ドワーフ鍛冶工房の跡目争い調停に同席しています 後編
「ここからが、跡目争いです」
ユリス・グレンがそう言うと、調停室の空気がさらに重くなった。
机の上には、金賞剣《黒炉の黎明》がある。
伏せられた広告札がある。
予約台帳がある。
火傷だらけの手袋がある。
古い槌がある。
兄ボルガは、台帳の角に指を置いたまま黙っていた。
ミーシャは、柄の内側に刻まれた小さなMを見ている。
ロッカは古い槌を膝に戻し、老親方グンデルは剣から目を離さなかった。
「候補ごとに確認します」
ユリスは言った。
「まず、ボルガ様」
「俺からか」
「はい。ボルガ様が跡目になった場合、打った者の名前をどう扱いますか」
ボルガは、すぐには答えなかった。
商談の席なら、笑って言葉を選んだはずだった。
だが、ここには客はいない。
値切る貴族も、紹介状をちらつかせる商会主もいない。
いるのは、妹と、弟子頭と、父親だった。
「段階を踏む」
ボルガは言った。
「いきなり全部を変えれば、客が混乱する。王弟殿下の儀礼剣も、侯爵家の婚礼短剣も、北方騎士団長の退任記念剣も、グンデル工房の名前で受けている。明日から全部ミーシャ作です、と言えば、保証はどうなる、値は下がるのか、親方はもう打っていないのか、と騒がれる」
「段階って何年だ!」
ミーシャが声を荒げた。
「今度は何年待てばいい。次の武具展までか。王弟殿下の剣が終わるまでか。侯爵家の短剣が終わるまでか。兄さんはいつも段階って言う。だけど、その段階の間に、私の名前だけが消えるんだ!」
「だから、消すとは言っていない」
ボルガの声も荒くなった。
「俺が跡目になれば、注文は守れる。客も逃がさない。値も落とさない。ミーシャ、お前の名前は出す。だが、出し方は俺が決める。客に叩かれる出し方をすれば、お前の剣は最初から値切られる」
「私の名前を、兄さんの商談の道具にするな!」
「お前の剣を、安売りの餌にさせないと言ってるんだ!」
ロッカが、低く笑った。
「結局、打ち手の名前は後回しってことだろ」
ボルガが睨む。
「現場だけ見てるやつには分からない。名前を出せば終わりじゃない。出した後に、その名前をどう守るかが商売だ」
「分かるさ」
ロッカは古い槌を親指で撫でた。
「ただ、あんたが守ると言うものは、いつも客と値段が先に来る。打ったやつの名前は、その後だ」
ユリスは短く頷いた。
「ボルガ様を跡目にした場合、客と予約は守れます」
ユリスは、予約台帳に手を置いた。
「ただし、打った者の名前が後回しになるおそれがあります」
ボルガは唇を結んだ。
反論しなかった。
「次に、ミーシャ様」
ミーシャは顔を上げた。
「ミーシャ様が跡目になった場合、この予約台帳をどう扱いますか」
「私の名前で売る」
ミーシャは即答した。
「親方直打ちはやめる。父さんが最後に見たなら、グンデル監修でいい。私が打った剣には、私の銘を入れる」
「王弟殿下の儀礼剣もか」
ボルガが言った。
「明日、王都に使いを出して、今後はミーシャ作です、値段は同じです、保証も同じですと言うのか。問い合わせは誰が受ける。値下げ交渉は誰が止める。納期を守れと言われた時、炉の前から離れてお前が頭を下げに行くのか」
「行く!」
「その間、誰が打つ」
ミーシャの口が止まった。
ボルガは続けた。
「客は黙って待たない。王都の貴族は優しくない。名を出した瞬間、実力を測りに来る。一本でも納期を落とせば、グンデルの娘は口だけだと言われる。一本でも値を下げれば、次から全部その値になる。お前は剣を打てる。だが、客を相手に毎回同じ強さでいられるのか」
「兄さんがそれを教えなかったんだろ!」
「教える前に、お前は炉へ戻る」
ミーシャが黙った。
ロッカが、そこへ言葉を入れた。
「ミーシャは打てる。そこは誰も疑ってねえ」
ロッカは机の上の剣を見た。
「だが、打てるやつほど寝ねえ。気に入らなければ、飯も食わずに炉へ戻る。親方になってもそれをやったら、弟子は真似する。三日寝ないのが当たり前になる。失敗を自分の手で全部直すのが当たり前になる。そうなったら、現場はもたねえ」
「私がそんな親方になるって言うのか」
「なれるから怖いんだよ」
ロッカは言った。
「自分でできるやつは、できないやつの遅さを忘れる」
ミーシャは古い槌を見た。
ロッカの手には、古い火傷の跡がいくつもあった。
ユリスは、火傷だらけの手袋を見た。
「ミーシャ様を跡目にした場合、剣の名前は立ちます」
ユリスは言った。
「ただし、客と現場を一人で背負うことはできません」
ミーシャは奥歯を噛んだ。
それでも、否定はしなかった。
「ロッカ様」
「俺はならねえぞ」
ロッカは先に言った。
「聞きます」
ユリスは表情を変えない。
「ロッカ様が跡目になる意思はありますか」
「ねえ」
ロッカははっきり言った。
「俺は現場を見る。弟子の手を見る。実用剣の数を見る。修理の山を見る。だが、王都の客に頭を下げるのも、金賞剣の顔になるのも向いてねえ。そこは俺の仕事じゃねえ」
「では、何を求めますか」
「誰が跡目でも、現場の条件を入れろ」
ロッカは言った。
