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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
番外編 普通の女の子はパチを打つ

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295/296

Round4 チンアナゴがやってくる


 魔女はすべての台を見た後、左端……通路側から3台目を選んだ。


「ふむ、良い波です。これにしましょう」

「じゃあその隣で」


 どれ打っても当てりゃいいんだよ当てりゃ。魔女のデータパチンコとやらがどこまで通用するか見せてもらおうかねぇ。


 さて、さっきは横槍が入ったがスペックを確認しよう。


 大当たり確率は1/259…………という表記なのだが、これにはちょっとカラクリがある。まぁなんてことはない、チャージ当たりと図柄揃いを合算した数字なのだ。


 図柄揃い確率1/346。

 チャージ当たり1/1038。

 合算で1/259となる。


 …………となる?


「なんで346と1038を合わせたら259なんだよ」

「(346×1038)÷(346+1038)で259ですよ」

「なんの話?」


 そういう計算式なのだろう。スマホでやってみるとマジで259になった。だが俺は騙されない。チャージ当たりとはどう見てもチャージでしかないのだ。


「ハッ、目の前の数字が全てじゃねぇンだ」

「それで勝っていれば格好がつくのですがね」

「お黙り小娘!」


 見てろ、チンアナゴもびっくりの直立グラフを打ち立てるぜ。


 もはや手が勝手に中央のボタンを押し、先バレを設定する。この台、先バレにも色々種類を用意しているが、ここはスタンダードに主人公の先バレを選ぶ。他の機種と同じ、期待度40%といったところだ。


「まったく、懲りませんね貴方も」

「ドキドキの始まりは、いつも先バレからって決まってンの」


 先読みチャンス設定のお前には分かるまい。もはや先バレなしでは打てぬ身体になり申した…………


 ともかく、1/259だろうが1/346だろうが当たればいいのだ。できれば1万以内でよろしくぅ〜。



 …………そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。



 赤く輝く液晶に、主人公がばーんと映る。言わずもがな、先バレの合図である。かれこれ300回転2万円、4度目の先バレだ。


「ちょっともぅいい加減にしてぇ」

「これが先バレ待ちの末路…………」


 その気にさせてはフラれ、虚しく回転させるの繰り返し。デカヘソ台ばかり打っていた影響なのか、普通のヘソが小さく見えて仕方ない。ひょっとしてこっそりヘソ削ってないか?


「またバカなことを考えてますね」

「ドキドキしたいがドキドキするだけじゃイヤーッ!」

「モードを切り替えれば良いものを…………あ、チンアナゴ(チャージ)


 画面に白と橙のチンアナゴがこんにちは。

 同じ回転をさせる魔女だったが、異常なまでのチンアナゴボーナス(チャージ当たり)()()1万円しか使っていない。


 一応図柄当たりでもこのボーナスは通常当たりと確変になるものが割り当てられているが、基本はチャージだと思ったほうがいい。昇格なんぞないのだ。


「これは1/346なのか、それとも1/1038なのか…………神のみぞ知るといったところでしょうか」

「神様いるならあと何回転で当たるか教えてくれよ」


 そして俺の台はショボいリーチで終わったかと思いきや、左右の図柄に割り込むように、画面上からチンアナゴがやってくる。


「当たり」

「チンアナゴぉ〜!」


 先バレ1/4にして、初当たりはチンアナゴであった。もちろん昇格などない。


 ────3万円目に突入。



 ◇ ◇ ◇


 ◯参考機種

 『eリコリス・リコイル』

 久々に『花の塔』を聴いた気がしますわ。

 チャージ当たりのたびに「チンアナゴ」やってます(嘘)。

 

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