50 出発
いつも読んでいただいてありがとうございます。2ヶ月ぶりの更新になりました。これからまた書き始めますのでよろしくお願いします。
真さんの運転する車に乗り、駅に向かう。
何故か車内で座っている私の両手には、違う温もりがある。
右手には櫻井さんの左手、左手には隼人の右手。
暗黙の了解のように握られている。
二人の顔を見ても素知らぬ顔してるし。
私はどう反応していいのかわからず、一人でドキドキしているのに…。
諦めて、両手の温もりに任せることにした。
外の景色を眺めていると、昨日の駅から病院を経由してHotelに向かう道と景色が違うことに気がついた。
「真さん、昨日と駅に向かう道、違うんですね。」
運転をする真さんに声をかける。
「ケイさん、良く気がつきましたね。」
真さんがミラー越しに話しをする。
「同じ道だとまた何があるかわからないですから。」
あ…そういうことか。少しでも危険のリスクを避けてたんだ。
さすが、真さん。
「まぁ安心はできないが。近くにいる可能性は十分あるから。」
と、櫻井さん。
確かに、あの連中が諦めるなんて思えない。
「間違いなく近くにいるね。」
隼人も外を見ながら答える。
列車が20時に出発ということで、駅に着いたのは30分前。
昨日の騒動で、気がつかなかったけど、見渡すとかなり大きな駅だわ。
ここは、飛行船や列車の乗り換え駅になっているらしいし。
地球を発って来るときの駅より、数倍広い。
「迷子になりそう。」
一人呟く。
私たちが乗る列車も出発時間が迫ってきているけれど…。
正直、車から下りるのが怖い。
どうしよう…。
「ケイ、大丈夫だ。俺がついてる。一緒に降りよう。」
繋いでいた左手から隼人の手が離れ、私の肩を引き寄せる。
「隼人…。」
「不安なんだろ?」
黙って頷く…。
「ケイの顔みればわかるさ。」
頬に隼人の唇を感じる。
「ケイ、何も心配することはない。」
櫻井さんも、私の頭を撫でる
「列車に乗るまでは俺たちもいるから大丈夫だ。」
微笑む櫻井さん。
「さぁ、行くよ。」
隼人としっかり手を繋ぎ直し、恐る恐る車を降りた。
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「もうすぐ出発だな。」
tenerezzaの王室で、苛立つ声がする。
「そうですね。もう、駅に着いてるようですが。」
「結局、何があって止まったんだ?」
「原因も、うやむやになっているようで、はっきりしません。」
「……俺も行くかな。」
「えっ」
「ここで情報を待っていても苛立つばかりだ。」
「彼女を迎えに行く。」
「迎えに行くって…。」
「lagoへ向かう。支度せよ。」
「承知しました。」
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櫻井さん、真さん、そして、隼人と、lagoに向かう列車に乗るため、駅の構内を歩いていると、
店や人で凄い賑わい…。
「いつもこんなに賑やかなんですか?」
隣にいる櫻井さんに尋ねると、
「そうだね。ここは人の行き交いが多い所だからいつも賑やかだよ。」
穏やかに話す櫻井さんだか、表情がいつもより厳しい。
ある店の前に行くと呼び止められた。
「良かったら見てきませんか?」
笑顔で、とても人懐っこい店員さんで、私の手を引く。
「ごめんなさい。列車に乗る時間があって見ていけないの。」
「それは残念だわ。」
といいながら、握る手が強くなる。
「手を離し頂いてもいいかしら?」
私も困って店員に声をかけると、
「そうはいかないの。」
私の所に抱き着く店員。
その声を聞いた途端、櫻井さんが店員から私を奪うように引きはがし、
「隼人、真、早くっ!!」
私を抱きかかえ走り出した。
数秒後、物凄い爆発音が後方できこえ、その爆風が私達を包む…。
びっくりして、思わず櫻井さんに抱きつく。
「ケイ、大丈夫だったか?」
櫻井さんが、私の震える身体を、ギュッと抱きしめてくれる。
「良かった。間に合って。」
「櫻井さん、今のは?まさか…。」
隼人も爆発した先を見つめながら尋ねる。
「その、まさかだ、」
「自爆テロみたいなもんだ。もう少し遅かったら、一緒に爆発してたぞ。」
「あいつら、最後の手段にでやがって。」
櫻井さんの抱きしめる手に力が入る。
私はもう、意識が薄れかけていた…。




