Final Round パチ・スロが恋人です♡
冥界侵略から2週間が過ぎた。
結局『そのまま溜まった有給使っちまえ』というお上の指示で、その後1週間パチ漬けであった。相変わらずパチ屋が俺にとって第2の実家である。
今日隣には、パチ禁をしていたアホが楽しそうに打っている。
「くぅ〜っ! 仕事も恋沙汰も離れて打つスロットは格別じゃな!」
「スロッカスの魔王……」
「応とも! 我こそはスロッカスの魔王なりぃ〜、だぁーはっはっは!」
「これで良かったんだろうか……」
「まぁ、打つことを他人に阻まれる謂れはないということですよ」
婚期の女を正常に戻そうとした冥王に涙を禁じ得ない…………ホントはどうでもいいけど。
「そういえば、冥王様とはどうたったのですか?」
「何事もなくお帰り頂きました」
魔王《娘》の愚痴はめちゃくちゃ言い残して行ったけどな。帰るまで毎日毎日呑んで寄ってはダル絡みでした。
『あの子ったらわたしがいい人見つけてきてもぜーんぶ蹴っちゃうのよぉ⁉︎ 死霊使いくんだって大事な有望株だったのにぃ〜!』
聞けば冥界でも指折りの存在とかなんとか。それがなんなのか、面倒なことに関わりたくないのでスルーした。戦友は戦友、胸派と尻派ではあるが、良き友が出来たものだ。
…………ここまで男キャラがろくでなしひとりだったからな。今回のは見た目のアクは強かったが天然混じりのいいヤツだった。まともな打ち手とは、かくも安らぎを与えてくれるとは…………
「あぁ、戦友が恋しい」
「なんじゃ気持ちの悪ぃ。我がおるじゃろ♡」
「声が可愛い系でもその他全部パチンカスだし……」
「それもそうじゃな! だぁっーはっはっは!」
「見た目は魔族系美少女なのですけれどね…………」
やや呆れたように、もうひとりの銀髪雰囲気クール系美少女は呟いた。その手は止まることなく、流れるようにリールを止める。
「……………………」
「おや、どうかしましたか?」
何も知らなければハーレムと言えなくもない。しかし俺は知り過ぎたのだ。こいつらの外見に騙されてはいけない。
「いやー? 俺の恋人はパチとスロだなと」
デート代はいっぱい掛かるが、こいつがまた可愛いんだな。
「出費の嵩みそうなお相手ですね」
「そうそう、この前の勝ち分もなくなってよぉ」
「は?」
「いま、なんと?」
急に魔女と魔王の手が止まる。
あれ、俺なんか言っちゃいました?
「いやね? 勝ったことない台にちょーっと入れてみたら中々応えてくれなくて。有給中プラスだったわけだし当たるまで突っ込んでたワケ」
「それで……もうなくなったんか?」
「ヒキの波ってこえーよな! 連戦連敗だ、ナッハッハッハッハ」
調子乗って1万連投しちゃうから困っちまうんだなこれが!
「名は体を表すと言いますが……」
「まったく、才能溢れる兄弟子には勝てんぞぃ」
「成せば成る、打てば当たるよ、スロットちゃん」
異世界侵略なんのその。神を下し、パチオカルトを見に纏う奴とは俺のこと。先人たちよ、今日も力を貸したまえ。
主義刹那、2X歳独身。
パチ・スロが恋人です♡
「世界の破滅より早く破局しそうじゃな」
「今日にでも別れるのでは?」
「お黙り! ヒキの波は自分で引っ張るんじゃぁっ!!」
当然、寄ってくることはなく。
今日もパチ屋とのデート代を引き出しに、ATMへ向かうのだった。
追加投資は3万までだぞ!
異世界の魔女、現代でパチンカスになる
第8章
魔王様、パチン婚活って正気か?
(了?????)
◇ ◇ ◇
え、恋愛話?
そんなもの、ないよ…………
婚活編もとい冥王編これにて終了!
次は新台次第かなって感じで何卒。
☆連打でRush突入です。
ぜひ☆3つ、よろしくお願いします。




