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異世界の魔女、現代でパチンカスになる  作者: ムタムッタ
魔王様、パチン婚活って正気か?

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288/296

Round45 高度に洗練されたオカルトは、魔法と区別がつかない


 儀式の末に、銀髪の魔女との魔法は完成した。完成したのだから、もうハズレる遊技など────ない!


 再度現れる2択演出。

 ────どうして俺にはベルもチャンス目も来ないとかは嘆かない。


 ◯左だろ

 ◯左で打てや

 ◯絶対左!

 ◯レフトレフトレフトぉっー!


「だから右を選ぶ」


 右リールを止め、最後に左。すると右肩上がりのチャンス目がこんにちは。演出成功、あとはサンド目を揃えるのみ。


 瞬間、勝利を確信。

 右リールに狙えと命ずるは下パネルの美少女。間髪入れずにもう一度右! 魔法に呼応するように、赤い7のサンド目が成立、画面にはでかでかと『告』の字と虹色が浮かび上がった。


「That's right────!」


 あぁ、この瞬間に生を感じる。

 脳内は幸せ物質で満たされて大変喜ばしい。


「馬鹿なこと言ってないで進めてください」

「風情がねぇなぁ」

「一度エンディングを迎えてから言ってください」

「へーへー」


 初回ボーナス時はほぼ1:1でBIG:REGとなる。つまりここでBIGを引けないのは引き弱ってワケ。だが縛りの中で打つ俺にREGなどありえない。


 確信であり、揺るぎない運命。

 リールに揃うは右肩上がりの1確BIGボーナスである。


「感謝するぜ……これまでの全てに」

「いつもそれくらいの敬意があれば良いのですが」

「お黙りィッ!」


 ベットボタンを押し、ボーナス中のモードを選ぶ。というのもこの『告らせ』台、ボーナス中は3種のモードで遊べるのである。


 ボーナス中はとにかく次のボーナスをストックする1G連を獲り続けることが重要だ。しかし上乗せは全役で行われるガチ抽選、その上乗せを告知するタイプによって分かれている。


 ①生徒会長キャラによる舌戦バトルの最終告知型。最終ゲーム付近までボーナス上乗せが分からない。

 ②ヒロインたちに告白するチャンス告知型。これはチャンス目を引けばすぐにお知らせされる。

 そして……

 ③どのタイミングで上乗せするか分からない1発告知! 突然ドォーンと来るからビクッとするぜ。

 

「当然1発告知よな」


 ◯出たwww

 ◯期待を裏切らない

 ◯チカらせろ!

 ◯頼むぞパチンカス!


 俺はこの戦い……1発告知以外やる気はない。それ即ち────


「モード固定打法、起動ォッ!」


 心想界域なんて訳のわからんものよりも、俺は目の前のリアルで勝ち獲る。その為の共闘、その為の右手、その為のモード固定である。

 

 だがしかし……儀式を終えた今、魔女との共闘も終わりだ。


 なぜならば、

 パチンカスに2対1という戦いはない!


「悪ィな、こっからは敵同士だ」

「どうぞご自由に」


 第1打、ナビ付きのベル役が現れる。もちろん右手でリールを止めた瞬間、けたたましい音と同時に画面が虹色で満たされる。


 言うまでもない、1G連確定である。


「ドぉーん!」

「な、なに? 何が起きたのぉ⁉︎」

「視聴者の告白を利用した魔法とはステージが違うんだよ。これが本当の上乗せだッ!」


 ◯はやw

 ◯押し順ベルで上乗せは強ぇ〜

 ◯これが右手の力か!?


 これだけ。たったこの上乗せだけで約250枚の出玉が約束される。もはや画面の中で歌い踊る少女が祝っているようだ。


「フハハハハ! 見ろ! これがスロットに捧げた右手の力だ!」


 1回目のボーナスが終わり、間を置くことなく既定路線のボーナス(1G連)。ボーナス中のストックは全てBIGボーナス以上だ。


「そしてぇっ!」


 ゲームモードは1発告知。2連目、張り切って行ってみようーッ!


「人間が、運命を書き換えたと言うの……? 銀の魔女(シルバちゃん)による補助が、そんなに強いと言うの……⁉︎」

「それは違いますよ冥王様」


 んもぅ、ヒトがノリはじめてから俺を挟んで話すなよ。


「私の魔法……『許されよ、(シン・)我らが愚行とその先を(リストリクション)』は単なるまじないです」

「お呪い〜?」

「流石にこの最終戦、ケルベロスの毒でトイレに籠られたら無意味ですから。気休めの回復魔法を少々」


 こいつ余計なことを……


「で、でも、でもでも! 制約を課した引き換えに未来を変えるほどの運命を引き寄せるんでしょぉ?」


 そう……『右手で打つ』、そして『2択演出は必ず右を選ぶ』というそれはもう崇高でど偉い制約のもとで働く最強の魔法で…………


「まぁ、回復だけではありませんが。それだけで成立するほどの等価交換ではありません。だから今回、私の魔法に刹────スミレちゃんのテイストを混ぜたのです」

「なんか饒舌だなお前。あ、また乗った」

「そうだとしても納得いかないわぁ⁉︎ 冥界の権能と互角なんて、あなたの魔法が強い以外考えられないもの〜!」

「失敬な! モード固定打法+右手固定遊技打法を組み合わせたセルフ縛りなんだぞ! 制約を課すことで幸運値を何百倍もするこの技はなぁ、俺独自に考えた奥義で」

「要するにオカルトです」

「奥義っ」

「はいはい」


 ◯草  

 ◯結局オカルトかい!?

 ◯ということは単なる運……?

 ◯あ ほ く さ

 ◯ママ可哀想すぎん?


 なんて愚かな奴らだ。この連チャンを目の当たりにしてもまだわからないのか。この崇高なる右手固定遊技打法の素晴らしさを……ちょっと肩凝るけど。


「魔法の素養を持たない人間がなぜ異世界の強者と並び立つのか…………それは、時に人智を超える力を味方にするからです」

「それが…………このおばかさん?」

「おい」


 ナチュラルにディスられてますよ俺。ったく言いたい放題言っちゃってまぁ…………あ、またボーナス乗った。今日は焼肉だな。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…………さぁ恐れなさい冥王。現代パチンカスと魔法のコラボです」

「お前もパチンカスだろ」


 引き戻しチャンスなど不要。

 このまま有利区間をぶった斬るッ!!



 ◇ ◇ ◇


◯主義刹那と銀髪の魔女によるスロット攻略法

許されよ、(シン・)我らが愚行とその先を(リストリクション)


 大当たり中のモードを固定する『モード固定打法』と、スロットの遊技を右手で行う『右手固定遊技打法』の合体技。制約を課すことでヒキを強化する奥義。


 魔女のまじないを混ぜたことにより、オカルトは魔法となった。

 

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