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第二話

第二話

 あのイカれたヤツから渡され金額には限りがある。

 ということで、徒歩で向かうことになったわけだが……。


「ああ、めんどいわ。騎乗ペットとかつけなさいよね、あの道化!」

「福利厚生がなってないわ!」

「お前は異世界に何を求めているんだよ!」

「そりゃあ……。」

 琴葉は言葉が詰まる。

「うーん、まぁ冒険とか?」

「人生やり直しって言われてもね。」

「……だよなー。」

 暁人は言葉を濁す。いや、素直な感想が浮かんでこなかったのかもしれない。

「一応、俺らは強いらしいけど、どんくらいかもいまいちわかんねーし。」

「うーん、流石にこの手の話で、実はゴブリンにも勝てませんとかはないと思うけどね。」

「ただ、確かにちょっと不安ね。」

 そばにある少し盛り上がった岩山に目をやる琴葉。

「ちょっとアレに低級魔法でも打ってみようかしら。」

「試し撃ちよ。」

「これでしょぼすぎたら、俺たち詰むぞ。」

「ファイアアロー」

 琴葉の指先から、巨大な矢が突如現れて、ものすごい勢いで吹っ飛んでいった。そして……。

 岩山は粉々に吹き飛んでいた。

「いやいやいや、琴葉さん本気出しすぎでしょう!」

「え?ちょっと魔力込めて、魔導書の最初のほうにあった詠唱して放っただけなんだけど?」

「おいおい、これ普通に俺TUEEEEEEE系じゃないか?」

「そう……ね。」

「それが喜ばしいことか、悲しむべきことかは微妙だけど。」

「うん?普通に喜んでいいとこじゃね?」

「……まあ、そういうことにしておきましょう。」

 暁人はおもむろに鞘に手を当てる。

「ちょいと俺も試してみますか。」

 モグラの山を10倍にしたぐらいの岩に横なぎを一閃する。

 モグラの山は真っ二つになった。

「普通に強いな。」

「これは勝ち組フラグか!」

「気をつけなさい!それは逆ベクトルにも働きかねないわ!」

「おお、おう。あぶねぇ。いや、もう手遅れなのか?」

「……セウト中ね。」

「まぁ、この実力ならゴブリン討伐ぐらいなんとかなるんじゃないかしら。」

「そうじゃないと困るわ。」

 一瞬、琴葉は伏目がちになった。それがなぜなのか、暁人にはわからなかった。


 目的地に到達する頃には、夜も近づいていた。

「近くの村に滞在しましょう。」

「まぁ、夜中に突っ込むのがいい手とは思えねぇな。歩きっぱだったわけだし。」

 村の宿をとる。幸い二部屋空いていた。

「じゃあまた明日、明日からが本番だからね。」

「ああ、わかってるって。」

 そう言って二人は別々な部屋に入って行った。


 翌日、昼前にはゴブリンの巣窟に到着していた。

「とりあえずありったけのゴブリンを倒していきましょう。」

「倒せば倒すほど報酬も上乗せされるでしょうし。」

「おっしゃいっちょ、やりますか!」

 巣窟内を探索して、見つけ次第殺していく暁人と琴葉。

 ゴブリンはバターを切るかのように、どんどん斬られていく。

 琴葉は魔法で遠距離にいるゴブリンを倒していく。

 戦況は一方的だった。

 ただ……。

 本人たちの知らぬ間に数匹だけが逃げおおせた。

 しかしそんなことを露知らず、ゴブリン討伐に夢中になる二人。

「ここまであっけないと、伝説の魔竜とかでてきそうで怖いわね。」

「嫌なフラグ立てるなって、言ったのどちら様だっけ?」

 そして小一時間後に、掃討を確認して、村へ戻るが……。

 畑が荒らされていて、一部古屋などは壊されていた。

「え、なんで?」

「……まさか……ね。」

「俺たち、ゴブリン倒したよな?」

「なんか襲撃でもあったのかな。」


 そのまま村を後にして、ギルドへ報告する二人。

 そこでは残酷な言葉が待っていた。

「任務失敗です。」

「はぁー!?」

「なんでですか?ちゃんとゴブリンの巣を討伐しましたよ!」

「ええ、そこは評価しているんですが、数匹逃したようでして……。」

「それが近くの村を襲撃して、損害が……。」

「待った!俺の持ってる張り紙には、洞窟にいるゴブリン殲滅としか書かれてない。」

「村の損害は、クエスト外だ。」

「その依頼人が、件の村長でして……。出し渋ってきており、交渉は破綻しました。」

「あー」

 天を仰ぐ暁人。

 そして琴葉は即座に言葉を紡ぎ出す。

「反省会よ!」


 続く

 

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