~平賀源内・判じ絵~
~平賀源内・判じ絵~
「おーグレン。来たぞ。問題のサーペント肉を見せてくれ。」
「お?源内さんか!サーペント肉全然売れないよ。捨てるしか無いかもしれんな。」
源内は串肉屋のおやじを指差し
「こいつぁグレン。元冒険者でな。昔ぁ剣聖なんて呼ばれててよぉ。今はアトランティスに永住してる。俺と同じだな……でよぉ。」
(ぶつぶつぶつ……こりゃでけぇ肉だな。)
(色ぁ軍鶏みてぇだが……筋が多そうだ。)
「火属性の使い手で……。世界で数人しかいねぇSSSラン……」
「源内さん?」
「ん?」
「俺の話はいいから、料理の相談に乗ってくれないか?」
「判じ絵なぁ……」
思わず声に出してしまう。
「北斎!判じ絵描く気になったのか?じゃぁ、この看板に描いてくれねぇか?こっちはこっちで話してるからよぉ。」
「がってんしょうちのすけ!」
先ずは紙に描いてみるか。
さらさらさらさら
へーびー
へは蛇頭っと
びはとぐろを巻くように
(ちげぇ)
へをもっと長くして
へーーーー
びーーーぐるぐるぐる
さらさらさらさら
屋台の奥からなにやら声が聞こえてくる。
「サーペントは毒があって毒抜きしても臭いんだよ。」
「それじゃぁ普通の串焼きだと売れねぇな……ぶつ切りじゃなく、開きにして先ずは白焼き……」
「酒で臭みを取るか?」
「いいねぇ!臭み取ってから蒲焼きにするんでぇ。タレの作り方はわかるか?」
「ぁあ。酒、砂糖、醤油だな。日本の調味料は一式揃えてある。」
奥ではまだ何か話し込んでやがる……俺ぁには関係ねぇこった。
「図案は出来た。よし仕上げだぜぃ!」
俺は六尺ほどの板に筆を走らせる。
さらさらぐいっ!さらさらぐいぐい。
へーーーー
びーーーぐるぐるぐる
(出来た。)
「源内先生!看板出来たぞ!!」
「……白焼きにしてみたが半焼けじゃねぇか!」
「火力が足りないんだ!」
「おーい!源内先生!看板……」
「火力上げるには強力な火の魔石がいるんだが。買うと高いんだよ。」
「それじゃ商売にならねぇ!なんとかならねーのか?」
「俺が直接取ってくることは出来る。」
「元剣聖の出番ってわけか!」
「……あのぉ…看板出来たって言ってるだろうがァァァア!」
「おお!良い出来じゃねぇか!」
「だろ?でさ、そのなんだっけ魔石取りに行く仕事俺ぁもついていっていいか?おもしれぇことがありそうだからよぉ。」
「ん?北斎さんって言ったか?お前さん転生したばかりだろ?闘えるのか?」
「おうよ!神様にちーと?ってのを貰ってるからよぉ!」
「チートか(笑)あの創造神ならとんでもないことになってるかもな。」
「武士と忍者も誘っとくぜぃ。それで構わねぇか?」
「あ、2人なら知っているが問題ないだろう。」
「源内さん、それでいいか?後は帰って来てから話そう。」
「かまわんぞ。気をつけて行ってこい!」
こうして俺は元剣聖と共に
新たな異世界への冒険へと旅に出ることになる。
【判じ絵】
判じ絵とは、絵を見て言葉や物の名前を当てる江戸時代のなぞなぞ絵です。
葛飾北斎も数多くの判じ絵を手がけ、店の看板などにも活用されました。
本作では、その判じ絵を看板として描く場面をもとに物語を描きました。




