表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の降る街に  作者: 霧島
第4章
37/92

37 不安な夜

「…報告は以上です。」


「ありがとう。」


隼人とケイが、櫻井の待つ部屋に入ると、ソファーに座る櫻井とSPらしき男性とが、話をしていた。


「櫻井さん、お待たせしました。」

隼人が声をかける。


「少しはゆっくり休めたかい?」

ソファーに座るようすすめてくれながら、話をする。


「部屋の中巡りをしました。とても素敵なお部屋だったので。」

と笑いながら私が答えると、柔らかな笑顔で私を見つめながら、


「それならよかった。何かまだ希望があれば言ってくれていいから。」


「そんな。充分過ぎて、反対に申し訳なくて…。ありがとうございます。」


「いいんだよ。気にしないで。」

と、話していると、


「櫻井さん、打ち合わせって?」

隣に座る隼人が、櫻井さんに不機嫌な声で話かける。


「そうだね。始めようか。」

言葉と同時に、櫻井さん、真剣な表情にかわる。


「ケイが連れて行かれる時、SPも近くにいたはずなんだが、確認してみたら、あの騒動に全く気がつかなかったみたいなんだ。」


「どうやって忍びこんで、連れ出したかは、捕まえた二人は白状したが、あと一人は泳がしてある。」


「泳がしてある!?」

隼人と私が同時に反応する。


「そう、空港でケイにぶつかった男。」

あ…そうだ。

そういえば3人仲間だった。


「奴、何処にいるかわかってるんですか?」


「わかってる。今SPが奴についてる。このHotel近辺に間違いなく来てるはずだ。あれだけの騒動だ。黙って引き下がるわけがない。」

顔色変えずに櫻井さんが答えるが…。


「二人捕まえただけで、何も解決してないからな。」

隼人も怪訝な表情をしている。


「隼人の言う通りだ。肝心なことを、捕まえた二人はしらない。」


「でもあの二人、私には、tenerezzaで待っている人がいると言っていたわ。私と鍵が欲しい…と。」


「本当か?」

櫻井さんの動きが止まる。


「ええ、間違いないわ。私に逢わせたい人が待っていて、鍵も…って。」



「だから余計に捕まるわけにいかないと思って暴れたんですもの。」



「……………。」

櫻井さんが、急に黙ってしまった。


「櫻井さん…?」


「あ…ケイ、ごめん…。考え事してた。」


「どうかしましたか?」

隼人も櫻井さんに聞く。


「…ケイが、連れていかれなくて本当によかったよ。」

真剣な眼差しの櫻井さん、私を真っすぐ見つめる。


「あのまま連れていかれたら、ケイの命も、speranzaも大変なことになってたかもしれない。」


「tenerezzaの王は、手に入れたいものがあれば、手段を選ばない。」


「人の命だって、奪うにも全く容赦ない。」


「…ただ。」


「ただ…?」

私を見つめる櫻井さんと目が合う。


「鍵を手に入れたい…っていうのは、わかるんだが。」


「ケイにも逢いたいっていうのは、どうも納得がいかない。」


「確かに…。」

隼人も頷く。


「何が目的なのかな?」

私も不安になる。

無意識に、自分の腕で自分を抱きしめていた。

それに気がついた隼人が、私の腰を引き寄せ、抱きしめる。


黙って考えていた櫻井さん、

「…まさか。そんな。」


「櫻井さん?」


「たしか、tenerezzaの王は、隼人たちと同年代…。」


「もしかして、王妃探しかっ!?」

櫻井さんが、焦る…。


「王妃?」

全く話がわからない。


「tenerezzaの王は結婚していない。」


「それが、私とどこでつながりがあるのか、わからないのですが…。」

隼人の抱きしめる力が強くなる。


「ありえる話だな。」


櫻井さん、爆弾発言です…。


「いや…櫻井さん、全然ありえないんですが?」

私も焦る。

一般庶民の私が、王妃なんて、全く縁なしです。

これ以上の混乱は勘弁してほしい…。


「王妃なんて、とんでもない。」

隼人が重い口を開く。


「冗談じゃない。ケイを連れていくなんて。何奴だよ、全く…。」


「絶対に渡さない。」


「隼人、俺も同感だよ。冗談じゃない。」

櫻井さんも、ため息をつきながら答える。


「今夜が勝負だぞ、隼人。」


「わかってます。」


「今夜無事越えたら、朝一でlagoに行く列車に乗るといい。」


「櫻井さん、列車には隼人を狙っている奴らがいたわ。大丈夫かしら?」

隼人も狙われている身、とてもとても気になる…。


「大丈夫…とは言い切れないが、相手も列車内での騒動は、最低限に抑えるはず。」


「もし、隼人を捕まえても、次のlagoまでは、途中下車できないからな。」


「あと車掌には、話はしてあるから、怪しい奴はチェックができる。」


「ジョニーさん、事情知ってるんですか?そうはいっても私は、100%の信用はしませんが。」


「買収されてるかもしれないからな。」

隼人も答える。


「一般常識でありえるはなしよね。」


「細かい事情は話してない。ただ、列車のあの部屋に入る時点で、一般の旅人ではないことはたしかだから。予約の時点で、speranzaまで、間違いなく送り届けてほしいと話はした。」


たしかに…。

一般庶民は無理だわね。


「駅までは送っていくから。」


「櫻井さんはこの先、どうしますか?」


「列車には乗らないが、lagoには向かうよ。たぶん列車より早く着くはず。」


「車内でも何かあったらすぐに連絡してくれればいいよ。SPも列車に乗ってるから。心配しなくていい。」

櫻井さんがにっこり微笑んで返事をしてくれた。


「そういえば隼人、speranzaに向かうこと、親父さんに言ってきたか?」


「はい。ケイと二人ででかけると。それがなにか?」


「ならいい。たぶん親父さんも隼人の身を案じているはずだから、隼人を狙ってる奴らのこともいずれ耳に入るだろう。」


あ…なるほど。櫻井さんの思いが少しわかったきがする。


「さて、食事して今夜に備えるか。」

言葉は、軽いが、表情は厳しいままの櫻井さん。


「間違いなく、今夜から、明日にかけて、多分動きがある・・・・。」


desertoでの夜が始まる・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