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『AIで儲かると言った人たちは、もう出口にいた』 ――株が下がった夜、「絶対儲かる」の嘘がバレ始めた――

✦『AIで儲かると言った人たちは、

  もう出口にいた』


――株が下がった夜、

 「絶対儲かる」の嘘がバレ始めた――


………


未来は来た。


AIも来た。


半導体も来た。


キャッシュレスも来た。


サーバー投資も来た。


でも、その未来で

儲かると言っていた人たちは、

もう出口にいた。


ベインはキオクシアを売った。


外国人投資家は韓国株を売った。


怪しいサーバー投資は止まった。


カード決済会社は破産した。


店主はレシートだけ握っていた。


若者はスマホの赤い株価を見ていた。


そして、ニュースは言った。


「これは一時的な調整です」


だが、祖父は思った。


違う。


これは調整ではない。


高すぎた未来の値札が、

はがれ始めた音だ。


………


★目次


■第1章

 レシートはあるのに、

 金が来ない


■第2章

 全東信、

 負債1259億円の衝撃


■第3章

 20万店の売上が

 止まるかもしれない夜


■第4章

 クリアースカイ、

 サーバーは本当にあったのか


■第5章

 5000人、250億円、

 未来を信じた人たち


■第6章

 韓国株、

 AI半導体バブルの赤信号


■第7章

 SamsungとSK hynixが

 崩れた日


■第8章

 キオクシアでベイン

 が出口に立った


■第9章

 半導体は宝石ではない、

 作りすぎれば在庫だ


■第10章

 OpenAIも、

 夢だけでは電気代を払えない


■第11章

 円安に賭けすぎた人たちの

 逃げ道


■第12章

 Metaは

 子どもの時間を食べたのか


■第13章

 イーロンの名前で

 未来を売る人たち


■第14章

 株が下がると、

 嘘がバレる


■第15章

 最後に残るのは、

 いつも普通の人だった


………


★最初に知っておくリアルな数字


全東信。

負債約1259億円。


加盟店。

2018年時点で約20万店。


クリアースカイ。

被害者約5000人、

被害額約250億円規模の可能性。


韓国KOSPI。

高値から20%超下落し、

弱気相場入り。


Samsung Electronics。

一日で6.3%下落。


SK hynix。

一日で5.7%下落。


キオクシア。

2018年にベイン主導連合が

約2兆円で買収。


OpenAI。

評価額は

数千億ドル規模まで膨らんだ。


Meta。

若者依存をめぐり、

米国の州政府から巨額請求。


円ショート。

円安が続くと信じた投資家の

賭けが積み上がっている。


これは、

バラバラの事件ではない。


全部、同じ時代の事件だ。


「未来で儲かる」


この言葉で集まった金が、

逆回転し始めた。


………


■第1章

 レシートはあるのに、

 金が来ない


「客は払ったんじゃ!」


店主は、

カード端末のレシートを

握りしめていた。


「料理も出した。

 酒も出した。

 カードも通った。

 レシートも出た。

 なのに、

 なんで口座に

 金が入らんのじゃ!」


小さな居酒屋のカウンターに、

テレビの音だけが響いていた。


ニュースは、

落ち着いた声で言った。


クレジットカード決済代行会社、

全東信が破産。


負債総額、約1259億円。


加盟店への売上代金が

回収困難になるおそれ。


「おじいちゃん」


ゆづきが

スマホを見ながら言った。


「これ、

 銀行強盗より怖くない?」


「なんでそう思う?」


「だって、

 強盗なら盗まれたって

 分かるじゃん。


 でもこれは、

 払ったことになってるのに、

 届いてないんでしょ」


その通りだった。


客は払った。


店は料理を出した。


レシートも出た。


だが、金は届かなかった。


現金が盗まれたわけではない。


レジが壊れたわけでもない。


カード決済の

途中にいた会社が倒れた。


それだけで、

店の売上は空中で止まった。


店主は悪くない。


客も悪くない。


それなのに、

店が潰れるかもしれない。


これが、

キャッシュレス時代の怖さだった。


………


■第2章

 全東信、負債1259億円の衝撃


全東信。


名前だけ聞けば、

普通の地方会社に見える。


