邂逅、お祭り攻撃
駅の屋上が吹っ飛んだ。
何を言ってるんだお前はと思われるが、本当のことだから仕方ない。
こんな語ってる暇はないので、急いで俺は駅に走った。
「ルアさん、お逃げを。ライブは中止です。」
「あ、ありがとうございます。皆さん、逃げてください!」
「ルーたんのライブ、終わり?ねぇ、終わり!?ちょっと!え?終わり!?クソ!これも全てアイツのせいだ!」
山並は飛んでるグライダーにありったけの罵声を放った。勿論、言い終わった瞬間に爆弾が飛んできて、辺りが吹っ飛んだ。
ライブ方面が吹っ飛んだぞ!山並、惜しい男を亡くしたな………
「生きとるわボケ!勝手に殺すな!」
チッ。生きてたか。
「それはそうと、まさか本当に来るとはな!って危ねぇ」
もう辺りがドカドカ爆発している。
グライダーに乗ったボマーが両手に付ける武器から爆弾を発射しているのだ。
「アイツがボマーだ!とっとと捕まえるぞ!」
なら、何処に行けば手錠をかけられるか。
「駅の屋上だ!とにかく高いところ!」
「把握!おい、あれを出せ!」
高いところに登るなら、あれしかないな。
「「手錠銃!!」」
同時に打った弾が瞬く間に手錠にかわり、爆発で倒れた駅の鉄骨に引っかかった。
「翔べ!」
「応!」
俺達は駅の屋上に鉄骨を伝いながら登っていく。
「お前ら仲いいだろ。」
下で避難活動をしていた他の面子の声が聞こえた気がするが、断じてそんな事はない。そんな事を思っていると、山並が大きい声で叫んだ。
「沖田くん、後ろ!」
慌てて振り向くと、後ろからグライダーがもう、すぐ後ろまで来ていた。
屈まなければ完全に腰から上が無くなっていた。
「サンキュー、山並!それじゃあ、グライダーに手錠銃を……」
グライダーに誰も乗ってねぇ!
「こっちだよ、馬鹿。」
沖田は後ろから急にぶん殴られた。腕についてる装置の重さでかなり痛い。
「待て!凶悪犯!」
山並が慌てて手錠銃を撃った。が、ボマーは首を軽く傾けてそれを避け、かわされた弾は壁にぶつかり、力なく落下していった。
しかし、殴られたくらいで沖田は倒れない。ボマーの腕を掴み、手錠銃を向ける。
「警察でみんな呼んでるぜ!?連続爆弾犯のボマーってなぁ!?」
「へぇ、中々に気に入った。それじゃ、爆弾犯は爆弾犯らしく。」
そう言うとボマーは足元に爆弾を射出した。
「ドーンと言っとこうぜ、お巡りさんよ!」
「返却します!!」
沖田は手で爆弾をつかみ、遠くに向かってぶん投げた。
投げられた爆弾は、空中で盛大に爆散。
ってやべぇ!手を離しちまった!
ボマーの方を向くと、グライダーを呼び、すでに宙へ舞う途中だった。
「どこでここに来るって分かったか知らないけど、空までは来れないよね。」
そう言うと、ジェットを吹かして、グライダーは空へ飛び上がった。
「アハハハッ!爆ぜろ爆ぜろ!花火大会の始まりだ!」
「お開き願おうか!」
山並が手錠銃をグライダーに引っ掛けて、全力で引っ張った。
「おっと、そうはさせねぇよ。」
ボマーは両腕の装置で再び爆弾を射出した。しかも、今度はもっと強力なやつだ。
「ッ!沖田任した!」
山並は爆弾を掻い潜り、手錠銃のワイヤーを巻いてグライダーに飛び移った。
あの野郎!無茶いいやがって!
沖田は警棒を取り出し、爆弾を空中に打ちまくる。
「危な!」
どうやら一発ボマーの方に飛んでったらしい。
「この野郎、しぶとい奴だ。なら、これはどう?」
ボマーはグライダーを高速で動かし、近くのビルに突っ込んだ。
「まさか!?」
グライダーは車体をビルに引きずりながら、貯めたスピードで空へ向かうが、山並の掛けた手錠銃を外すには十分だった。
山並が地面に向かって落下する。
「どこでもいい!当たれ!」
山並は手錠銃を辺りのビルに向かって撃ち、何とか命拾いした。
「じゃあね!お巡りさん!」
「まだ俺が残っでるぞー。」
ボマーが後ろを見ると、グライダーのエンジンの下に沖田がしがみついていた。
「お前!いつからそこに!」
「君が引きずり終わった時、手錠銃で♡」
「離れろ!」
ボマーが沖田の頭を蹴るが、沖田は全く動じずにエンジンの分解に取り掛かる。
「やめろ!そんな事したら、お前も落ちるぞ!」
「あれー?これバッテリー式じゃん。長時間動かす想定してないんかなー。」
「え?」
「え?」
「山並、今どのくらい経った?」
「さっきの爆破から、大体50分くらい。」
よく見ると、グライダーの操縦桿に残り%が表示されていた。
バッテリー残り残量 2%
燃費悪!?
充電式の乗り物って増えたなー。




