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星の降る街に  作者: 霧島
第6章
62/92

62 買い物

「櫻井達からその後、連絡があったか?」

目を通していた書類を、机の上に置き、立ち上がる。


「tenerezzaの城からケイさんを助けだしたと、木理谷から報告があってからは特に。」


「まぁ、あいつらなら心配はないがな。」


「そうですね。」


「でも珍しく違った意味で櫻井も苦戦してますね。今まで女性には、苦労してなかったのに。」


「そうだな。」

今までは、櫻井の容姿からして、黙っていても女性が集まってきていたが、確か深い付き合いはなかったはず。

今回は、鍵を預けた責任だけでなく、本気で深みにはまり始めてるの・・か?


「しかしケイさんも、次から次と事情がわからないので大変でしょうね。」

溜め息をついたあと、挨拶をし部屋を出ていった。


一人、窓の外を眺めながら何か考え込むように瞳を閉じた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


lagoを発つ、列車に乗るまでには少しの時間。


今、街で私は、買い物を楽しんでいる。


もちろん一人ではなく、私の両サイドには隼人と櫻井さんが、皆の注目を浴びながら私の買い物に付き合ってくれている。


二人とも笑顔で答えてくれているけれど、目が笑っていない。

周辺にピリピリと、気が張っているのがわかる。

それだけ、油断は出来ない状況なのに、櫻井さんがOKしてくれたのは嬉しい。


でもなぜ、この状況になったのか・・。

事の発端は、私の呟きからだった。



「ねえ、隼人。」


「ん、どうした~?」

ベットに横になり、タバコをすっている彼に、少し前から思っていたことを話してみることにした。


「ここまできて、いろんな騒動に巻き込まれて、滞在した星のこと楽しむ余裕がなかったよね。」


「そうだなぁ。緊張感いっぱいだものな。」

タバコを消し、私を自分の所へ引き寄せる。


「あと数駅で、speranzaに着くって櫻井さんが言ってたでしょ。」


「命を狙われてる危険な時っていうのはわかるけど、少しの時間だけでもいいから、買い物とか出来ないかなと思って。」

最後は、もう呟くような声で。


「うーん、そうだな。とりあえず櫻井さんに聞いてみるか。」

隼人が携帯を持ち、かけ始める。


ほんと即実行だものなぁ、と思いながら、目の前で話をしている隼人を見つめる。


しばらくすると、電話が終わった。

「危険性はあるけど、俺や櫻井さんが近くにいれば、列車に乗る前の少しの時間ならいいって。」


「ほんとっ。ありがとう。」

隼人に抱きつく。


「久しぶりに嬉しそうなケイを見たなぁ。」


「うふふ、すっごく嬉しい。」


「でかけるまで、時間がまだあるな。」

時計を見ながら、確認する。


「そうね。今からゆっくり準備すれば間に合うわね。」

隼人にそう言うと、私を見つめる視線がかわる。


「隼人?」


直後、そのまま食べられるように、唇を奪われる。

口の中を犯されるような隼人の熱い口づけ・・。


「ん・・っ、はやとぉ。」

息も絶えだえで、重ねた唇から声が漏れる。


これだけで、私の身体は疼いてくるというのに。


「もうっ、話が違う。」

腰に腕を回してくる隼人に、精一杯の反抗をした。

このまま引き込まれたら、身体が持たない・・。


「もう、今日はしないって言ったじゃない。」


「ん?事情が変わったの。」

さらっと言いながら、私の首筋に頭を埋め、数回チクッと痛みが走る。


「俺の・・ていう証拠残した。」

見えるところにキスマークをつけたらしい。


「そのぐらいしておかないと持っていかれるから。」

と訳のわからないことを言い出す。


このキスマークの影響はすぐに・・。


そのあとも、責め続けられ、準備ができたのは、出かける時間ギリギリだった。



昨夜も、tenerezzaの城から戻り、部屋に入ったとたんベットに連れていかれた。


そのまま押し倒され、

「俺がどれだけケイのこと愛してるのか、身体に刻みこんでやる。」

という隼人に、妖艷なオーラ駄々漏れの熱い瞳で見つめられる。


「今日は、嫉妬心Maxで優しく出来ないから。」


そして、クスッと笑うと、

「ケイ…。」

と呼ぶ艶のある、隼人の声にドキドキする私。


唇、頬、瞼、額と隼人の熱が降りてくるたびに声が上がる。


「まだまだこれから・・。」


時間をかけて上も下も焦らされ、何度もいかされて、


「もう限界・・。」

と、涙目で訴えると、にっこり余裕の隼人。


「そうだな、俺もそろそろだな。」

髪をかきあげるしぐさが、色っぽい。


そう言う隼人と重なると、今度は、私の良いところをわかり尽くしていて、ピンポイントで責めてくるからたまらず声が出る。


「あぁ……ん。」


「ケイ、俺だけをみてろ。」

私を見つめる視線が強くなる。


「ずっと離さな・・いで。」


「もちろん、手放すつもりもない。」


何度も抱かれたあと、眠るように、意識を飛ばした・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


緊張感いっぱいの買い物を終え、隼人と櫻井さんの両サイドで手は恋人繋ぎで、歩いて駅に向かっている。


流石に、列車に乗る前にまた狙われるのは、勘弁して欲しいと、自然と周りをキョロキョロ見回す。


「ケイ?」

声の方に顔をむけると、柔らかな笑顔で私を見下ろす櫻井さん。


「大丈夫。誰一人ケイには指一本触れさせない。」

と櫻井さんが言ったと同時に、額にキスされた・・。


!!

一瞬のことだったので、呆気にとられてる私を気にすることなく歩き出す櫻井さん。        


反対側の繋いでいる手に、力が入る。


言葉にしなくても、わかってる・・。


不安げな瞳の隼人を見つめ微笑み、優しく握り返した。


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