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星の降る街に  作者: 霧島
第4章
27/92

27 あやしい人影


何か入り口の外側で音がする…。


まだ、時間的には、真夜中のはずなのに。


いつの間にか眠ってしまったが、物音で眼が覚めた。

隣を見ると、隼人も気がついていて、眼を覚ましていた。


「隼人…。」

声にならない声で、話し掛ける。


隼人は、無言で頷き、私をギュッと抱きしめて、額にキスしてから、護身の道具を身につけ、ベッドからそっと下りて入り口に向かう。


私も、枕元に置いてあったものに手を伸ばす。いつでも反撃できるように。


入口の三角窓から、そっと近づいた隼人が外を覗く。


外からは、壁に見えるが、中からはバッチリ部屋の外が見える。これは、セキュリティの面でもありがたい。


外を覗く隼人の顔が、一瞬にして厳しくなった。

隼人を纏う、空気がかわる……。。



誰かがいる…。



隼人は、できる限り視線を外さないように、手元の携帯を操作する。


すると、すぐに足音がしてきて、同時に入口から音が遠ざかっていった。


足音が聞こえなくなって、今度は、携帯電話のボタンを押している。



「もしもし、櫻井さん?隼人です。今大丈夫ですか?」


「ちょっと立て込んでいるけどいいよ。どうした?」

櫻井の話す電話の後ろでは、賑やかな音が聞こえる。


「外…ですか?櫻井さん。」


「まぁね。それより何かあったのかい?」


「albaをでて、列車で次の星desertoに向かっていますが、今僕たちの部屋の外で物音がしたので、見たら……。」

言葉が止まる。


「隼人くん?」

櫻井さんが隼人の変化を察する。


「まさか、隼人くん関係の人かい?」


「……そうです。直接接触したことはないけれど、俺が過去に、見たことがある人……でした。」


「すぐSPの方にメールしたら来てくれて、今追っているはずですので、櫻井さんへも連絡が行くと思います。」



「そっかぁ…。そっちが先に動き出したか。」


「実は隼人くん、もう数時間したら、僕も地球を離れるよ。」


「えっ本当ですか?」


「隼人くん達はあと約1日ぐらいでdesertoに着くだろ?」


「はい。」


「僕は列車じゃないから、なんとか隼人くん達が、desertoに着く頃にでも、合流できるんじゃないかなと思ってる?」


「でも、櫻井さん、今地球を離れる訳にいかないって、この間おっしゃっていたじゃないですか。」


「それは本当だよ。でも事情が変わってきてるからね。ちょっとほっとけない。」


「例えば、今回のやつだったり。鍵狙いだけならまだしも、隼人くんまで標的になるなんて思ってもみなかったし。」


「早いうちに調べておいてよかったよ。手遅れになる所だった。」


「まぁ、それだけの理由という訳じゃなく、僕が動いたほうが他のことにもいいと判断したからだよ。」


「情報を待ってるだけじゃ、事は動かないし、始まらない。」


「なら、攻撃は最大の防御、だから攻めに回ることにしたんだよ。」



隼人は、電話を持ったまま唖然としている。


「隼人?」

恐る恐る近づいてみる。



「隼人くん、とりあえず部屋から出ないように。また連絡するよ。」



「わかりました…。」

無意識に電話を切る。


「隼人?」

唖然としている隼人の手をそっと握ると、びっくりした顔をして振り返った。


「大丈夫?」

両手を伸ばして、隼人を抱きしめると、大きな手が私の頭を撫でる。


「ごめん。びっくりしたよな。俺も意外な展開に戸惑ってる。」


「何があったの?」

見上げると、眉間にシワを寄せている隼人と眼が合う。


「櫻井さんが、desertoで合流する。」


「え?櫻井さんって、今地球出られないって言ってたじゃない。」


「俺も良くわからないが、もう数時間したら地球を出てくるって。今、外にいるみたいだし。」


「櫻井さんが動き出さなきゃいけない状況になってきたらしい。」


「じゃあ、私がこの鍵を持っていなくても良くなるのかな?」

胸にある鍵を握りしめながら、素直な疑問を口にする。


「たぶん、情報が動いていれば、ケイが鍵を持たなくなっても、狙われるのは、同じ…だろうな。」


「そっか…。」

がっかりと同時に、大きなため息をつくと、今度は隼人が抱きしめてくれる。


「ケイ、これからsperanzaに着くまで、気は抜けないし、もしかしたら離れ離れになるかもしれない。」


「でも。」

隼人の抱きしめる力が強くなる。


「必ず助けに行く。信じて待ってろよ。あと…。」


「ん?」


「もし、俺がいなくなったらそのままsperanzaへ行けよ。たぶん櫻井さんが力になってくれる。」


「え?何でそんなこと言うのよ。探しにいくの当たり前じゃない。」


「ケイはそのまま行け。speranzaで待っていてくれ。」


「いやよ。隼人と離れるのは。何のために旅をしているのかわからないじゃない。」


「私は鍵のために旅をしてるんじゃないわ。」

自然と涙が溢れて止まらなくなる。


「ケイ…。」


「そうだよな。目的が違うよな。」

隼人は微笑んで、指で私の涙を拭うと、そのまま顔を寄せて唇を重ねる…。


「婚前旅行、楽しまないとな。」



明日には、次の星、deserto着く。



櫻井もdesertoに向かうため、飛行場に向かう。


一般の客が乗る所と違う場所に止まっているる宇宙船。

櫻井が到着すると、入口が開く。


「desertoまで、出来る限り急いでくれ。」

中へ入りながら、伝える。


「了解しました。」


数分後、櫻井を乗せた宇宙船が、desertoに向けて飛び立った。



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