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卵が消える前に、国が終わる ――秀吉と天草四郎が見た、ホルムズ兵糧攻めと日本の茹でガエル―― (石油より先に「普通」がマジで切れる理由)

✦卵が消える前に、国が終わる


――秀吉と天草四郎が見た、

 ホルムズ兵糧攻めと

 日本の茹でガエル――


(石油より先に 

 「普通」がマジで

 切れる理由)


………


戦争ってさ、

爆音で始まるわけじゃない。


船が6隻引き返して、

飼料の砂時計が

チクタク進んで、


卵の棚が

ちょっと痩せた瞬間——


もうその城、

半分落ちてるんやで。


………


★目次


■第一章 

 わしの頭に秀吉が現れた


■第二章 

 ホルムズ海峡は、

 現代の高松城の堤じゃ 


■第三章 

 石油は金蔵、飼料は兵糧米  


■第四章 

 四十五日目の砂時計


■第五章 

 革◯防衛隊は

 何を見落としたのか 


■第六章 

 最後の宴


■第七章 

 交渉いうんは、

 開城勧告の延長戦


■第八章 

 秀吉はなぜ

 勝ちやすかったのか


■第九章 

 天草四郎、

 原城から出てくる


■第十章 

 日本はもう、

 城の外におらん


■第十一章 

 タイは祭りを縮め、

 日本は旅行に出る


■第十二章 

 豪州は

 「まず自分のガス」 

 と言い始めた


■第十三章 

 それでも、

 戦争に勝者はおらん


★あとがき 

 ホームズとワトソンの

 やすきよ漫才


❥最後に 

 Z世代の若い読者へ 


………


■第一章  

 わしの頭に秀吉が現れた


わし、六十七歳。

元証券マンのおじいちゃんや。


朝コーヒー飲みながら

ニュース流してたら、


ホルムズ海峡、

備蓄放出、

交渉再開……って

単語が並んでて。


一番鳥肌立ったんは、

封鎖初日の24時間で

商船6隻がUターンしたって

数字やった。


一万人超の兵力、

十数隻の艦艇、

数十機の戦闘機。


株の暴落なんかより、

こっちの方が

ガツンと腹にくる。


「これ、

 石油の話ちゃう

 ……兵糧攻めやんけ」


つぶやいた瞬間、

コーヒーの湯気の中から

猿みたいな顔の男が

ヌッと出てきた。


「ようやく気づいたか」


「誰やねん、お前」


「羽柴筑前守秀吉や。

 バカか。

 これは油の話やない。

 兵糧の話や」


わし、

マグカップ持ったまま固まった。


血圧計のピッピッには

慣れてるけど、

頭の中に秀吉が住み着くのは

マジで初めてや。


■第二章 

 ホルムズ海峡は、

 現代の高松城の堤じゃ


「なんで兵糧攻めなん?

 ホルムズって海やろ?」


秀吉、鼻で笑う。


「高松城知らんのか。

 城落とすのに

 壁ぶん殴る必要なんかねえ。

 水そのものを

 変えればええんや」


天正10年(1582年)。

備中高松城は低湿地の沼城。

鉄砲も騎馬も意味ない。


秀吉は正面突破を捨てて、

足守川を丸ごとせき止めた。


全長4km、高さ8m、

底幅24mのデカい堤防を、

地元民に


「土嚢1俵につき

 銭100文+米1升」


の破格報酬で

12日で完成させた。


梅雨の長雨と合わせて

城を水没。

兵糧断って、約1ヶ月で開城。


「昔は川を止めた。

 今は海を細らせる。

 道具が変わっただけや」


✲ホルムズ海峡

 =世界の石油2割

+LNG大量通過

 

これは、

現代の喉元全面封鎖じゃなく

「特定の国だけ圧かける」

だけで十分。


海そのものを兵器に変える

——まんま高松城の堤やん。


■第三章 

 石油は金蔵、飼料は兵糧米


「でも結局主役は石油やろ?

