~葛飾北斎の異世界チート伝説③・波VS波~
~葛飾北斎の異世界チート伝説③・波VS波~
波?今、波って言ったんじゃねぇか?
波か……
俺は一枚の紙を取り出す。浮世絵サイズ。
「いい紙じゃねぇか。」
「北斎さん!何やってるでござるか!?魔物の波がすぐそこに!結界の魔道具が足りない……」
「某!いざ参る!後は任せた!一刀両断!一刀両断!いっとうりょうだーん!」
「拙者も加勢するでござる!マキビシマキビシマキビシ!」
さらさらさらさらさらさらさらさら
「おめぇらちぃと待ってろ。直ぐに描き上げてやらぁ。」
「飛燕斬!!神雷一閃!!飛燕斬!!神雷一閃!!ハァハァ。」
「!!手裏剣!爆裂手裏剣!手裏剣!爆裂手裏剣!ぐぐぐっ。」
波頭が決まらねぇ……もう少し高けぇか?細かくしてぇな……こう、跳ねるような。
「天翔斬覇ァァァ!!ァア!!某……このスキル初めて使う。ハァハァハァハァ。」
「ダークジャベリンんんんん!拙者も初でござる……む、無理かも……」
「もう少しだぁ!頑張れーー!」
さらさらさらさらさらさらさらさらさらさらさらさら
『他人事みたい(だ!)(でござる!)』
「エエエエい!こうなったら!スラッシュアタァァーーーーック!スラッシュアタック!スラッシュアタック!!!」
「武士さん必死でござるな。ァア魔物ォ。来るなァア!インフィニティジャベリン!!!インフィニティジャベリン!!!……てござる……」
「スラッシュアタック!」「インフィニティジャベリン!」「スラッシュ!」「インフィニティ!」「アタッ……ぐふっ…」「ジャ…ジャ…ジャベ…リン。」
『まだですーーかーーーーーー!!』
「出来た。」
浮世絵から静かに海水が溢れていった。
「おめぇら!逃げやがれ!」
武士と忍者が北斎の後ろに隠れる。
海水は大きなうねりとなって魔物の波を飲み込んで行く。
富士に似た山を覆うように白波が立つ。
それはまるで生きているかのようだった。
「出来たな。これは……【異世界沖波裏】じゃねぇか!」
北斎が目を輝かせその光景を見ている後ろでは……
(なぁ某、今日だけで冒険者ランクAからSに上がるかもしれぬ。)
(拙者もでござるよ。)
いい波だなぁ。
俺はまた筆を取るのだった。
まだ終わらねぇ!
もっと見てみてぇ!
もっと描いてみてぇ!
これからも俺は「冒険者」として生きていくことになるんだろうな。
それはそれでおもしれぇ生き方じゃねぇか!
「なぁ!おめぇら!これからも俺に付き合ってくれねぇか?」
『考えときます!』
【神奈川沖浪裏】
『神奈川沖浪裏』は、葛飾北斎を代表する作品であり、日本で最も有名な浮世絵の一つです。
大きくうねる波と、その奥に見える富士山が描かれ、世界中で親しまれています。
本作では、この作品をもとに「異世界沖波裏」として物語を描きました。