だが、 

やっていたことは小さくなかった。


飲食店などのカード売上を、

通常より早く店に届ける。


その代わり、手数料を取る。


店にとっては助かる。


カード会社にとっても便利。


銀行にとっても、

資金が回っているように見える。


だが、

本当に金が足りていたのか。


預かった金と、

自分の会社の金は、

きちんと分けられていたのか。


加盟店に払うべき金は、

ちゃんと残っていたのか。


破産してから、

そこが問題になった。


ゆづきが聞いた。


「1259億円って、

 どれくらい大きいの?」


「小さな町が

 丸ごと吹き飛ぶくらいじゃ」


「そんな会社が、

 なんで今まで普通に動いてたの?」


「そこが怖いんじゃ」


粉飾。


未払い。


預かり金。


早期入金。


決済代行。


言葉は難しい。


でも、

起きたことは簡単だった。


店の売上が、

店に届かなかった。


………


■第3章

 20万店の売上が

 止まるかもしれない夜


全東信の加盟店は、

過去には約20万店とも報じられていた。


もちろん、

全部が同じ被害を

受けたわけではない。


だが、

一部の飲食店にとっては、

それで十分だった。


カード売上の一週間分。


それだけで、

家賃が払えなくなる。


酒屋への支払いが止まる。


肉屋への支払いが止まる。


アルバイトの給料が遅れる。


「店って、

 そんなにギリギリなの?」


ゆづきが聞いた。


「ギリギリじゃ。特に個人店はな」


「一週間お金が入らないだけで?」


「一週間どころか、

 三日でもきつい店はある」


店主は、

レシートの束を見つめていた。


紙には、

売上が印字されていた。


だが、

通帳には印字されていなかった。


「これ、

 誰が払ってくれるんじゃ」


店主の声は、

怒りというより、

震えに近かった。


ニュースでは、専門家が言っていた。


法的整理。


破産財団。


一般債権。


回収困難。


だが店主に必要なのは、

専門用語ではなかった。


明日の仕入れ代だった。


………


■第4章

 クリアースカイ、

 サーバーは本当にあったのか


その夜、

もう一つのニュースが

スマホに流れてきた。


クリアースカイ。


サーバー投資トラブル。


被害者約5000人。


被害額約250億円規模の可能性。


「サーバーを買えば儲かる」


そう説明された人たちがいた。


会社がそのサーバーを貸し出す。


利益を出す。


数カ月後に

利回りをつけて買い戻す。


「おじいちゃん、

 これ、投資なの?」


ゆづきが聞いた。


「本物なら投資じゃ」


「じゃあ、偽物なら?」


「集金じゃ」


AI時代。


サーバー不足。


データセンター。


国の事業。


分散型。


Web3。


言葉は未来っぽかった。


だが、問題はそこではない。


本当にサーバーはあったのか。


本当に貸し出していたのか。


本当に利益は出ていたのか。


それとも、

新しく入ってきた金で、

前の人に払っていただけなのか。


ポンジスキームは、

いつも同じ顔をしている。


最初は払う。


だから信用される。


信用されたら、

人が増える。


人が増えたら、

金も増える。


金が増えたら、

もっと信用される。


そして、

新しい金が止まった瞬間、

全部が止まる。


………


■第5章

 5000人、250億円、

 未来を信じた人たち


被害者は、欲深い人だけではない。


むしろ、

まじめな人ほど引っかかる。


老後が不安な人。


給料だけでは足りない人。


子どもの教育費が心配な人。


銀行預金では増えないと思った人。


時代に乗り遅れたくなかった人。


「AI時代です」


「サーバー需要は伸びます」


「実物があります」


「数カ月後に買い戻します」


こう言われると、人は安心する。


ゆづきが言った。


「実物があるって言われたら、

 信じちゃうかも」


「そこが罠なんじゃ」


「なんで?」


「実物があることと、

 儲かることは別じゃから」


サーバーは実物だ。


でも、電気代がかかる。


冷却費がかかる。


古くなる。


壊れる。


借り手がいなければ、ただの箱だ。


半導体も同じだ。


データセンターも同じだ。


実物は、安心材料にもなる。


だが、重荷にもなる。


………


■第6章

 韓国株、

 AI半導体バブルの赤信号


