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星の降る街に  作者: 霧島
第4章
29/92

29 deserto/再会


「あ、櫻井さん。」


「隼人くん、ケイさん、無事着いたね。」


改札口を抜け、指定の待ち合わせの場所に、数人の人たちと話をする彼がいて、笑顔で迎えてくれた。


櫻井さん本人だけれど、立っている姿、地球でのお店で会った時の雰囲気と全く違う…。


スーツを着こなして、落ち着いた感じ。隼人とは、また違った大人の格好よさがある。

見惚れてしまうくらい…。


たぶん、これが櫻井さんの本当の姿なのね。


通り過ぎる人達が、話をしている格好いい男二人に、振り返っていく。



目立つな……。

私には、隣に立つ容姿はない…。



二人から少しづつ離れている…と。


「こら、離れるな。」

隼人に、腕を掴まれた。


「だって一緒にいると、すっごく目立つんだもの…。」


「別に気にしなきゃいいだろ。」


「そういうわけには…。」


「それより離れて、ケイがどっかに連れて行かれる方が困る。」

すでに、私の右手は、隼人の左手に捕まっていた。


「ケイさん、隼人くんの言う通りだよ。」


「腕っぷしのある、二人も男がいて、目の前で連れて行かれたなんて、冗談にもならない。」


「まぁそうなったら、手を出した奴ら、ただじゃおかないけどね~。」

恐ろしいコメントをさらっとはいて、にっこりと微笑む櫻井さん。

隣で隼人も、大きく頷いている。


「櫻井さん、何者なんですか?」

前から疑問に思っていたこと、ストレートに口に出してみる。


「俺?」


「はい。」


「うーん…。いずれわかるからその時まではシークレットだね。気になる?」


櫻井さんとのやりとりに、隣で隼人が怪訝な顔をしていて、繋いでいる手にも力が入る…。


「そうですね。私、仕事をしている時も、相手の肩書きとかで判断することもなかったですし。今もそうですが。」


「ただ…。」


「ただ?」


「何故、今のこの状態になってきて、地球にいなくてはならなかった、櫻井さんが動き始めたのか…が気になります。」


「そうか、なるほどね。」


「まぁ、ここで立ち話をするのもなんだから、場所変えようか。」


「隼人くん、宿泊先に行こう。」


「櫻井さんも一緒の宿泊先ですか?」

隼人も気になっていたので尋ねる。


「そうだよ。違う所だと思ってた?」


「はい。」


「ここで、別々に泊まったら、俺がここにきた意味がないし、それに、そうしなくちゃいけない理由がないだろ?」


「そうですね。」


「じゃあ、移動しよう。」


そして、隼人と私に向いて表情は変えず、囁くような声で、

「たぶん、追いかけてきたい人も、ちゃんと一緒について来るだろうから…。」


一瞬、なんの事か私には解らなかったけれど、隼人は頷いて、

「そうみたいですね…。」

と答えてから、私の手をしっかり握りしめた。




宿泊先にチェックインした後、それぞれに部屋に移動する。


移動しながら、櫻井さんに

「二人とも、荷物多いんだね。列車に預けてこればよかったのに。」

と、言われ隼人が、


「何が起こるか、解りませんからね。荷物は持ち歩くようにしてますよ。」

と、即答した。


「そうだね…。」

櫻井さんも、隼人の言いたいことが、何となく解るみたいで。


「部屋に荷物置いたら、隣の部屋においで。話をしよう。」


「さっきの、ケイさんとの話の続きもあるし。」


「わかりました。後ほど伺います。」



櫻井さんと別れて、部屋に入り、二重ロックをかける。


隼人は窓からそっと外を見渡す。


私達の部屋の両サイドは、櫻井さんと、櫻井さんと一緒に来た方達の部屋なので、心配はないとは思う。


でも、外と入り口は警戒しないと…。


「隼人、外どう?」


「まだ昼間だから、大丈夫だよ。でも、夜は警戒しないと、だな。」


「あれだけ、駅で話してりゃ、向こうもそれなりに考えてくるだろ。」


「櫻井さんはそれが目的だったみたいだし。」


「えっ、そうなの?」


「たぶんな…。直接聞いたわけじゃないがそんな気がする。」


「自分たちを標的にして、狙ってきてる奴らの状況を見たかったんだろう。」


「その上で対策をねるつもりか、もう始まっているか…。」


「攻撃は最大の防御…。流石だね、櫻井さん。無駄がない。」


「全然気がつかなかった、私。。」

何も知らなくて凹んでいる私を、隼人は笑顔で抱きしめてくれる。


「いいんだよ。俺がわかっていればいいことだから。」


「ただ、これでケイのウエディングドレス姿を見るのは当分お預け…になったな。」

びっくりして、隼人の顔を見つめると、


「ケイが鍵を持っていようがいまいが、俺達が櫻井さんと繋がってるのがわかった時点で、もう逃げられない…ってこと。」


「櫻井さん、俺達が帰りたいと思ってたの、わかってたみたいだから。」


「たぶん、引き止めるつもりで、きたんじゃないかなと思うよ。」


「そうなの?」


「言わなくても、契約の時の話から考えたら、この状態になってきたらわかるもんな。」


「あ、そっか…。」

speranzaに着けなくてもいいか?なんて確認してきたっけ。。


「逃げられないんだね…。」

無意識に大きなため息をつくと、隼人の抱きしめる力が強くなる。


「俺が傍にいる。」


「隼人…。」


「頼りないかもしれないけどな…。」

ふと、弱気な発言もする。


「正直、俺もどうなってくるかわからないから。」


「なぜ?」


「ケイも狙われているけど、実は、俺も何だか別ルートで狙われてきているみたいだから。」


「なに?別ルートって。」


「まだ詳しくはわからないけどな。櫻井さんと話するときに話の中にでてくるだろうから。」


ショックで言葉がでない…。


「ごめんな。心配かけたくなくて言わなかったけど、そうも言っていられなくなってきてるみたいだから。」

私の頭を優しく撫でてくれる。


「結局は、speranzaに向かわないといけないわけね。」


「そうだな。」


「さてと、隣の部屋に行くか。櫻井さん待ってるだろうし。」


「うん…。」

気持ちの整理がつかないまま、隣の櫻井さんが待つ部屋に向かう。


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