46 動き出す・・。
「事実がわかった以上、余計に倒されるわけにはいかないよな。」
櫻井さんとSPの話しを黙って聞いていた隼人が呟く。
「俺だけならまだしも、ケイまで狙うとんでもない奴らだ。絶対許さない。」
「俺も同じだな。」
櫻井さんが、私たちの座るソファーの反対側に座る。
「そもそも、最初から親父狙わないで、息子狙わせるなんて、奴らのやり方が汚いし気に入らない。」
「それに…。」
私の目の前にいる櫻井さんと目が合う。
「こちらとしても、ケイまで狙われるとなったら、話しが違ってくる。」
「もちろん、俺らは黙っていないし、ケイを守るための手段は選ばない。」
「俺たちを怒らせた、代償は大きい。」
この先、とてつもなく大きな力が動き始める気がする…。
「ありがとう。引き続き何かわかってきたら知らせてくれ。」
櫻井さんがSPに声をかける。
「承知しました。」
会釈をし、部屋をでると同時に、外から真さんが入ってきた。
「只今戻りました。」
「真、お疲れさま。外はその後どうだ?」
「敵は10人近くいたようですね。」
「それも、隼人さんがらみの奴ばかり。」
「数人は逃げ出したと思いますが、それでもほとんど倒したかと。」
「そうか。」
「駅での襲撃、そして今回…。」
「それでも、まだこれから本番だな。」
「たぶん、そうなるかと思います…。」
櫻井さんと真さんの話。
まだこれからってどういうことなんだろう…。
「ケイさん、大丈夫でしたか?とっさのことで身体かまえなかったから。」
「えっ…。」
急に真さんが近づいてきて、私に話しを振るのでどう反応していいのか迷う。
「だ、大丈夫です。先程は、ありがとうございました。」
立ち上がり、真さんに頭を下げる。
「いいえ、どう致しまして。無事でよかったです。」
穏やかに微笑む真さんの笑顔にドキドキする。
なんで私の周りの男性陣は、ノックアウトしそうな笑顔を振り撒くんだろう。
私の心臓が持ちません…。
「これでよし。」
隼人が先程からメールを打っていた携帯を閉じた。
「隼人、どうしたの?」
「ん?親父にメールしてたんだ。」
私を引き寄せ、額に唇をのせると、
「今回のことはもちろんなんだけどな。」
「ケイまで狙う奴らだからね、事件が公になろうが、手加減なく倒させてもらうよ、と一応言っておいた。」
「公になると、親父たちも色々面倒にはなるんだろうけど、俺の知ったことではないし、ケイの命には変えられない。」
「一応か・・。隼人の親父さんの反応が楽しみだな。」
櫻井さん、意味ありげな笑い方をする。
「その返事次第で、俺たちの動きも変わってくる。」
いや…全然楽しみではないです。
櫻井さんや隼人のお父さん達が動き出す・・考えただけでもおそろしい。
でも、私もなるようにしかならないこれから先のことを、心配するのはやめようと思った。