数日後、韓国株が崩れた。


KOSPIは高値から20%超下落。


弱気相場入り。


一日で5%を超える急落。


Samsungは6.3%安。


SK hynixは5.7%安。


ニュースの赤い数字が、

スマホに並んだ。


「韓国が危ないの?」


ゆづきが聞いた。


「韓国全部が危ないわけではない」


「じゃあ何が危ないの?」


「AI半導体に、

 みんなが乗りすぎたんじゃ」


SK hynixは、

AIに必要な高性能メモリーで

注目された。


Samsungも、

AIメモリーで期待された。


韓国市場全体が、

AI半導体の祭りになった。


だが、祭りはいつか終わる。


太鼓が鳴っているうちは、

人は踊る。


でも、プロは太鼓の音より、

出口を見る。


外国人投資家は売った。


個人投資家は買った。


そして、指数は崩れた。


「最後に買うのは誰?」


ゆづきが聞いた。


「たいてい、

 ニュースを見てから来た人じゃ」


………


■第7章

 SamsungとSK hynixが

 崩れた日


SamsungとSK hynixは、

韓国を代表する会社だ。


ただの株ではない。


韓国経済の顔だ。


AI時代の主役だ。


そう思われていた。


だが、 

その主役が一日で大きく売られた。


理由は単純だった。


AI需要は本物かもしれない。


でも、

株価が本物以上に

上がりすぎたかもしれない。


「すごい会社でも、

 株は下がるの?」


ゆづきが聞いた。


「下がる」


「なんで?」


「株は会社の今ではなく、

 未来の期待で動くからじゃ」


期待が高すぎると、

良い決算でも売られる。


期待が高すぎると、

少しの不安で崩れる。


期待が高すぎると、

成功しても足りない。


それが株だ。


AI半導体は必要だ。


でも、必要なものが全部、

今の株価を

正当化するとは限らない。


ここを間違えると、

未来を信じた人から負けていく。


………


■第8章

 キオクシアで

 ベインが出口に立った


日本では、

キオクシアが注目されていた。


NANDメモリー。


AI推論。


データセンター。


SSD。


AI時代に必要な記憶装置。


株価は大きく上がった。


だが、

その熱狂の中で、

ベインが売った。


ベインは2018年、

東芝メモリだったキオクシアを、

約2兆円で買収した

企業連合の中心だった。


つまり、

外から少し見ただけの

投資家ではない。


中身を長く見てきたプロだ。


そのプロが、株を売った。


「これって、

 逃げたってこと?」


ゆづきが聞いた。


「逃げたと言うと強すぎる」


「じゃあ何?」


「利益を確定したんじゃ」


「でも、

 未来が明るいなら

 持っていればいいじゃん」


「プロは、

 未来が明るい時にも売る」


「なんで?」


「みんなが明るいと言っている時が、

 一番高く売れるからじゃ」


プロは夢を見ない。


プロは出口を見る。


AIの未来が語られている時、

プロは現金化していた。


それは、

相場の終盤によくある風景だった。


………


■第9章

 半導体は宝石ではない、

 作りすぎれば在庫だ


半導体は、

不足すると宝石に見える。


足りない。


もっと欲しい。


高くても買う。


銀行は金を貸す。


国は補助金を出す。


会社は工場を建てる。


投資家は株を買う。


だが、

工場が完成するのは、

すぐではない。


一年後。


二年後。


三年後。


その時にも、

まだ足りないとは限らない。


「米と同じじゃ」


僕は言った。


「米?」


「去年高かったから、

 みんなが田んぼを増やす。

 次の年に豊作になったら、

 今度は余る」


「半導体も米なの?」


「もっと高い米じゃ」


「どれくらい?」


「田んぼを作るのに、

 何兆円もかかる米じゃ」


ゆづきが笑った。


でも、すぐ真顔になった。


「じゃあ、

 余ったら大変じゃん」


「大変じゃ」


半導体工場は止めにくい。


止めても借金は残る。


人件費も残る。


減価償却も残る。


だから、

値段が下がっても作り続ける。


そして、

さらに値段が下がる。


宝石は、

在庫に変わる。


在庫は、

赤字に変わる。


赤字は、

リストラに変わる。


リストラは、

町の不景気に変わる。


………


■第10章

 OpenAIも、

 夢だけでは電気代を払えない

 

