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星の降る街に  作者: 霧島
第5章
40/92

40 lagoへ・・

「行ったか…。」


列車に二人を乗せるため、Hotelから車で駅まで送り届けた。


歩いていく、二人の後ろ姿を見ながら、櫻井が小さな溜め息をつく。


本当なら、一緒に行きたい所だったが…。


実際、lago(ラーゴ)に着くまでは、何がおこるかわからない。


自分が近くにいない時に、ケイに何かあったら…。


きっと何を置いても駆け付けるだろう。


彼女のことを思うだけで、たまらなく心が震える。


ケイとの別れ際、一瞬抱きしめたい衝動にかられたが、なんとか押さえ頭だけ触れた……。



「仕方がない、今回だけは真に托すか…。」

車を出発させ、飛行場へ向かった。


………………………………………………………………………………………………

突然、ポケットにある携帯電話が鳴る。


「櫻井さんですか?隼人です。」


「どうした?何かあったのか?」

まだ乗ったばかりなのに、もう奴ら動き出したのか…?。

二人を列車に乗せたことを後悔する。


「いや、今のところ落ち着いていますが、櫻井さんに伝えたいことがあって。」


「伝えたいこと?」


「はい。実はさっき送って頂いた車の中で、親父にメールをしました。」


「親父さんに?」

どういうことだろう…。


「俺が、先日の列車で襲われた事件と、lago(ラーゴ)に向かっていることを。」


「そうか。で、親父さんは?」


「怪しい動きがあるのは掴み始めていたようですが、俺が襲われたのを聞いてびっくりしていました。」


「そりゃそうだよな。」


「でも隼人、襲われたの今回始めてじゃないだろ?」


「はい…。子供の頃からそれらしきことは、よくありましたが、櫻井さんよくご存知で?」


「親父さんの仕事がわかった時に、たぶんそうじゃないかと思ったんだよな。」


「さすがですね…。」


「あと、先日の空港での俺のフォローする姿見てたら、動きも違ったし。」


「普通、素人が緊急時、あそこまでの動きはできない。」


「場数踏んでると確信したよ。」


「櫻井さん…。」


「隼人、親父さんはこれからどうするって?」


「当てがあるから、すぐ動き出すと言ってましたし、また、連絡するとも。」


「そうか。じゃあ隼人の関連は、親父さんが絡んでくるなら、とりあえず様子見だな。」


「ただ。」


「ただ?」


「今、列車に乗ってる連中の動きがわからないし、気をつけたほうがいい。」


「そうですね。」


「あと、ケイは特にな。」


「相手は、寝込み襲ってまで、連れていく奴らだ。」


「一回失敗してるからな。今度はどんな手を使ってくるかわからない。」


「隼人、絶対ケイから離れるなよ。」


「わかってます。」

言われなくても、そのつもりだ。


「lagoまでは、いくつかの星がある。」


「?」

櫻井さんの言っている意味がわからない。


「旅の最初の説明の時、言ったろ?『何もなくてsperanzaまで1ヶ月』だと。」


「はい。」


「列車も何かあれば、停まる予定のない途中の駅でも停まることがある、ということになる。」


「………そういうことか。」順調に着く保証がない旅だった。


「何かあれば、1ヶ月以上になる…。」


「その何か、の騒動が二人が絡まないようにしないと。」


「そうですね。」


「とりあえず、ケイが持ってるカギはGPSが生きてる。」


「カギが外れない限り、いる場所がわかる。」


「変わったことがあったら、すぐ連絡よこしてくれ。」


「俺は、飛行船で移動してるから、もし停車駅が変わってもすぐ駆け付けるから。」


「それと、隼人」


「はい。」


「親父さんとは連絡は頻繁にとれよ。」


少し間を置いて、櫻井は、「心の蟠り(わだかまり)は、あとで解決するはずだから。」


一瞬、言葉を失う。

「……、櫻井さんにはかなわないな。」


「隼人、ケイを頼むよ。また連絡する。」


「わかりました。」


………………………………………………………………………………………………


二人の会話を聞いていると、何かわからないけれど、非常に緊張感があった。


「隼人?」

櫻井さんとの話が終わった隼人に声をかける。


「どうした?」

いつもと変わらない笑顔で振り向く。


「話…いろんなこと話してたみたいだけど。」


私を抱き寄せる。

「ケイは何も心配することない。」


「櫻井さんも移動し始めたし、随時連絡すればいいから。」


「ケイは俺の傍から離れなければいい。」


「うん…。」


軽い口づけをし、二人で外を見つめる。


「speranzaか…。」

まだ見ぬ星に向かっている。

この先の不安と期待が、私たちを包み込む。

一人でこなくてよかったとつくづく思う。

隣にいる隼人に抱き着く…。

彼の温もりが私を支えてくれる。


そう思いながら、まったりしていると、廊下が騒がしい。


部屋の窓から廊下をみると、車掌のジョニーさんが、何やら慌てて走って行った。


騒がしい…。


「隼人?」

気がついたら、隼人が身体に色々と装着し始めていた。


「何が起こるかわからないからな。」


緊張感が走る…。


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