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星の降る街に  作者: 霧島
第2章
18/92

18 『alba』へ


「あと1時間で次の停車駅『alba(アルバ)』に到着いたします。次の出発は、地球時間で3日後。時間は20時です。時間に遅れないように、15分前のご乗車お願いいたします。」

車掌のジョニーさんの、車内放送が入る。

車内がにぎやかになってきた。


「隼人、到着まであと1時間だって。」

私は荷物をまとめ、身支度を整えながら、隼人に声をかける。


「そっか。」

ベッドに横になって、読んでいた本を閉じて起きてきた。


「何読んでたの?」

傍らに立つ隼人に尋ねる。


「Guidebookみたいなものかな。albaに降りて、どうしようかと思って見てたんだ。」


「泊まる所はもう予約してあるし。」

「え?そうなの?」

「さっき、櫻井さんと打ち合わせしてる時、電話で話して決めたんだ。」


そういえば、難しい顔して話してたわね。


鍵を持つ、本当の理由がわかって以来、隼人と櫻井さんが、頻繁に連絡を取り合っているみたい。

私は抜きで…。まぁ、いいんだけどね。


でも、さすが隼人、手配が早いな…。仕事している時もそうだった。先へ先へ手を打って、仕事を片付けるのが早かったし、回りの信頼も厚かった。私は、どうあがいても、隼人には追いつけないし、かなわなかった。


「同期だったのにね…。」


「ん?どうした?」

ふと呟いた言葉に反応されて驚く。


「いつも隼人にはかなわないって思ってただけ。準備できた?」

笑顔で返す。


「…何かまた余分なこと考えてただろ?」

疑い深そうな顔で覗きこんで私の顔を見る。


なんでわかるんだろう…。


「顔見ればわかるよ。櫻井さんとの話気になる?」

エスパーのような返事をしながら、私の頭を撫でる。


「別に…。私が聞かなくてもいいことでしょ?」

言わなくてもいいことまで、言ってしまいそうなので、隼人から離れようとすると、引き寄せられ隼人の胸におさまる。


「ケイに都合の悪いことは何一つ話はしてない。それより、これからどうしていこうという話をしてる。SPがいたとしても、ずっと張り付いてると怪しまれるから、俺が何処まで動いていいか…とかね。姫を守らないといけないからさ。」

見上げた私を優しい瞳で見つめる。


黙って隼人に抱き着く。

「ごめんなさい。あなたの気持ちも知らないで。小さな嫉妬みたいなものだわ。」


「いいんだよ。説明しない俺も悪かった。」

そう言いながら、私の唇に優しいキスをする。


「せっかくの婚前旅行なのに、ケンカしたくないからな。」


「婚前旅行決定なのね。」

クスクス笑いながら、背伸びをして、隼人の唇にキスを返す。


抱きしめられ、それ以上進みそうになりはじめた時、車内放送がはいる。


「あと10分で停車駅『alba』に到着致します。』


「残念…。続きはまたあとで。」

といいながら額にキスをし、隼人も降りる準備をし始めた。


………………………………………………………………………………………………


「隼人くんも、狙われやすい素性の持ち主なんだね。」

櫻井さんが、電話で話をしていると、ふいに尋ねてきた。


「調べたんですか?俺のこと…。」


「一応ね。託す相手のバックを知っておきたいと思ってさ。悪用するつもりはないから安心して。」

悪びれた様子はなく、さらっと答える。


「ケイさんはもちろん知らないよね?」


「余分な心配かけたくないから、ケイには黙っていて下さいね。」

櫻井さんに釘をさす。


「わかってる。」

「albaに着いてから、どうするんだい?滞在時間があるでしょ?」


「出発は地球時間で、3日後らしいです。」


「3日か。」

「隼人くん…。」


「言いたいことはわかります。ケイは必ず俺が守る。」


「うん。そうだね。SPおいてあるけど、油断は出来ない。下手に動くと怪しまれるから、彼の隼人くんが一番ボディーガードには相応しい。」


「あとで、SP見分ける画像送るから見ておいて。」


「了解しました。」


「ホテルの予約は、お願いしていいですか?」


「引き受けた。予約取れたらメールする。」


「敵の多い旅かもしれないが、不安になりすぎず、楽しんで欲しいと思っている。ケイさんも隼人くんも。」


「せっかくの婚前旅行なんで、楽しんでますよ。俺は。」


「そうか。それならよかった。」

電話口で大笑いしながら櫻井は、


「じゃ、また連絡する。」

「はい。よろしくお願いします。」



電話を切ってから、一人考え込む隼人。


「まさか…な…。」

櫻井さんとの会話が、頭の中に流れる…。


「俺も、気をつけないと…だな。」

と呟きながら、いつのまにか、睡魔に襲われ眠っていた…。


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