56 罠?
「なるほどね…。」
賑わっているロビーで、何気なく先程ケイの元カレ、平田飛鳥の動きを探る…。
支配人に何気なく彼の経歴などを尋ね、全体像が見えてきた。
「それにしても、元カレって聞いた瞬間の、旦那様と隼人さんの顔、厳しかったなぁ…。」
思い出しただけで、自分の回りの空気が冷たく凍りつきそうになる。
「でも…、さすが旦那様。」
真は、感心する。
「これは、知らなかったら旦那様が言うように、面倒なことになっていたのかも。」
独り呟くとその場を離れた。
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櫻井さんとの話を終え、隼人と部屋に戻る。
ソファーに座り、電話で話をしている隼人の横に、そっと腰掛ける。
いつの間にか、私の腰には隼人の腕が回ってきていて、引き寄せられいた。
外を眺めながら、ふと飛鳥のことを思う。
飛鳥は、何故地球を離れたんだろう。
地球から遠い星の、HOTELで働く理由は…。
私と付き合っているころは、別の職種で働いていたけど、別れた後、飛鳥の周りで何があったの?
先日desertoで隼人の元彼女に逢った際、櫻井さんは知り合いを接触させる場合もある…と言っていたことを思い出した。
「まさか…ね。」
「何が、まさかなの?」
「わっ!!」
急に耳元で隼人の声がして、驚いた。
「難しい顔して。」
隼人の人差し指が、私の眉間の皺を伸ばす。
「何考えてた?」
覗き込むようにしてきた、隼人の真剣な瞳。
「飛鳥が何故今ここにいるんだろうって考えてたの。」
言った瞬間、腰にまわっている腕に力が入る。
「ただ、好き嫌いの感情は、別としてね。」
「ん?」
首を傾げる隼人と目があう。
「desertoで隼人の元彼女に逢ったでしょ?」
「うん。」
「その時に、櫻井さんが言っていた言葉を思い出したの…。」
「何を?」
「知り合いを接触させる場合もあるって。」
ここまで話して、隼人も納得した様子で、
「そういえばそんな話し、してたな…。」
そういいながら、私を更に引き寄せ抱きしめた。
「確かに有り得る話。speranzaまで、あと少しだからな。すべて疑ってかかった方がいいかもしれない。」
「今回も、タイミング良すぎるし。」
「でも…。」
隼人の指が私の顎へかかる。
「それはおいといても、俺以外の男のことはケイには考えて欲しくない。」
そう言うと同時に、隼人の熱い体温が私の唇に重なった。
隼人のヤキモチ…ね。
やっぱり私は、隼人が好きだわ…。
もっと体温を感じたい…そう思って、手を伸ばし、隼人に抱き着くと、私を抱きしめている腕も強くなる。
飛鳥にはどう言われようと、何も迷うことはない。
ただ、私が思っていることが事実なら…。
櫻井さんたちも間違いなく動くはず。
今もたぶん、同じこと思っているのかも。
私の単純な頭で気がつくんだもの櫻井さんが、気がつかないわけないわね。。




