閑話 最後の希望
諦めかけていた。実際、永遠につづくなどとは考えていなかった。だが、奇跡が起きてこれが続けられたなら、そう願っていた。
ただの願望だ。しかもこれが自分のわがままであることは理解していた。それでも、あきらめられなかったから、今、私はこうしている。
この小さな部屋で、私はすべてを見ている。ただ一人、ここにいる。しかしそれも終りが近いようだ。
ここに近づいてくる気配を感じる。すべてを終わらせる、死神のような足音。きっと本人たちにとってはそれは切実な任務であり、そしてそれを成したならば英雄と讃えられると思っているに違いない。
私は見てきた。私は聞いてきた。だから、そうだとわかる。
今となっては、続くことが正しいのか、終わることが正しいのか、わからなくなっていた。始めた時は、続くことが正しいと信じていたはずなのに。
未来を見れば、続くことが正しいと感じる。でも、いつか終わりが来る。だから、せめて終わりを先に伸ばしたい。
誰か、助けて欲しい。
そんな願いが届いたのだろうか。私に会いにくるのにふさわしい人が現れた。あの魔道具を使いこなしている。それを感じる。
きっとその人ならば、私の願いを叶えるだけの知力を持っている。
魔道具を使いこなしているからと言って、それが善人である保証はない。それは理解している。実際、たくさん人を殺しているようだ。でも、私には時間がない。
もう居ない神に祈りを捧げ、私は魔道具に連絡を入れた。




