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考察と勘当

 神器を見てからと言うもの、僕の興味は完全にそちらへと移ってしまった。学院の勉強は落第しない程度にとどめ、神器をペンダントの機能で調べることに毎日を費やしている。

 神話において、神は魔王を倒した後に姿を消した。力を使い果たして天界に帰ったとも、この地を人に与えて次なる場所へと向かったのだとも、いろいろ言われている。

 神はこの地を去る前に、新たな脅威の登場に備えて神器を人に与えた。神話の時代においては使えたらしいその神器も、今ではこの国に祀られるだけの存在だ。まあ、神から王としての地位を与えられた、とかそういう王権神授説の理由付けの役には立っている。


 神話によると、昔は使えたという神器。人の心が神から離れたから使えなくなった、とか神官たちは言っているけど、僕の私見ではそうではないと思うのだ。だってあれ、難しすぎるよ。いくら昔の人が偉大でも、あのパターンに添って魔力を流すとか無理です絶対に。

 神器は確かに物凄い効果を持っている。物凄い威力を出すために、魔力を添わせる部分の装飾が異様に複雑になっているのだろう。

 そうなると、威力はしょぼいけど僕にも簡単に使える魔道具って、どうやって作られたのだろうか。いくら威力がしょぼいとはいえ、あまりに簡単に(あくまで僕視点だよ)使えるというのは、すごく不思議に思うのだ。神器と魔道具には、どんな違いがあるのだろう。

 そして神器は奇跡のような効果を持つ。それは貴族たちの使う魔法と、どんな関係なのだろう。人間も鍛えればあるいは、神器に匹敵する魔法が使えるようになるのだろうか。

 魔法と魔道具と神器の存在するこの世界、僕の前世と全く違うこれらはどうやって奇跡を起こしているのだろう。


 そのようなことをつらつらと考えながら日々を過ごしていると、もう少しで1年経とうというところで、父から手紙が来た。

 無心の手紙を数回出して、何の返事ももらえなかったのでもう諦めていたのだが、まさか今になってお金を送ってきたのだろうか。それにしては随分と綺麗な封筒に、蝋で封までしているが。

 さっそく手紙を読む。そこにはお金ではないが、ある程度は予想していたことが書かれていた。


 勘当である。

 なんでも魔法が使えないとはいえ、貴族という高貴な身分でありながら下賤な者たちが集う冒険者になどなったというのは、貴族にあるまじき行為だそうで、我が家に泥を塗る行為だそうだ。

 学院を卒業するまでの金は払ってやるが、今この時を持って僕はフォート家とは何の関係もない、ただのジャックだそうだ。


 学院まで追い出されなかったのは不幸中の幸いだ。神器を触るには学院の生徒でなくちゃいけないからね。おそらくは祖父の肝いりである僕をあまりに邪険にしすぎるのは不味い、という判断なのだろう。

 それにしてもお金がなくちゃご飯も食べられないような寮に入れておいて、お金を渡さないとか殺意高いなぁ、父上は。

 ま、これで晴れて僕は一人になれたわけだ。それでは、僕もやることやっときましょうかね。


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