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星の降る街に  作者: 霧島
第7章
65/92

65 櫻井の正体

何でケイがここまで苦しまなきゃいけないんだ。


奴のために、涙なんて流すなよ。


櫻井さんとケイの会話を聞いていて、腹がたってきた。


「お前がそんなに悩む必要はないんだよ」

たまらなくなってケイを抱き締めた。


声をあげず、俺の胸の中で泣き出したのをみて、


「櫻井さん、早く俺たちを解放してもらえないでしょうか。わけもわからない国同士の争いに巻き込まれ続ければ、ケイが・・潰れてしまう・・・」


本気で訴えたが、返事はなかった。


「部屋に戻ろう」

ケイを抱き上げ、櫻井さんのコンパートメントを後にした。


部屋に戻り、抱きかかえたままソファーに座った。


「ケイ」

名前を呼ぶと、真っ赤に腫れた眼差しで俺を捉える。


両手でケイの頬を包み込み、そのままどちらからともなく、唇を重ねた。



言葉はなく、落ち着くまでケイの背中をさすっていると、


「隼人、ごめんね、ありがと・・・」

そういいながら、腕を伸ばし俺に抱きついてきた。


「ん?落ち着いたか?」

包み込むように、強く抱き締める。



「・・うん」


「知りたかったことの答えが、あまりにも衝撃的で」


「どうしたらいいのかわかんなくなって泣けてきたの。」


「でも、泣いたら落ち着いたわ。」


「ありがとう、隼人」

顔を上げ、微笑む。


ケイの顎に指を這わせ、唇を寄せる・・。


「俺はお前の傍にいる。泣きたい時は我慢しなくてもいいんだ」



「でもな、今回の涙は俺は納得できない」


「ケイは悪くない」


「むしろ、こっちは被害を受けてるほうだしな」



さっき櫻井さんにケイを解放してくれって言ったけど・・・。


今ここで引き返したとしても、危険なことには間違いない。


tenerezzaでも、味方が捕まったことがわかったとしても、引き下がることはないだろう・・。


国がらみなら、そんな事実を揉み消すぐらいわけないからな。



さて、どうでるか・・・。



考えているうちに、ふと抱き締めている腕が重くなったのに気がついた。


ケイをみると、泣きつかれたのか眠ってしまったようだ・・。


髪を指でとき、頬にキスをする。


そのまま抱き上げ、ベットへ静かに寝かせた。


「とりあえず、櫻井さんと話をした方が良さそうだな」



ケイをこのまま一人にするのは心配。

SPに部屋の入り口にいてもらうようにお願いして、

再度櫻井さんのコンパートメントに向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(コンコン)


「はい」


部屋の中から声が聞こえた。


「隼人です」


足音が聞こえ、真さんが扉を開けてくれた。


「お忙しい所申し訳ありません。櫻井さん、今お話できますか?立て込んでいるのなら後程で直してきますが」


「いや、隼人大丈夫だよ」

真さんの後ろから、櫻井さんの声が聞こえた。


「では失礼します」


真さんに案内され、櫻井さんの正面のソファーに座る。


「ケイは寝たのか?」


櫻井さんが タバコに火をつけながら尋ねた。


「はい。落ち着きましたが、今は泣き疲れて寝てます。心配なので、部屋の入り口にSPさんにお願いして見て貰ってますが。」


「・・・そうか」


フーッっと深い溜め息をつく。


「ケイが寝てるうちに、話をした方がいいと思ってお邪魔しました。」


「先程、解放してくれって言いましたが、次の駅で俺たちが引き返すようになっても、危険はかわらない、というより望まなくてもtenerezzaのやつらに捕まるのも時間の問題になる」