 イラ●って原油の国やし」


秀吉、呆れた顔。


「殿様が最初に

 気にするんは金蔵や。

 でも城をホンマに

 弱らせるんは兵糧米や」


ここで現実の数字が

ドカンと刺さる。


イラ●は2025年、

ブラジルからトウモロコシ

約900万トン輸入

(ブラジル総輸出の20~24%、

 同国最大の買い手)。


輸出全体の67.9%が

トウモロコシ、

19.3%が大豆。


大豆粕もほぼ全量が

養鶏・養豚の飼料に回ってる。


イラ●の鶏卵・鶏肉の

動物性タンパク質、

ほぼこれで支えられてるんや。


✲石油=金蔵。

✲飼料=兵糧米。


ニュースは原油で動く。

でも家庭のリアルは卵で動く。


「城落とすやつは、

 蔵の金より台所の米を

 先に見るんや」


■第四章 

 四十五日目の砂時計


わしはメモを見せた。


2月28日 戦争開始

4月8日 一時停戦

4月13日 港湾封鎖


イラ●の養鶏在庫、

通常60日分前後。


封鎖から45日目

——米蔵がガチで薄くなった

  タイミングや。


秀吉、ニヤッと笑う。


「兵糧攻めで一番タチ悪いんは、

 相手がまだ

 『平気やで』って顔しとる時に、

 こっちだけ残量

 知っとることや」


ブラジル発の穀物船に

転売圧力・契約キャンセル連発。

封鎖直後に「協議再開」観測。

全部筋通ってる。


Z世代、ちょっと想像してみ?

もしこの推理が現実になったら?


✲飼料ストップ

 →鶏の産卵率1週間で急落、

  ブロイラー成長止まる。


40日で卵市場半減、

鶏肉は一瞬だけ増えるけど

その後地獄。


国家はまだ

「石油備蓄あるで!」

って胸張れるのに、

朝飯の卵が消えるんやぞ。


■第五章 

 革◯防衛隊は

 何を見落としたのか


「そんな基本的なこと、

 強い組織が見落とすか?」


秀吉、真顔になる。


「城代ほど

 石垣と鉄砲ばっか数える。

 民があと何日食えるか、

 数えへん。

 それが最大の落とし穴や」


石油・ミサイル・

核・海峡閉鎖……


デカい単語ばっか

追いかけてる頭は、

ブラジル産大豆粕や養鶏在庫の

「細かい話」を軽視する。


イラ●は飼料依存度が 

エグいからこそ、


✲庶民の命綱=卵と鶏肉

が一番先に切れる。 


高松城も鳥取城も同じ。


相手が「ここ強い!」と

思ってるトコじゃなく、

見落としてる

弱いトコを締めるんや。


■第六章 最後の宴


「鶏って備蓄に

 めっちゃ弱いんよ」


わしが説明すると、

秀吉は静かに聞いてくれた。


餌止まった瞬間、

採卵鶏の産卵率は

数日~1週間で

ガクッと落ちる。


ブロイラー成長止まり、

種鶏までヤバくなったら

再起動に半年~1年かかる。


最初は農家が


「早めに出荷しよ」

 →市場に肉が一瞬だけ溢れて

  値段ちょっと下がる。 


でもそれ、

安心のサインちゃう。

最後の宴や。


鳥取城も同じ。

本気で飢える直前、

一瞬だけ「まだイケる顔」する。

その後が地獄。


スーパーの特売、

旅行のバーゲン、

イベントの盛り上がり……


破局の直前って、

みんな一度だけ

平気そうな顔するんや。


■第七章 

 交渉いうんは、

 開城勧告の延長戦


ヘッドラインは

「協議再開」

って流れる。


でも日程が妙に遅い。


「中はまだ持つフリ、

 外はまだ待てるフリ。 

 その綱引きが交渉や」


封鎖後すぐ

「再開観測」出るけど、

市場の安心と

港・保険・契約の回復は

全然別物。


時間が経てば経つほど

相手の米蔵は減る。


兵糧攻め側からしたら、

話し合いのドアは

完全に閉めへん方が

都合ええんや。


■第八章 

 秀吉はなぜ

 勝ちやすかったのか


「なんでお前、

 そんなに勝ちやすかったん?」


秀吉、指3本立てる。


「①正面から殴らん。

  環境ごと変える。

 ②時間を味方につける。

 ③相手の心が折れる順番を

  完璧に知っとる」


高松城は水と地形、

鳥取城は兵糧と包囲。


秀吉は敵のスマホ

ぶっ壊す天才ちゃう。


敵の充電器、Wi-Fi、

食料アプリ、

銀行アプリを全部

静かに止める天才や。


今の逆封鎖を読む鍵も、

まさにここや。


■第九章 

 天草四郎、原城から出てくる


部屋の隅が急に冷たくなった。

秀吉とは違う、静かな気配。


振り向くと、

若い少年が立ってた。

目だけが、妙に遠い。


「わたしは天草四郎時貞」


寛永14年(1637)、

島原・天草一揆。

女子供含めて約3万7千人が

原城に籠城。

幕府軍12万超。


松平信綱は兵糧攻めを選択。

4ヶ月間。

籠城側は海藻かじって

飢え凌いだ。


✲最初は

「まだ何とかなる」。


✲次に

「きっと助け(ポルトガル船)

