60 再会
GPSを頼りに、車を走らせる。
「今のところ、大きな動きはなさそうだが、どんな状態なのか・・。」
「ケイに何かあったら、あいつら、生かしておかない。」
隣で珍しくイライラしている櫻井さんがいる。
ケイが絡んでるからか・・。
「場所は、遠い所なんですか?」
運転する真さんに、声をかける。
「真、あとどのくらいだ?」
櫻井さんも聞く。
「そうですね、あと5分ほどで着くかと。」
「着いたら、打ち合わせ通りに。」
「承知しました。」
「隼人は、ケイのところへ、直接いってくれ。場所は、先程確認した所だ。」
「了解です。」
「奴らが追って来る前に、短時間で片付けるからな。」
櫻井さんの、今までない殺気を感じる。
これが戦場の負けなしという彼の本当の姿か。
敵に回したくないなと、改めて思う。
tenerezzaの国が所有するという、高台にある建物が見えてきた。
小さな城だが、正面から中の様子はまったく見えない。
いつの間にか、国同士の関わりに、ケイが巻き込まれていて、この先どうなっていくのか。
とりあえず、今は無事を信じて向かうしかない。
ケイ待ってろよ、助けにいくからな。
車が、門の前に着き、前を走っていた車の扉が開いたとたん、門の前にいた数人の男たちが
倒れた。
「催眠彈です。」
顔色一つ変えず、答える真さんに、
「即効性はあるが、効き目は30分だ。いくぞ。」
一瞬の出来事に呆然としたが、櫻井さんの声に意識が動く。
中を進んでいくと、あらゆる所から攻撃してくる。
SPもあっという間に相手を倒していくが、櫻井さんと真さんには敵わない。
数人いっぺんにかかってきても、ものともしないで倒していく。
あの強さは何なんだ、凄すぎる・・・。
俺は、戦いの中くぐり抜け、最上階の部屋の入り口にたどり着く。
入り口には、二人の腕のたちそうな男がいるが、こっちも時間がないので、本気モードで向かうことにする。
「俺のケイを返して貰おうか。お前さんたちと遊んでる場合じゃないんでね。」
男たちの真っ正面に立つ。
「・・何を!!」
一瞬のうちに、二人とも地面に叩きつける。
「だから、遊んでる場合じゃないっていったでしょ。急所ははずしてあげたけど、当分動けんねぇ、これじゃ。」
急所をはずすのは、軍隊上がりの先生のもと、訓練で習った。
泡を吹いてる二人を横目に、部屋の扉を蹴り開ける。
目に入ってきたのは、ベットにいるケイと、近くにホテルで見かけたケイの元カレ。
身体が無意識に動き、気がついたら元カレをねじ伏せていた。
「隼人さん。代わります。」
後できた真さんが、元カレを連れていった。
ベットサイドに座っている、ケイの姿に、無性に腹がたったので 問い詰めてしまったけれど、
胸の中におさめたら、安心した。
またしても、薬を使って眠らされたケイ。
「歩ける」という彼女の言い分は却下し、そのまま抱き上げ連れていくことにした。
ホテルに戻ったら、ただじゃおかないからな・・・。
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「これはどういうことだ」
櫻井達が撤収して数分後、tenerezzaの王一行が、到着した。
争いの後があり、皆気を失い倒れていた。
足早に、奥に向かう。
「ケイ。」
一番奥の部屋の前に立つと扉が壊れている。
部屋に入ると、争ったあとがあるが、誰一人いない。
「失礼します。今確認取ったところ、彼女の同行してるものたちがここに来て、連れて行ったそうです。」
「あいつら・・またしても邪魔しおって。戻る。」
怒りを胸に、建物をあとにした。
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「今頃悔しがってるだろうに。」
言われている相手は、もちろんtenerezzaの王たち一行のこと。
車内にて、私の隣に座る櫻井さん、煙草を片手に、クスクス笑っている。
普段はあまり、感情をださない彼が 、これだけストレートに、笑うのを見るのは初めて。
「無事で良かったな。」
柔らかな笑顔の櫻井さんと目が合う。
「ご心配かけてすいませんでした。」
深々と頭を下げ、お詫びする。
「気にするな。あいつらが悪いんだから。」
と、言いながら私の頭を優しく撫でる。
「ケイの元カレと、ぶつかった男も確保してるからな、王の企みがわかってくるだろう。」
「そうなんですか。」
飛鳥、どうして・・。
「彼のこと、気になるか?」
真顔で尋ねてくる櫻井さん。
「なぜtenerezzaの彼らと繋がってるかと思って。既に彼には、私は恋愛感情はないですけど。」
「どこかで、縁があったんだね。」
「その縁が、今回のことに繋がってるかもしれないけどな。」
ずっと黙っていた隼人が口を開く。
「たぶんな。」
櫻井さんも同意する。
「そんな・・。」
涙が溢れそうになる。
「追われるのは、ケイのせいじゃない。」
隼人が抱きしめてくれる。
この先どうなるんだろうか。
考えるだけで泣きたくなる。。




