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星の指輪  作者: 結城 凪
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家族との団欒

「ただいま。」

奥から母さん、一ノ瀬綾乃が顔を出す。

「おかえりなさい。ご飯は?」

「食べるよ。親父も今日は遅くまで帰ってこないんだろ?」

「ええ。」

「荷物おいてくる。」

荷物を自室において、洗面所で手洗いを済ませてリビングに入る。すると、ソファから、

「おかえり、兄貴。」

「おお、零夜。ただいま。」

一ノ瀬零夜。俺の弟だ。俺とは正反対の好戦的な性格であり、勝負事には一切手を抜かない真面目な一面も持っている。とはいえ、兄弟間の仲は悪くなくむしろ良好といえる。

「兄貴、遅かったじゃん。」

「ああ、千代と遊んで帰ってきたからな。」

「へぇ~。なるほどね。」

「言っとくけど、お前の思ってることとは違うからな。」

「はいはい。そうですか。お似合いだと思うけどな、俺は。」

確かに、千代はいい子だ。優等生だし、周りへの配慮も完璧だし、可愛いとも思う。けれど、俺は同じ剣道としての道から逃げだした半端ものだ。そんな俺が千代の隣に立つことは許されることではない。これは、俺のけじめだ。

「はいはい、零夜もあまりからかわないの。ほら、もう出来たわよ。座りなさーい。」

母の声を聴いて俺と零夜は食卓に着く。

「今日は、とんかつか。毎度毎度よくこんな綺麗に揚げられるね、母さんは。」

「もう何年作ってきたと思うの。これくらいはお手のもんよ。ほら、手を合わせて、」

「「「いただきます。」」」

軽い談笑をしながら、食事が進む。零夜の学校のことや、今日俺が千代と出かけたこと、最近の世の中が物騒なことなど話が尽きることがなかった。

「あ、そういえば母さん。明日の昼、リビング借りてもいい?」

「いいけど、どうして?」

「明日、練習前に千代とご飯食べることになったんだけど、弁当作ってくるらしいからリビングでたべようかなって。」

「え⁉そうなの?なら、私も少し足しになるもの作って二人に譲るわ。」

「俺も早めに食べて、道場で先に練習しとくわ。」

「いや別に、二人きりなる必要な・・・」

「「いいから‼」」

と、こんな感じで押し切られてしまった。ここまで圧の強い二人は久しぶりにみたかもしれない。


食事と風呂、宿題を終えて時刻は十一時過ぎ。週末に出される課題が多いのはやっぱり学生の一番の悩みなのでは考えている。そんなことを考えていると、先輩に言われたことを思い出した。

「俺は優しい人間じゃない。俺はただ逃げてるだけの弱者だ。」

『人との対立はしない』を信条にして十年以上生きてきたが、俺の中でそれがどれだけ甘いかはもう痛いほど痛感している。だからこそ身の振り方をもう一度考え直さないといけない。少なくとも、成人になるまでに。このまま信条を貫くのか、何かを切り捨てて生きていくか。

「本当に守りたいもの、か。」

先輩はそう口にしていた。それが、恋人か親友か、はたまた家族か。そんなものはその時にならないとわからない。今の俺には、守りたいものは存在しないからだ。仮にできたとして、その時、俺は何を選んで何を捨てるのだろうか。正直、考えているだけで怖い。

「まぁ、成人まであと四年あるし、ゆっくり考えよう。」

そう口にしてはベッドに身を預けた。

今回は短めです!

明日は投稿できるかまだ分からないので判明次第twitter(Yuki_Nagi_0830)で報告します!

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