 が来る」。


✲その次に

「今日だけ耐えればいい」。


✲最後は……

 誰も大声出さなくなる。


四郎、静かに言う。


「囲まれる側は、

 希望→祈り→沈黙

 の順で壊れていく。

 イラ●も、日本も、

 同じ道を歩むかもな」


■第十章 

 日本はもう、城の外におらん


「イラ●は兵糧攻めやけど、

 日本はどうなん?」


秀吉、俺の顔をじっと見つめる。


「バカか。次はお前の番やぞ」


日本、

原油の95%を中東に依存、

その7割がホルムズ通過。

LNGも同じ。


政府は5月から

追加20日分の石油備蓄放出

(総備蓄143日分超だけど、

 すでに一部使ってる)。


「日本は

 囲まれてないように見えて、

 実はもう城の外におらん」


Z世代、想像してみ。


✲60日超えたらLNG高騰

 →夏の電力ヤバい

 →輸送費爆上げ

 →食料連鎖値上げ


イラ●の卵が消えた次は、

日本でガソリンと電気と

卵が同時に細るんや。


■第十一章 

 タイは祭りを縮め、

 日本は旅行に出る


タイ、

ソンクラーン祭りの

支出が前年比3.7%減。

水鉄砲の売れ行きガクッ。


日本、

GW海外旅行者57.2万人、

前年比8.5%増。


天草四郎が先に答えた。


「囲まれる側ほど、

 最後まで

 『いつもの日常』

 を必死に

 演じようとするんや」


外では祭りが縮み、

生活が先に悲鳴上げてる。


なのに日本はまだ

旅行広告がキラキラしてる。


この落差が、

茹でガエルの本質や。


■第十二章 

 豪州は「まず自分のガス」

 と言い始めた


オーストラリア、

輸出LNGに

国内供給15~25%を

義務づける

ガス留保策が

ガンガン進んでる。


州レベルで「まず自国優先」。


日本の経産相が

3月に増産要請した直後の動きや。


秀吉、即答。


「当たり前や。

 兵糧攻めの最中に、

 自分の城の米を

 先に守るんは当然やろ」


✲資源国=有事は「まず自分」

✲輸入国=「何とか分けて 

     もらえるやろ」


この差が、

もう兵糧攻めの始まりや。


■第十三章 

 それでも、戦争に勝者はおらん


秀吉型は確かに勝ちやすい。

生存条件をいじる側が

圧倒的に有利。


でもその勝ちは、

世界全体を痩せさせる。


わし、聞いた。


「お前、天下取ったやん。

 でもその後ずっと

 勝者やったか?」


秀吉、しばらく黙って。


「天下を取る頭と、

 天下を長く守る頭は、

 必ずしも同じちゃう」


コーヒーが急に苦くなった。


勝ちやすい戦争はある。

でもみんなが痩せる勝ち方なら、

本当の勝者なんかおらん。


………


★あとがき 

 ホームズとワトソンの

 やすきよ漫才


✲ワトソン


先生、

今回のタイトル、

だいぶクリックしたく 

なりますな。

卵が消える前に国が終わる、

て。


✲ホームズ


現代人は原油価格より、

卵の棚で初めて

世界史を理解するからね。


✲ワトソン


いやな理解の仕方ですわ。


✲ホームズ


しかも今回は二人出てきた。

秀吉が

「どう締めるか」を語り、

天草四郎が

「締められる側は

 どう痩せるか」を語る。

立体感が出る。


✲ワトソン


ほんで日本人は、

まだ旅行に出る。


✲ホームズ


そこが喜劇であり悲劇だ。

タイは祭りを縮め、

豪州はガスを囲い、

日本はまだ平気な顔をする。

このズレが、いちばん怖い。


✲ワトソン 


先生、最後に一言で言うと?


✲ホームズ


爆発音の前に、

“普通”が一つずつ消え始めたら、

それはもう兵糧攻めだ。


✲ワトソン


うわ、いややなあ。


✲ホームズ


いやな話ほど、

後で当たるから困るんだよ。


………


❥最後に 

 Z世代の若い読者へ


この話で一番見てほしいんは、

派手な爆発動画やない。


時間軸や。


イラ●では——


✲飼料止まる

 →卵減る

 →鶏肉細る

 →交渉遅れる

 →庶民ざわつく。


日本では——


✲原油細る

 →LNG揺れる

 →備蓄吐き出す 

 →それでも旅行行く。


秀吉がヤバかったのは、

相手の

「一番先に弱るトコ」

を完璧に知ってたこと。


天草四郎が怖いのは、

囲まれる側の

「人間の哀れ」

をそのまま

見せてくれること。


Z世代の君よ、


もし

この推理が現実になったら?


卵の棚が空になる前に、

国は本当に終わるんか?


爆発音より先に、

在庫と値札と時間の流れを

見てくれ。


「まだ明るいから大丈夫」

って顔してる大人より、


その明るさの下で

「何がもう痩せ始めてるか」

まで見える人間になってくれ。


それが、

これからの時代のマジの教養や。

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