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星の降る街に  作者: 霧島
第4章
35/92

35 背中に負うもの

「なにっ、失敗した?」


「申し訳ありません。只今desertoより報告が入りました。二人組の男に、襲われたそうです。」


「二人組…?」


「一人は、彼女と地球を出るときから一緒に動いてきている男、もう一人はまだ正体がわかりません、が、すごい腕の立つ奴らしいです。」


「味方の2人も、今行方を追ってますが、何処に行ったのかわかりません…。」


「わからない?捕まったか…。」


「たぶん。」


「でも、誰に…?」


「サムは今、3人を追ってますが。」


「ったく、あと少しだったのに…。」


「3人を、次の指示まで間違いなく追うように伝えておけ。」


「はい。承知いたしました。」



「この次は必ず…。」


…………………………………………………………………………………………………………………………

「さてと、どうするかな。」

事件のあった後、車で今夜泊まる予定のHotelへ向かっている道中、先程まで、

何やら電話で打ち合わせをしていた櫻井がタバコを吹かしながら、呟く…。


「どうするか…ですか?」

櫻井の柔らかい視線に気がついた私は、彼の顔を見つめる。


私の右手を握っている隼人の左手に力が入る。。


「たぶん、このまま黙って身を引いてくれる相手じゃなさそうだからね。」


「ケイがさっき言っていた星の奴らなら特に…。」


「櫻井さん、心当たりでも?」

正直に答えて貰えると思わなかったけれど、口にしてみる。


「ある。tenerezzaは厄介な相手だ。」

ため息をつきながら答える櫻井。


「隼人の関係も厄介だけどなぁ。」


「隼人自身が、直接関わっているわけじゃないから、相手がどうしたいのか、全く見えてこないし。」

隣で隼人も厳しい表情をしながら頷いている。


「ケイは、相手が見えてきたと思ったらとんでもない奴らだし…。」


「そんなに、毛嫌いするほど、いやなんですか?その星の人は。」


「奴らも王政国家でね。何かとぶつかることが多いんだよ。」


「国同士か…バックが大きすぎるな。」

隣で呟く隼人も、大きなため息をつく。


「間違いなく、ケイにぶつかった男も、俺らを追ってきてるだろう。」



「もしかしたら、この前隼人にメールした国の話が、tenerezzaかもしれないな。」

櫻井が考え込むように話すと、


「この前のメール?」

私には、心当たりがない…。


「隼人、櫻井さんが言ってるこの前のメールって何?」

隼人に尋ねる。


「ん?隼人、ケイに伝えなかったのか?」


頷き、力を落とした声で隼人が答える。

「はっきりしないことで、ケイに余計な心配かけたくなかったから言わなかったんです。」


「そうだったのか…。」


「櫻井さん、何の話なんですか?」


「数日前から、speranzaと同じような王政国家の国で、水面下で人探しをしているという話が流れてきていてね。それも女性で。詳しいことはわからないが、隼人には、ケイを気をつけて…と、たしかあれは襲われたあとのメールだったな。」


隼人が、言葉なく頷く。


「隠すつもりはなかったんだよ、ごめん。ケイ。」

私を引き寄せ、頬にキスをする。


「はっきりするまでは、言うのはやめようと思ってね。悪戯に不安感煽るみたいで嫌だったんだよ。」

頭を優しくなでてくれる。


「ありがとう、隼人。心配してくれて。」



話をしているうちに、宿泊先のHOTELに着いた。


「さて、行こうか。」


車から降りる際、

「一日でも早くsperanzaに着くこと考えないとな。」

と言いながら櫻井さんが、私の頭をくしゃっと撫でていった。


チェックインして驚いたのは、今夜はHOTEL最上階の特別室らしい。


櫻井さんは、speranzaの関係者なので、普段通りだと思うけれど、何故私たちまで…?

そう思っていたのは、私だけではなかったらしい。


「僕たちもこの部屋へ宿泊するんですか?」

隼人が櫻井に尋ねる。


「今夜は、臨戦体制で望むから近くにいたほうがいい。ケイを連れていかれたくないからね。」


「隼人も、相手はこの星で押さえて行きたいだろうから、油断するなよ。」


「はい。」


「それぞれ独立して部屋数はあるが、この特別室に入って来ることができる入口は、一つだけだ。」


「万が一のことがあれば、対処が出来る。夜も交代で入口はSPが見張るから。」


「ただ、100%の保証はない。お互い気をつけるに越したことはない。」


「とりあえず部屋で休憩しよう。疲れただろ?二人とも。」


「後で、これからのことを打ち合わせしよう。」


「わかりました。」

櫻井と別れ、部屋に入る。


部屋の中には荷物もちゃんと届いていた。

列車も車内もびっくりしたけど、部屋も…、櫻井さんとの生活レベルの違いを改めて感じる。

speranzaの関係者…いや、たぶん…国を動かせる、かなり上の身分じゃないかと感じている。

口にはださないけれど。

いずれわかること。

そうだとしても、私には、何ら関係なくだから。

肩書なんて、なんの比較の対象にもならない。

個人として、尊敬ができるかどうかだから。


「ケイ。」

隼人の呼ぶ声に、振り返るとそのまま強く抱きしめられる。


「隼人?」

返事もなく、しばらくの間抱きしめたままだった。


「俺はケイを支えきれるか、自信がなくなってきたよ。」

隼人の表情が、半分泣きそう…。


「隼人、私ね、彼らに捕まっている時、もう隼人に逢えなくなってしまうの?って思ったらとても悲しかったし辛かった。」


「でも、その時隼人が前に言ってくれた言葉『必ず助けに行くから』と、あなたのこうやって、抱きしめてくれた体温を思い出したの。そうしたら、このまま連れていかれるわけにいかない…て思って、車から降りた時、抵抗したの。」


「隼人の顔をみたとき、ほっとしたわ。嬉しかった。」

隼人にしっかり抱き着く。


「だから、自信がないなんていわないで。私の心の支えなんだから、隼人は。」


「何としても、speranzaに一緒に行きましょ。私は、早く隼人のためにウエディングドレスが着たいわ。」


「ねっ。」

顔を上げ、隼人を見つめる。


「ケイ…。」

抱きしめる力も強く、そのまま唇を重ねる…。

隼人の熱い体温を生きて感じられるのが、これほど幸せなことはないと実感する。



地球をでてきたことで、トラブルは多いけれど、後悔はしていない。

自分自身の判断は間違っていなかったと思いたい。

この先何が待っているのかわからないけれど・・。


櫻井さんの存在も大きい。でも彼の思いを、受けきれないのが、辛いところ。


speranzaには、まだまだ越えなければいけないことがたくさんありそう…。


ご無沙汰しております。作者の霧島です。約1ヶ月半振りのアップとなりました。あら、忘れちゃったわ・・と思われる方、そうじゃない方も、またアップしますのでよろしくお願いいたします。今回書き始めるのにあたって、自分の書いたもの再度読み返しました・・^_^;4月から書き始めて、半年が過ぎました。これから最後の話までは、一気に書き上げる予定(笑)よかったらこれからまたお付き合いくださいませ^^

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