AIはすごい。


文章を書く。


絵を作る。


プログラムを書く。


翻訳する。


調査する。


会話する。


だが、AIは魔法ではない。


GPUがいる。


データセンターがいる。


電気がいる。


冷却がいる。


技術者がいる。


安全対策がいる。


そして、金がいる。


「AIって、

 無料で答えてくれる

 感じがするけど」


ゆづきが言った。


「利用者にはそう見える」


「本当は?」


「裏では、

 電気代が燃えとる」


AI企業は未来を売っている。


だが、請求書は現在に来る。


投資家は未来を見る。


銀行は返済日を見る。


電力会社は使用量を見る。


データセンターは空き容量を見る。


もし、

AIサービスの価格が下がる。


もし、

企業が思ったほど金を払わない。


もし、

オープンモデルが安く使える。


もし、

GPU投資の回収が遅れる。


その時、

夢は消えない。


でも、

借金は残る。


知能は軽くなる。


だが、

ビルと発電所と借金は重いままだ。


………


■第11章

 円安に賭けすぎた人たちの

 逃げ道


円は弱い。


そう言われ続けた。


日本は人口が減る。


金利は低い。


輸入品は高い。


だから円は売られる。


投資家は円を売る。


ヘッジファンドも円を売る。


円安に賭ける。


「みんなが同じ方に賭けたら、

 どうなるの?」


ゆづきが聞いた。


「最初は儲かる」


「その後は?」


「出口が狭くなる」


韓国株が崩れる。


半導体株が崩れる。


AI株が崩れる。


投資家が怖くなる。


その時、

売りすぎた円は買い戻される。


円高は、

日本が急に強くなったから

起きるとは限らない。


円を売りすぎた人が、

怖くなって逃げるから

起きることもある。


「円って、

 弱いのに強くなるの?」


「弱いと思われすぎたものは、

 時々、強くなるんじゃ」


相場は、

正しさではなく、

混み具合で壊れる。


………


■第12章

 Metaは

 子どもの時間を食べたのか


米国では、

Metaが訴えられていた。


InstagramやFacebookが、

十代の若者を依存させるように

作られていたのではないか。


州政府が

巨額の支払いを求めている。


「SNSって、悪いの?」


ゆづきが聞いた。


「悪いだけではない。

 友達ともつながれる。

 情報も得られる」


「じゃあ、何が問題なの?」


「やめられなくなるように

 作られていたら、

 問題じゃ」


無限スクロール。


通知。


おすすめ動画。


いいね。


コメント。


人は自分で選んでいると思う。


だが、

画面の向こうでは、

人間の注意を奪う仕組みが

作られている。


無料のアプリは、

本当に無料なのか。


金を払っていないなら、

払っているのは

時間かもしれない。


眠りかもしれない。


心かもしれない。


子どもの不安かもしれない。


「怖いね」


「怖い。

 でも使わないわけにもいかん」


それが、

今の若者の苦しさだった。


………


■第13章

 イーロンの名前で

 未来を売る人たち


イーロン・マスクが

言ったらしい。


三年後、

大学の学位は紙くずになる。


二〇三〇年、

日本は世界一の経済大国になる。


ロボットが人間を超える。


お金の意味がなくなる。


「本当に言ったの?」


ゆづきが聞いた。


「分からん。

 言っていない可能性が

 高いものもある」


「じゃあ、

 なんで広がるの?」


「みんな、

 未来が怖いからじゃ」


有名人の名前がつくと、

未来は本当らしく見える。


