54 lago/昔の男?
真さんが合流し、話を始める。
「あと1時間ほどで、lagoに到着します。」
「おそらく、この時間で相手が手をだしてくるとはないかと思われますが、注意は必要です。」
「そしてlagoから、予定出発時刻は、地球時間の明後日21時。」
「超短期決戦だな。勝負にでてくるつもりなのか。」
…と櫻井さん愚痴る。
「そうですね。entrataは臨時停泊でしたので、時間調整のため、短くなったか、もしくは。」
「もしくは?」
私もたまらなくなって、思わず口を挟む。
真さんが、私を優しくみつめ答えてくれる。
「短期決戦の方が奴らには都合がいいか。」
「えっ。」
驚きで、私の肩がピクッと震える。
「そう考えたほうが自然ですね。」
隼人もそう言いながら、私の震えた肩を抱き寄せる。
「列車運行も操作されてるみたいだしな。」
櫻井さんが、タバコの煙りを溜息とともに吐き出す。
私の目の前に座っている櫻井さん、話が始まったばかりなのに、何本目だろう。かなりのヘビースモーカーだ。あの抱きしめられた時に感じたのは、タバコの香りだったのかしらなんて思いながら、櫻井さんをぼんやり見つめていると、私の肩を抱く力が心なしか強くなる。
隣の隼人を見ると、眉間に皺をよせ、厳しい表情をしている。
まずい…。
「一緒に乗ってきた奴らも一応マークしていますが、まずは列車が着いて、宿泊のホテルまでの道が、第一段階です。」
「前回、駅で狙われた経緯もありますから。」
その後、私以外の3人で、細かい打ち合わせをしている中、3人の話を聞きながらも、今回lagoの街も散策できそうもないから残念だなぁ…と考えている私。
私のために、というか、鍵の為に…どれだけの人が動いているんだろう。地球を出てくる時には思いもしなかったことが、次から次へと起こる。
地球をでるという、私の決断は、間違っていたんだろうか…。
無意識に溜息をついていたみたいで、
私の頬にあたる体温で、現実に戻った。
「ケイ、どうした?」
隼人が、頬に軽くキスをしてきた。
「また、良くないこと考えてただろ?」
「そんなことないわ。」
「…顔にでてる。」
えっ、そんなに私の顔、読みやすい??
「俺が傍にいる。一人で悩むな。
と言いながら、私を抱きしめてくれる。
」
「うん。」
そう言っている間に、車掌のジョニーさんのまもなく到着、という放送が入ると一斉に、皆の顔つきが変わる。
窓の外を見ると、lagoが見えてきた。
lago(湖)という名の通り、珍しく水を蓄えた大きな湖が見える。
そして列車は、静かにホームに到着した。
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「見えてきたな。」
「あと5分程で到着いたします。」
「そうか。」
そう言いながら、宇宙船が向かう先に見える星を見つめる。
「もうすぐだな。必ず連れて帰る。」
一人呟く。
そして、
「予定通りに。頼んだぞ」
「承知いたしました。」
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ホームに立つ。
entrataも大きな駅だったけど、lagoはそれ以上だ。
気のせいか、空気がなんだか地球に近い気がする…。多分さっきみた湖のせい?
「ねぇ隼人、空気が地球っぽく感じない?」
私の右手をしっかり繋いでいる隼人に話かける。
「そうか?」
隼人は私と視線を合わせないまま答える。
多分、今周りにピリピリと気持ちが張り巡らされてるからだろう。
私は、黙って隼人と繋ぐ手を握りかえした。
右側には隼人、左側には櫻井さん、私は挟まれるようにして、駅の構内を歩く。
すれ違う女性の振り返ることの多いこと多いこと…。
(何処に行っても、二人とも目立つからなぁ。)
私は、どうも気が引けるなぁ。絶対に不釣り合いだもの…。そんな思いを引きずりながら、俯き加減で歩いていると。
「ケイ。」
左側にいる櫻井さんが私に声をかける。
「はい。」
櫻井さんがにっこり微笑んだ後、私の左手が温かくなる。
私の左手を握ってきたから。
「この先、特に気をつけなきゃいけない場所だからな。」
二人に繋がれた私に、厳しい視線がくぎづけになったのは気のせいじゃないな…。
相手が、敬遠してるのか、駅から車でホテルに着くまで何も起きなかった。
よかった何も起こらなくて…。
entrataでは銃撃戦になったから。内心ドキドキしていた。
無事車を降り、ホテルにチェックインしようとしたら、
「ケイじゃないか…。」
振り返ると、ホテルマンの格好をした男性が一人こちらを向いて、びっくりしていた。
私も、あまりの衝撃に動けなくなった。
「…飛鳥、何故貴方がここにいるの?」
「ケイ、逢いたかった。」
私は、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。