「先日捕まえた二人は、どうせ国同士の交渉の揺さぶりにもならないでしょう?櫻井さん」


「流石だな・・隼人。あれぐらいじゃもみ消されて終わりだ」


「でしょうね・・」



「櫻井さん、単刀直入に伺います」


すぅっと、一呼吸する。


「櫻井さんは、speranzaの国政を動かせる役職にいる方じゃないですか?」


「そうじゃなきゃ、先程の真さんとの会話はなりたたない、と俺は感じたんですけどね」


そう、命は保障すると櫻井さんは言った。

立場がないといえない台詞だったから。


吸っていたタバコを消し、櫻井さんが、真っ正面で隼人の視線を捉える。


「隼人には隠せないな。国に帰ればわかることだが。」


「ただこれから言うことは、TopSecret、国の最重要秘密だ。」


「隼人の親父さんの仕事レベルより上だからな」


口角を上げ笑う櫻井さんを纏うオーラが一瞬で変わったのがわかる・・・。


すぅーっと、櫻井さんの後ろに真さんが立つ。


「隼人の言う通り、俺はsperanzaの関係者だか」


やっぱり・・と思う。


「今までは、国の情報機関や軍の指揮官でもあった」


「身分は、speranza内では、皇位継承権の2番目にいるが」



「えっ、皇位継承権・・・・・・2番目??って」



ツゥーっと、背中に冷たいものが流れる。



「現在の王は、実の兄になる」



「!!!!」


視線を外すことはできないけど、あまりの驚きに言葉にならない。



櫻井さんは、関係者・・ではなく、正真正銘の、speranzaの王族だ。



今の王が、万が一のことがあれば、speranzaの・・。



聞いていて、身体が震えてくる。



「そんなに固く考えなくてもいい」


あっさり櫻井さんは口にする。


「身分なんて、あってないようなものだ」


「時には邪魔になる」


そう言った櫻井さんの瞳が一瞬揺らぐ。


「自分が関係なくても、周りがほっとかないからな、昔からよく狙われてたよ」


「隼人も違うか?」


だから・・俺の気持ちがわかるのか・・前にいってた櫻井さんの言葉の意味がわかる。


「真は、俺のボディーガードみたいなもので。いつも近くにいてくれて心強い。付き合いが長いから、身内みたいなものだよな」


後ろに立つ真さんを見上げる。


「ボディーガードなんて、おこがましいです。私以上に旦那様は強いので、その他をサポートさせて頂いてます」


にっこりと、櫻井さんの後ろで微笑む真さん。


「こいつの拷問で、口を割らない奴はいないぞ」


ボソッと櫻井さん。


「俺のやり方なんて、可愛いものですよ、ご主人様」


「あれでか・・」


穏やかに、恐ろしい内容の会話をしている二人。



「櫻井さんや真さんの強さは、tenerezza城の戦いぶりをみて、俺もわかってます」


あのときの戦いは、凄かった・・。



「俺は、戦場生活が長かったからな・・・」

足を組み、新しいタバコに火をつける。



「王族なのにですか?」


疑問を投げ掛ける。



「事情があるんだが、俺は、建物の中で過ごすのが嫌いなんだよ」


露骨に嫌がる櫻井さんの後ろで、クスクス笑う真さん。



「容姿も良いので、ご主人様は多くの女性に囲まれることも多かったですし」


「俺が持ってる位置が欲しいだけで、うわべだけの女性なんて魅力はない。」



「そういう付き合いのことは、兄に任せて、外は俺が動かしてきたんだよ」



「実際、ここまで国が安定するのには、大変だったからな」



「外からの攻撃も多いし、列車も終着駅にしたのも一悶着あったな」


二人の話しを聞いていて、ふと、隼人は思う。


「うちの親父も接点あったんですか?」


宇宙開発事業団も色々な星に関与してるはず・・・。


「直接はあったことないけどな、関連性はある」


「それで、俺と親父と繋がったんですね」


やっと納得した。なぜ、櫻井さんが、俺のバックを調べたか。


「そうだ。隼人の周りを調べたら、親父さんの仕事が繋がった。解った時は、もう二人は、地球を出たところだったからな」


「後悔したよ・・・」


「櫻井さん」


「隼人は、普段からも狙われてるのに、宇宙にでてしまえば、リスクが高くなる、同時にケイも巻き込まれる可能性がでてくると」


「tenerezzaのことを知ったのは、少ししてからだったが、大事になる前にと思って地球をはなれたが、結果的には巻き込んでしまって、ケイにも辛い思いをさせてしまった・・・・・・」


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