イーロンが言った。


AI研究者が言った。


投資家が言った。


政府が言った。


そう言われると、人は安心する。


でも、本当に大事なのは、

誰が言ったかではない。


その未来で、誰が儲かるのか。


誰が損をするのか。


誰が出口にいるのか。


そこを見ることだ。


「イーロンが言ったから買う」は、

投資ではない。


「国策だから買う」も、

投資ではない。


「みんなが買っているから買う」も、

投資ではない。


それは、

遅れて祭りに行くことだ。


祭りの最後に残るのは、

太鼓ではない。


請求書だ。


………


■第14章

 株が下がると、

 嘘がバレる


バブルの時、

嘘は見えにくい。


なぜなら、

最初は払われるからだ。


配当が出る。


利回りが出る。


紹介料が出る。


株価が上がる。


ニュースがほめる。


SNSが盛り上がる。


だから人は信じる。


だが、株が下がる。


新しい金が入らなくなる。


売りたい人が増える。


返金を求める人が増える。


その時、嘘が見える。


本当に

サーバーはあったのか。


本当に

運用益はあったのか。


本当に

預かり金は残っていたのか。


本当に

AI投資は回収できるのか。


本当に

半導体は足り続けるのか。


本当に

円安は永遠なのか。


「株が下がると、

 全部バレるんだね…」


ゆづきが言った。


「そうじゃ」


「なんで?」


「金が回っている時は、

 誰も床下を見ないからじゃ」


床下には、

腐った柱があった。


でも、

宴会場の照明が明るいうちは、

誰も気づかなかった。


音楽が止まった時、

床が抜けた。


………


■第15章

 最後に残るのは、

 いつも普通の人だった


プロは売る。


外国人投資家は売る。


大株主は売る。


銀行は調べ始める。


金融庁は動き始める。


弁護士は告訴を準備する。


マスコミは特集を組む。


だが、

いつも遅れて気づく人たちがいる。


個人投資家。


小さな店。


若者。


老後資金を増やしたかった人。


新しい時代に乗り遅れたくなかった人。


「最後に残るのは、

 悪い人じゃないんだね」


ゆづきが言った。


「そうじゃ。

 むしろ、

 信じた人が残る」


AIは本物だった。


半導体も本物だった。


キャッシュレスも本物だった。


ロボットも本物だった。


でも、

本物の周りには、

必ず偽物が集まる。


本物の光が強いほど、

偽物の影も濃くなる。


ゆづきは、

レシートを握った店主を見た。


紙には、

金額が印字されていた。


でも、

その金は、

まだ店に届いていなかった。


「お金って、

 届かないと意味がないんだね」


「そうじゃ」


「未来も?」


「未来もじゃ」


未来は、

来るだけでは足りない。


ちゃんと、

人間のところまで

届かなければならない。


………


❥Z世代のあなたへ


AIはすごい。


これは本当です。


半導体も必要です。


これも本当です。


キャッシュレスも便利です。


これも本当です。


でも、

ここを間違えないでください。


本物の未来ほど、

それを利用して

金を集める人が出てきます。


「AIだから儲かる」


「サーバーだから安心」


「半導体は国策だから上がる」


「大株主がいるから大丈夫」


「有名人が言っていた」


「最初はちゃんと返金された」


この言葉が並んだら、

止まってください。


大事なのは三つです。


その利益は、

どこから出るのか。


そのお金は、

誰が払うのか。


最後に損をするのは、

誰なのか。


これだけです。


