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星の降る街に  作者: 霧島
第5章
47/92

47 entrata/これから

「そうだ。徹底的に調べてくれ。」

櫻井さんが、指示を出している。


昨夜は、管理がされていたためか、静かな夜だった。

その静けさも不気味だけれど。


朝、廊下のつきあたりの部屋にいくと、櫻井さんと隼人、真さんと数人の男性がいて、話をしていた。


隼人のお父さんからも連絡が昨夜入ってきていて、(おおやけ)に動き出すみたいだし。

今回の襲撃事件をきっかけに、周りが騒がしくなってきた。


「おはようございます。」


「おはよう。良く眠れたかい?」

櫻井さんが、声をかけてくれる。


「はい。おかげさまで。」


「おはよ。」

隼人が私の傍にきて抱きしめ頬にキスをする。


「いつの間にか、隣からいなくなっていたからびっくりしたわ。」

目が覚めて、隼人の姿がないので、驚いて部屋を飛び出したら、ちょうど真さんと会って。

櫻井さんと共にこの部屋にいることを聞いた。


「ごめんな。親父から連絡入ったこと先に伝えておこうと思って。起こさないように、そっと出てきたんだ。」


「今夜列車へ乗るまでに、手を打っておかないとね。tenerezzaのこともあるし。」

櫻井さんも傍らにきて、私の頭を撫でる。


まだ、櫻井さんがどんな立場にいるなんてわからないけど、大丈夫なのかな。

speranzaの関係者なのに…。


基本的には、隼人のお父さんのことだから、関わらなくてもいいはず。


でも私が一緒にいて、巻き込まれてしまったので、相手の組織を潰す勢いで今動いているし。


あと、tenerezzaの出方も気になる。きっと昨夜の騒動も確認済みだと思うし。



いろいろ思ってはみても、結局私はなんの力にもなれない。

今出来るのは、捕まらないようにすることぐらい…か。


ほんと、つくづく力不足を感じるわ。


宇宙に出てきたことは全く後悔していないけれど。


でも、この展開は…勘弁して欲しい。


一人、部屋の片隅で溜息をつく。


「どうした?」

気がつくと、目の前にマグカップを二つ持った隼人が立っていた。


「ミルクティーはないから、コーヒー持ってきた。どう?」


隼人からマグカップを受け取ると、温かく甘い香りのコーヒー。


「ありがとう。」

私が、苦いコーヒーは苦手なのを知ってるから甘くしてきてくれたのね。

隼人の優しい思いを感じながら、コーヒーを口にする。


暫く二人で外を眺めながら、コーヒーを飲んでいると、


「ケイ、さっきの溜息は?」

覗き込むように、私を見つめる。


「一人で考え込むなよ。」


「うん。わかってる。」

引き寄せられ、隼人の腕の中…。


「一番安全な旅の方法としては、櫻井さんたちと船でsperanzaに行ければいいけど、いろいろ面倒なことがあるらしくて、それは無理らしい。」


「それは仕方ないし、無理ないわ。私たちsperanzaの国の人でもないし、関係者でもない。ただ頼まれた…ってことだけで。」


「宇宙旅行が危険なのは、ある程度覚悟してたけど、ここまでくるとな…。」


「でも、食い下がるわけにはいかないん…でしょ?」


「そうなんだよな。親父が言うには、これを機会に奴らを捕まえてしまいたいって。」


「まぁ、俺のほうは、そうしてくれると有り難いんだが。」


小声で私の耳元に、

「櫻井さんたち、立場がまずくないかなと、そっちのほうが心配。余分な手が回らないといいなと思うよ。」


「そうね。色々と事情がありそうだし…。」


「隼人!」

櫻井さんが手招きをしながら、隼人を呼んでいる。


「何だろう。ちょっと行ってくる。」


一人になり、とりあえず話しには入れそうにもないし、かと言って、外に出かけるわけにもいかないし.。

眼下に広がる、entrataの街を眺める。

立ち寄る街で、いつも緊張感があって穏やかな旅行とは決して言えないけれど。

この環境を楽しむ余裕がでてこれば、もう少し気持ちも楽になるかな。

一人でなくって本当に良かったと思う。

隼人たちがいなければ、今頃きっと命もなかったかもしれない。

宇宙にでること自体が無謀だったといわれれば、それまでだけれど。


この数日の間に、危険なこともあったことも含めて、たくさんの出逢いがあった。

そういえば、前の最初の停泊の星albaで、助けてくれた男性どうしてるんだろうか・・。

今も気になっているけど口には出さない。

でも、もう一度逢いそうな気がするのは何故だろうか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「襲撃??」

tenerezzaの王室内で、大きな声が響く。


「はい。あれは完全に彼女狙いの襲撃です。宿泊先のエントランスのところで銃撃戦になってきました。」


「相手は誰だ?」


「詳しくはまだ解りませんが、彼女自身の問題ではなく、どうやら同行してる男の関係のようです。」


「駅でも狙われてましたからね。」


「・・そうか。彼女の命が狙われると聞いたら、こちらもゆっくりはしてられないな。」


「そうですね。でも今回は前回のように、無理に連れてはこれないと思いますが。」


「わかってる。」


「あとで打ち合わせをする。」


「承知しました。」


「必ず、自分の手の中に・・・。」



大きな力が、動き始める。

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