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星の降る街に  作者: 霧島
第4章
30/92

30 追われる理由


コンコン…。


櫻井さんの部屋の扉を叩く。


「隼人です。」

すぐ音がして、扉が開いた。


そこにはラフな格好に着替えた、櫻井さんが立っていた。


「どうぞ。入って。」


ラフな格好もいいなぁ…。なんて思って立ち止まっていたら、隼人に、無言で手を引っ張られ、そのまま部屋にはいった。


「はい、コーヒーどうぞ。」


お店での再現のように、櫻井さんがコーヒーを入れてくれて、自分もカップをもち、私達の前のソファーに座った。


「隼人くん、外の状態はどうだった?。」

タバコに火をつけながら、櫻井さんが尋ねる。


「数人…いましたね。」


「顔はチェックできたかい?」


「はい。」

その返事にびっくりして、隣に座る隼人の顔を見る。


会話の意味がわからない…。


「ねぇ隼人、なんの話なの?」


「ん?部屋での話の続き…。俺を狙ってる奴がいるっていう。」

私の右手を握る手が強くなる。


「ケイさんに話をしたんだね。隼人くん。」


「いや…全部はしてないです。ただ俺も狙われていると伝えただけで、それ以上は何も。」


「そうか。それなら話は早い。」


「ケイさんにも、ちゃんと今の状況を話しておいたほうがいいと思っていたからね。」


何がなんだかわからないまま、呆然としてると、


「ケイさん。」


櫻井さんが、真剣な顔して私を見つめる。


「駅でなぜ僕が、desertoにきたか、とケイさんに言われたよね。」


「はい。」


「今から話すこと、大事なことだから聞いていてね。」


「隼人くんが、追われているのは本当のことなんだ。」


「ただ、隼人くんが別に追われるようなことをしたわけでなく。」


「どうやら、隼人くんのお父さんが関連してきているみたいなんだ。」


「お父さん?」

隼人も黙ったまま頷く。


「彼のお父さんのこと、ケイさん達が宇宙に出てきてから、気になることがあって隼人くんのこと調べていたらわかったんだ。」


「もっと早くに事情を知っていれば、二人とも旅には出さなかった…。」


「追われるほど、お父さんは、仕事何をやっているの?」

厳しい表情をしている隼人に聞く。


「…宇宙開発事業団の開発課にいる。」


「え……?そうなの。」


「うん。俺は一切親父の仕事には関わってきていないから、今までよかったんだけど。」

大きなため息をつく…。


「隼人くんが、宇宙旅行に出てきて、お父さんの仕事関係者に狙われるようになったみたいなんだ。」


「それにもう、すでに動き始めてるし。」


「えっ?」


「列車の中で、物音した時あったろ?あの相手がそうだったんだよ。入口で見かけたやつ、過去に親父の近辺にいた奴だった。」


「そんな…。だからあの時、一瞬で表情が変わったのね。」


「親父、今、開発課で最高責任者なんだよな…。」


「推測だけど、隼人くんを捕まえて、取引の材料にしたいのかもしれない…。」


「たぶん…、櫻井さんの、推測が当たってる。」



「まって隼人、それなら私より危険じゃない。」


「櫻井さん、今から地球に戻っても隼人の周りの状況はかわらないの?」


「ケイさん、ごめんね。変わらないか、もしくは、それより悪くなるかもしれない。」


「もしこのまま引き返しても、隼人くんは、地球でも間違いなく狙われてしまうと思う。」


「はやとっ。」

たまらなくなって、隼人に抱き着く。隼人もしっかり抱きしめてくれる。


「隼人ごめんね。やっぱり一緒に来なければよかった。」


「何かあったら私のせい…。」

涙が溢れて、言葉にならない。


隼人の抱きしめる力が強くなる。


「ケイ、そのままよく聞け。俺はおまえを置いて何処にも行かないし、今、後悔もまったくしていない。」


「ずっと言ってきてるけど、宇宙にでると決めたのは俺自身だ。ケイのせいじゃない。」


「親父の仕事がら、こうなることは、少なからず予測はしてた。ただ、相手の動き出しが早かっただけ。」


止まらない涙を拭きながら、顔を上げる。


隼人が額にキスをし、指で、私の伝う涙を拭きながら、

「ケイ、俺と一緒にsperanzaに行くんだろ?」


大きな手で、私の頭を撫でる。


「戻っても悪くなるなら、前に進んだ方がいいんじゃないか?」


「ケイ、俺はお前を離しはしないし、絶対守る…。ケイの王子だからな。」

優しく微笑む隼人。


隼人が私をしっかり抱きしめる。


「そう、そのために僕も今回desertoにきたんだよ。」

今度は櫻井さんが、私の頭を撫でる。違う手に思わず、ドキドキする。


「今回、隼人くんが狙われ追われるのは、予想外だったけれどね。」


「でも、ケイさんも狙われているのも確かだし。」


「遠い地球で、情報量が少なくてハラハラするより、近くにきたほうが何かと都合がいいと判断したから、今回動いてきたんだ。」


「ケイさんに鍵を預けた責任もあるし、speranzaには、二人で行かないと意味がない。」


「そうなれば、自然と二人をSupportするようになるし。」


「でも、僕たちがいても、この先100%安心…はないから。」


「それぞれに、注意しながら行くしかない。」


「隼人くん、ケイさん、この先大丈夫かい?」


私も少し落ち着いてきて、櫻井さんに聞く。


「私達が、櫻井さん達と繋がってるのは、相手もわかってきたわけで。」


「相手に対して、駅で三人で話をしたことは、プラスになるのでしょうか?それともマイナスになるのでしょうか?」


「どちらも…なのかな。」


「僕たちも、隼人くんやケイさんを狙う奴らのすべての情報を手に入れた訳ではないから、はっきりは今言い切れない。」


「ただ、言い切れるのは。」


「全力で二人を守る体制を牽いてる…っていう所かな。」


「隼人くんには今以上に頑張ってもらわないといけないけどね。」


「もちろん、そのつもりです。」

隼人も、即答で返す。


「心強いね。」



「そういえば、隼人くんたち、お腹すかないか?」


「朝食べたきりで、そのあとは何も口に入れてないな…。」


「じゃあ、外に食事に行こうか。偵察かねて。」

すでに櫻井さん、準備を始めている。


「そうですね。」


「櫻井さんは、この星は初めてですか?」

ふと、気になったので聞いてみる。


「いや、もう何回か来てるけど、どうかした?」


「宿泊先も予約して頂いていて、助かっていますが、詳しいな…と思って。」


「今は、ネットワークが広がっているからね。何処にいても予約は出来るよ。」



「今から外にでるけど、護身用に持ってる?」


「はい。」


「それじゃあ、出掛けよう。」


すこし緊張しつつ、出かけることにした。


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