いた。


「親父さん言ってただろ?息子に手を出したら考えがある・・って」


「確かに言ってましたね」


「処分の仕方は親としての、怒り・・だな」


「親父・・」


「事件が片付いてから、親父さんからは伝言があったんだが」


「伝言?」


「ああ、隼人とケイが無事で良かったと言っていた。自分は今回のようなことがあっても助けにいけないから、心配だ・・とな。」


「親父、櫻井さんのこと・・・」


「speranzaと繋がってることは、薄々気がついていたみたいで」


「事件が片付いた頃には、俺のこと知ってたよ」


「だが、他言はしないと、約束した。親父さんを俺は信用してる」


「まぁ、知られたとしても、列車も関与してるし、少なからず地球とは付き合いもあるし、お互いさまなんだけどな」


「開発のトップと繋がったのも隼人とケイとの出逢いからだし」


「縁があったんだな、きっと」


そう言いながら、新しいタバコに火をつけると、



「親父さんも、あれだけの立場になると、普段家族は二の次だっただろ?」


櫻井さんが、柔らかい表情で聞いてくる。


「・・そうですね。」


「親父は、うちには帰らない仕事人間でした。お袋も、言葉にはださないが、すごく苦労していたのをみて、絶対親父とは違う仕事につくんだ!!と、幼いときから思ってました」


「家にはもどらない、挙げ句のはてに、親父の仕事のせいで日常茶飯事で狙われるようになるし・・・」


「俺は・・・許せなかった」


「親父とは違う仕事をするようになって、周りも落ち着いてきてたんですけどね」


自分自身で、対処ができるようになったこともあるが・・。


「巻き込まれたくなかったから、普段も必要最低限で、親父には近づくの止めてたんです」


「そうだったのか」



「・・あと、狙われるのも可能性はゼロではなかったから、入社時からケイのことも、同期で気になってたけど、ずっと手が出せなかったんですよね」

同期で、という以外の本当の訳がここにあった。


「自分に関わると、相手が標的がかわってケイを狙いかねないし」


「確かにありえるよな」



「でも、今回の旅がきっかけで、ケイとは付き合うようになったんです」


「旅の話を櫻井さんの所に聞きに行ったときは、まだ付き合ってなかったし、自分の気持ちをケイには伝えてなかったんです。」


「あの後ですから、告白したのは・・」


「もう、いろんな思いはあるけれど、ケイを手放したくなくて」


「一緒に来て良かったと思いました。これだけの騒動の中では、彼女だけで送り出したら、二度と逢えなかった・・・」


櫻井さんと視線を合わせると・・・、一瞬困ったような表情を見せたが、


「そうだな・・。俺も同じ思いで地球を出てきたからわかる」


「え?」

櫻井さんの言葉に、呆気にとられると、


「地球でケイたちの状況を聞いたら、ここで行かないと二度とケイに逢えなくなる・・と思ったら、いてもたってもいられなくて出てきたんだよ」


「回りには無理言ってきたけどな、真」



「そうですね。本当は動ける状態ではなかったです、ご主人様」


「・・・はっきり言うなぁ・・」


「動き出したら、ご主人様を止められる人はないですから。私も命は惜しいですし」



「大げさな・・」


「まぁ、それくらい強引に地球を出てきたわけです。そんな風に感情的に動くのは、ご主人様は初めてですからね」


「まぁな・・最初で最後だろうが・・」



二人の意味深な会話も気になる・・が、


「その後は大丈夫なんですか?仕事も」


強引に出てきたと言われると、心配になる。


「優秀な部下を置いてきたから、何とかやれてるよ」


真さんに散々な言われっぷりに、諦めた櫻井さん。


「そこら辺は抜かりはないです。ご主人様が動かしているのですから、間違いないです。」


「今は、車内が司令塔なってますし」

にっこり言い切る真さん。


「組織は、指導者できまります。ご主人様は全くぶれない方ですから、何処にいたとしても組織は強固ですよ」


「真さんが言ってることは、納得ですね」


「いくら部下が優秀でも、上に立つ者がいい加減なら組織が死んでしまうし」

自分の経験からも、良くわかる。



3人で話をしていると、扉を叩く音がする。


「はい、どちら様ですか?」

真さんが扉の前に立つ。


「あの・・・ケイですけど」


すぐ扉が開かれる。


「起きたのか?」


姿を見せたケイを抱きしめ、頬にキスをする。


「うん、目が覚めたら隼人がいなくてビックリして、扉の前にいるSPさんに聞いたらこっちに居るって」


「寝るにも早かったからな。これからのことも、櫻井さんと打ち合わせした方がいいと思って、話してたんだ」


「そうだったのね」


「寝て少しは落ち着いたかい?ケイ」


櫻井さんも近くにきて、私の頬を撫でる。


「はい。すいません・・。何だかびっくりしてしまって」


「ケイが元気になればいい。何も心配する事ないから」


穏やかに話をしてると、真さんが声をかけくれる。


「立ち話もなんですから、こちらで食事しながらでどうですか?この先どうなるかわかりませんからね」


冗談にも聞こえない真さんの提案にのることにした。



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