28 地球への帰還!?
「結局、あれは誰だったのかな?ねぇ、隼人。」
「あぁ・・。たぶんSPが動いているから、櫻井さんと合流した時にでもわかるだろう。」
騒動があってから、何か考え込んでいるような様子を見せる・・。
何かあれば、また話してくれるだろう、と思っていた時、隼人の携帯電話が鳴った。
「はい、隼人です。」
なにやら話をしていて、
「わかりました。では、後ほど。」
「櫻井さん?」
電話を切った隼人に尋ねる。
「そうだよ。早いな。何に乗ってきたんだろう。もうdesertoに着いて駅で待ってるって。」
「そっか…。」
私も、言いようがなく短い返事を返す。
「どうした?」
見上げると、ふわっと微笑んだ隼人と目が合う。
「ん?何でもないって言いたい所だけれど。」
「隼人もなんだか元気がないし、どうしたらいいのかなって思っていたの。」
隼人の腕が、私を引き寄せ抱きしめる。
「ごめん・・心配かけて。ケイを失いたくなくてさ、これから先のこと考えるとすごく不安になるんだ。」
「でも、本当は俺がこんなことじゃいけないけどな・・。」
私も手を伸ばし、隼人にぎゅっと抱き着く。
「私は、隼人が傍にいてくれるだけでいいの。」
「それ以上も以下も望まない。」
「隼人が私の傍らからいなくなるのは絶対にいや。」
私を抱きしめる力が強くなる。
「大丈夫。俺は、この先もずっとケイの傍からどこにもいかないし、どこにも行かせない。」
「たしかに、櫻井さんが合流してこれば、心強い。」
「でも、その分周りの動きは、今以上に厳しくなるかもしれない・・。」
と言った後、私の顔を上に向かせ、不安な気持ちを消すように、唇を重ねあった・・。
「ケイ、俺らの最初からの目的は、speranzaに行って、住めるかどうか見てくることだったよな?」
「うん。そうよ。」
「目的が変わったならば、地球に戻ればいい。何がどこで事情が変わってきたのか知らないが、こんなに俺らが追われる筋合いはない。」
「やっぱりあとで、櫻井さんともう一回、これからの話をしよう。」
私は無言で頷く。本当にその通りだと思うから。
「話の進み具合によっては、desertoに着いてから引き返してもいいし。この旅に縛られる必要はないよな。」
「私もそう思うわ。来る前に櫻井さんには確認とったもの。speranzaに着かないかもしれないけれど、それでもいいか?って。」
「そうだったな。それで櫻井さんの返事はOKだった。」
「隼人、旅行費用は、また働いて櫻井さんに返そう。地球に帰ってから。」
「そうだな。結婚式あげてから考えるか。」
「借金があって、式挙げられる?私はしなくても構わないわ。」
「いや、俺がケイと一緒に式を挙げたいから。これは譲れない。」
「普通は反対じゃない?」
「ケイのウエデイングドレス姿見たいし。」
「つき合うようになってから、ずっと思っているよ。」
頬にチュッとキスをする。
「隼人もかっこいいから王子さまみたいで、きっと似合うわね。私には勿体ないくらい。」
「なにそれ。」
クスクス笑いながら、私の頭を撫でる。
「じゃぁ、ケイの王子さまは、弱音をはかないで頑張らないとな。」
話をしていると、車掌のジョニーさんの車内放送が入る。
『あと1時間で、次の停車駅desertに到着します。乗り換えの方は、お忘れもののないようにご注意下さい。』
「隼人、あと1時間だって。」
「すぐ着くか。desertは乗り換えがあるみたいだな。albaよりは小さな星でそんなに賑やかな星じゃないみたいだけど。どこかの星の中継地点なのかな。」
資料を見ながら呟く。
「とりあえずdesertでの宿泊場所も、櫻井さんが手配してくれているし。」
「そうなの?」
「うん。」
「櫻井さんたちと一緒の宿泊場所になるかどうかは、聞いてないけど。」
「SP含めて、彼らの正体も謎が多すぎるし。speranzaの関係者っていうなら、かなり生活レベルが上のはずだから違う場所かもしれない。」
「まぁ、今回に限って、俺たちと合流するために動いてきているから、なんとも言えないけどな。」
1時間後、定刻通りdesertに列車は到着した。
今回は、この先進むかどうかわからないので、持ってきたすべての荷物を抱え、列車降りる。
降りる際スタッフにお礼を言い、周りのSPを確認して、待ち合わせ場所に向かった。