未来を怖がる必要はありません。


でも、

未来を売りつけてくる人には

注意してください。


未来は買うものではありません。


自分で使うものです。


AIを使う。


調べる。


書く。


作る。


学ぶ。


発信する。


それでいい。


未来に飲まれる側ではなく、

未来を使う側に立ってください。


………


★あとがき

 ホームズとワトソンの、

 やすきよ漫才風


ワトソン

「ホームズさん、

 AIは賢いんでしょ?」


ホームズ

「賢いよ」


ワトソン

「じゃあ、

 なんでAI会社は

 赤字になるんです?」


ホームズ

「AIは賢い。

 でも電気代の請求書は、

 もっと賢いんだ」


ワトソン

「ほな、半導体は宝石でっか?」


ホームズ

「足りない時は宝石だ」


ワトソン

「余ったら?」


ホームズ

「在庫だ」


ワトソン

「宝石が在庫になるんですか」


ホームズ

「市場というのは、

 昨日までの女神を、

 今日は段ボールに詰めるんだよ」


ワトソン

「カード決済は

 便利でっしゃろ?」


ホームズ

「便利だ」


ワトソン

「ほな、

 なんで店に金が入らんのです?」


ホームズ

「便利すぎて、

 金がどこを通っているか

 誰も見なくなったからだ」


ワトソン

「レシートは出たのに、

 金が来ない」


ホームズ

「現代の怪談だね」


ワトソン

「サーバーを買えば

 儲かると言われたら?」


ホームズ

「まず、

 そのサーバーを見せてもらえ」


ワトソン

「AIで儲かると言われたら?」


ホームズ

「誰が電気代を払っているか

 聞きたまえ」


ワトソン

「半導体は

 国策だから上がると言われたら?」


ホームズ

「誰がもう売ったか

 調べたまえ」


ワトソン

「イーロンが言ったと言われたら?」


ホームズ

「本当に言ったか調べたまえ」


ワトソン

「忙しいなあ」


ホームズ

「投資とは、忙しいものだよ」


ワトソン

「わし、

 楽して儲けたいんです」


ホームズ

「その一言を聞いた瞬間、

 詐欺師は拍手している」


ワトソン

「ほな、

 どうしたらええんです?」


ホームズ

「簡単だ」


ワトソン

「お、名探偵の答えや」


ホームズ

「未来を見るな。出口を見ろ」


ワトソン

「出口?」


ホームズ

「誰が売ったか。

 誰が買わされているか。

 誰が最後に残るか」


ワトソン

「なるほど」


ホームズ

「レシートを見るな。

 口座を見ろ」


ワトソン

「うまい」


ホームズ

「ニュースの夢を見るな。

 金の流れを見ろ」


ワトソン

「もっと、うまい」


ホームズ

「そして、

 金持ちが出口に並んでいたら?」


ワトソン

「わしは入口で並ばん!」


ホームズ

「やっと学んだね、

 ワトソン君」


ワトソン

「でも半額弁当なら並びます」


ホームズ

「それは投資ではなく、

 晩ごはんだ」


ワトソン

「ほな安心や」


ホームズ

「ただし、

 サーバー半額セールには

 並ぶなよ」


ワトソン

「なんでです?」


ホームズ

「そのサーバー、

 本当にあるか分からないからだ」


ワトソン

「ぎゃふん」


………


★最後の一文


未来は来る。


でも、

未来で儲かると叫んだ人が、

最後まで同じ場所にいるとは限らない。


だから若者よ。


ニュースを見る時は、

夢だけを見るな。


誰が売ったかを見ろ。


誰が買わされているかを見ろ。


最後に誰が

レシートだけ握っているかを見ろ。

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