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星の降る街に  作者: 霧島
第5章
48/92

48 entrata/決断

「親父、それ本当か?!」

櫻井さんたちと話をしている最中、隼人のお父さんから連絡が入った。


「わかった。気をつけるよ。」


「親父さん、なんだって?」

浮かない顔をしている隼人に、櫻井さんが尋ねる。


「奴ら、親父の所に脅しかけてきやがった。要件のまなければ、息子の命はない…と。」


「今更という感じはするが。」


「それで?親父さん、どうするって?」


「要件はのまない…と。」


「そうだよな。それが責任を負うものとして、当たり前の判断だ。」

櫻井さんの顔つきが変わる。


『「ただ、息子の命を狙うなら、こちらも考えがある。」と、親父は返事をしたらしいです。』


「もちろん、俺も簡単に倒される気は全くないし。」



櫻井さんが、タバコをくわえ、何か考え込んでいたが…。


「よし、わかった。」


タバコをもみ消ながら、

「相手が限定されて、隼人を狙って来るってことは、

ケイも同時に危ないってことだよな。」


「そうなりますね。」


「そうしたら、こちらも遠慮なく、手加減無しでやらせてもらうよ。」


櫻井さん、完全に戦闘モードだ…。

いつもと違うオーラを感じる。


「真。」

傍らにいる真さんを呼び、何か伝えると、


「承知しました。すぐに。」

返事をして、真さんは部屋から出て行った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「だいぶ様子が変わってきたみたいだな。」


「はい。先程、櫻井についている、木理谷から報告が入りました。」


「やはりあいつらも、だったか。」


「はい。tenerezzaの王は、欲しいものを手に入れる手段は選びませんから、

今度は何をけしかけてくるのかわかりません。。」


「どうやら狙っているのは、鍵だけではないようですし、油断ができませんね。」


「今もentrataにはかなりの人数で、tenerezzaの関係者がいるようですし。」


「そうなんだよな。この間、聞いた時驚いたよ。」


「たぶん、ケイさんを王妃に迎えるつもりなんだろうがな。」


「まぁ、そうさせるつもりは全くないが。」


「でもその前に…。」


「隼人くんを追うやつらか。」


「そうですね。」


「ケイさんも襲撃されているからもちろん危ないし、櫻井も今回何か言ってきたんだろ?」


「はい。」


「隼人さんのお父様にも報告済みで、こちらも手加減無しでやらせてもらう…と。」


「そうか。久しぶりに櫻井の本領発揮だな。あいつを怒らせると大変なことになるからな。」

と言いながら、クスクス笑う。


「今回、櫻井にしては珍しく感情が入ってるし。」


「そうですね。今回に限っては、相手に同情します。。。」


「こちらは了解した。櫻井に一任するから、また報告をよこせと伝えておけ。」


「承知しました。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「今夜entrataを出発する。」


「予定通り、隼人とケイは列車に乗って行けばいい。」


櫻井さんが、私を柔らかな視線で見つめる…。


「心配しなくていい。大丈夫、俺達がついてる。」

その言葉に、頷く。


「俺は、残念ながら一緒に乗って行けないが。」

頭に櫻井さんの体温を感じる。優しくて大きな手が私の頭と頬を撫でる。


「真が一緒に乗っていくから、何かあったら言ってくれればいい。」


「隼人、たぶん今までのようにはいかないから、覚悟していけよ。」


「はい、わかってます。」


「entrataを出て、lagoに行き、そのあと泊まる星もあと数個。」


「先に進むごとに、相手の抵抗が強くなってくるはずだ。」


「隼人もケイも必ず無事でsperanzaに行けるように。」


「俺達も手を打っていくが、もし奴らに捕えられたとしても、必ず助けにいく。

何を言われたとしても、信じて待っていて欲しい。」


「特に、ケイ。」

櫻井さんに名前を言われ顔を上げると、フワッと身体が温かくなる。

気がつくと抱きしめられていた。


「speranzaの奴らもまだケイのことは諦めてはいない。

いやそれ以上に、王が思いを強くしてるはずだ。」


「えっ!?」


「たぶん、先日の話は100%間違いなく、ケイを王妃狙いで捕まえにくる。」

私が王妃なんて、冗談じゃないです…。


「そんなこと絶対させない。」


「俺達ももちろんだが、ケイも最大の注意をして行くんだよ。」


「はい。」

櫻井さんの胸の中にいて、ドキドキしっぱなしで返事をするのが精一杯。

でも、不思議とほっとするの。


「lagoで逢おう。」



出発準備をするため、部屋に戻ると、今度は隼人に抱き寄せられ、長い時間唇が重なり合う…。


「…隼人?」

何となく原因はわかる。


「ケイは俺だけのものだ…。誰にも渡さない。」

抱きしめる力が強くなる。

多くは語らなくても、隼人の思いを全身で感じる。


「大丈夫。私も、隼人だけよ。」

隼人の背中に腕を回し抱き着く。


しばらくの間、朝日が注ぎ込む窓際で、二人で抱きしめあっていた。


そして隼人は、

「このままベッドに行きたい所だけど、出かける準備しないとな。」

優しい笑顔で、軽く唇を重ね、そして、お互いこれから大変になる出発の準備を始めた。


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