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星の降る街に  作者: 霧島
第6章
57/92

57 lago/彼との事実

話しをしていると、部屋の電話が鳴った。


隼人は一瞬厳しい顔をするが、コールに出る。


「はい。」


「それは出来ません。失礼します。」


あら、冷ややかだわね…。


仕事中の隼人では、絶対ありえない電話の対応だけど。


誰だったのかしら?


不機嫌な表情で、私の隣に戻ってきた。


「誰からだったの?」


「ん?フロントから。」そう言ってから、私に抱き着いてきた隼人。


フロントからで、その態度…。


まさか?!


恐る恐る聞く。


「もしかして電話の相手って、飛鳥?」


「そう。」


やっぱり…。


言葉数が少なくても、何となく隼人の心中が読み取れる。


「飛鳥、何言ってきたの?」


「ケイに逢わせてくれって言ったから、断っただけだ。」


なるほどね。


「今の、何があるかわからない緊迫した状態で、ケイに逢わせられるわけがないだろ。」


「それに…。」


隼人と目が合う。


「どんな状況にしろ、俺は奴に、ケイを逢わせる気は全くない。」


「隼人…。」


そう、今は余分な接触は避けた方がいい。


何がきっかけで騒動になるかわからないから。


これ以上、大きな騒動は勘弁してほしい。


何もなく、speranzaにたどり着きたい。


でも、その願いは、まだこの先、ことごとく潰されることになるんだろうなぁ。。


外を眺めながら、そんな風に考えていたら、ふと、頭に体温を感じる。


振り返ると、隼人が私を見つめ、頭を優しく撫でていた。


「ケイとの新婚旅行には、俺以外、他の男はいらないと思ってる。」


そう言うと、撫でていた手が止まる。


「ケイは、奴のことまだ好きなのか?」


何を唐突に…。


そっか、隼人不安なのね。


飛鳥に私の気持ちが動くと思って。


なんて、可愛いひとなんだろう。


向きを変えて、隼人の頬を両手で包む。


「隼人と付き合うまではね、飛鳥のこと気になっていたわ。」


「一時期、結婚まで考えた相手だったし。」


「え…、あいつなのか?この前言ってた、結婚まで考えてた相手って。」


隼人の動きが止まる。


「そう。」


飛鳥は、私が初めて身体を重ねた男でもあり、初めて結婚を意識したひと。


「でも、前にも言った通り、彼と付き合っていても、私の心の中にはいつも隼人の存在があって、結局は、結婚には踏み込めなかった。」


隼人の頬にある両手を背中に回し、抱きしめる。


「隼人、愛してるわ。」

もう、飛鳥には未練はない。


「ケイ…。」

隼人も、私の身体を強く抱きしめる。


「俺も…愛してるよ。」



思いを再確認した今夜は、寝られそうもないわ…。


いつもより更に隼人に激しく求められる中で、思う。


………………………………………………………………………………


櫻井も、窓辺で一人思いにふける。


tenerezzaの王が、動き出している情報が入ってきている。


「多分、間違いなくここlagoに向かってきてるだろうな。」


自分が同じ立場ならそうするだろうから。


「俺の大切なケイは渡さない。」


国としても、鍵を狙われる以上、黙ってはいない。


「でも、今の俺には、鍵は二の次だな…。」


自分の心がコントロールできなくなってきている。

こんなことは初めて。

今はそれでも、心を抑えることなく、ケイに接しようと思っている。


「俺も、隼人から奪いたいと思う、speranzaの王と変わらんな…。」


一人、苦笑いしながら、これから始まる戦いのために、休息を取るため寝室に向かった。


lagoでの、一日目の夜を迎えようとしている。


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