「弟子の仕事を消さない。無理な納期を現場に押し込まない。打ったやつの銘を消さない。失敗した刃を、なかったことにしない。それだけだ」
ボルガが鼻を鳴らした。
「条件ばかり出すな」
「条件なしでやってきた結果が、これだろ」
ロッカは机の上の《黒炉の黎明》を顎で示した。
「打ったやつの名前は柄の内側。売ったやつの都合は広告札。弟子の仕事はどこにも出ねえ。親方の名前だけが外に出る。もう一回それをやるなら、俺は弟子を連れて出る」
グンデルの眉が動いた。
「脅すのか」
「報告だ、親方」
ロッカは老親方を見た。
「若いのはもう見てる。誰が打っても、最後に名前が消える工房だって分かったら、残らねえ」
調停室が静まった。
ユリスは、グンデルへ向いた。
「グンデル様。三人とも、正しい部分があります」
「だから決められんかったんじゃ」
グンデルは低く言った。
「ボルガは客を守った。ミーシャは剣を打った。ロッカは現場を支えた。誰か一人を選べば、ほかが離れる。わしは、それが嫌だった」
「選ばなかった結果、全員が離れる準備をしています」
グンデルは黙った。
ミーシャも、ボルガも、ロッカも、老親方を見た。
「わしは」
グンデルは、ようやく口を開いた。
「わしは、まだ工房が同じ形で残ると思っておったのかもしれん」
白い髭の下で、声が少しだけ揺れた。
「ボルガが客を取り、ミーシャが剣を打ち、ロッカが弟子を見る。わしの名でまとまるなら、それでいいと」
「まとまっていません」
ユリスが言った。
「見れば分かる」
ミーシャが低く言った。
「柄の内側に名前を隠した娘がいるんだから」
グンデルは目を閉じた。
長い沈黙のあと、ユリスは机の上の広告札をもう一度見た。
赤い文字は伏せられたままだった。
「一つの案を出します」
全員が、ユリスを見た。
「命令ではありません」
ユリスは言った。
「受けるかどうかは、皆さんで決めてください」
ボルガが腕を組んだ。
ミーシャは手袋を握った。
ロッカは槌を膝に戻した。
グンデルは黙っていた。
「跡目候補の第一案は、ミーシャ様です」
ミーシャの肩が揺れた。
ボルガの顔が険しくなる。
「理由は」
ボルガが言った。
「次の看板になる剣を打てるからです」
ユリスは短く答えた。
「跡目は、過去の名前を守るだけでは務まりません。次の剣を作れなければ、工房は過去の看板になります」
「俺が守ってきた客はどうなる」
「残します」
ユリスは言った。
「三か月の移行期間を置きます。その間、ボルガ様は営業、予約、価格、保証の責任を持つ。ミーシャ様は、すべての大口商談に同席してください」
「私が?」
「はい」
ユリスはミーシャを見た。
「客を失えば、剣を打つ場所も失います」
ミーシャは不満そうに唇を結んだが、何も言い返さなかった。
「広告表示は変更します」
ユリスは伏せた札を指で押さえた。
「今後、親方直打ちという札は使わない。作った者、最後に確認した者、売る者を分けて示します」
「そんなことをしたら、客が混乱する」
ボルガが言った。
「混乱します」
ユリスは認めた。
ボルガは一瞬、言葉を失った。
「注文は減るかもしれません。値下げを求められるかもしれません。今までの札は何だったのかと聞かれるでしょう」
「なら、なぜやる」
「今の札では、誰が何をしたのか分からないからです」
ユリスは《黒炉の黎明》に視線を落とした。
「揉めない案ではありません。揉める場所が見える案です」
ミーシャが、ゆっくり息を吐いた。
「私の銘は」
「打った剣には入れます」
ユリスは言った。
「ただし、入れる以上、保証も背負います。名を出すとは、褒められるためだけではありません」
ミーシャは頷いた。
小さくだが、確かに頷いた。
「ロッカ様」
「何だ」
「ロッカ様は現場長として、弟子の工程、無理な納期、危険な作業を止める権限を持つ案です」
ロッカの目が細くなった。
「止めたら、ボルガが怒鳴るぞ」
「止める理由を記録してください」
ユリスは言った。
「感情ではなく、工程で」
ロッカは少し笑った。
「工程でなら、いくらでも書ける」
「ただし、ロッカ様も条件があります」
ユリスは続けた。
「現場を守るという名目で、商談や納期をすべて拒むことはできません。現場長は、止めるためだけの役ではありません」
「分かってる」
ロッカは槌を握った。
「止めるためじゃねえ。渡せる剣にするためだ」
ユリスは最後にグンデルを見た。
「グンデル様」
「なんじゃ」
「三か月の間、監修名義は残せます。ただし、直打ちとは書けません」
ユリスは言った。
「そして、正式な跡目合意を作るまでに、グンデル様ご自身が、跡目候補を一人に絞る意思を示してください」
グンデルの顔が険しくなった。
「まだ決めろと言うのか」
「はい」
「調停官が決めればよかろう」
「決めません」
ユリスは即座に答えた。
「これは提案です。工房を継ぐのは、私ではありません」
グンデルは黙った。
その沈黙の中で、ボルガが台帳を閉じた。
「つまり、俺は負けか」
「違います」
ユリスは言った。
「ボルガ様の仕事は残ります。むしろ、今までよりはっきり残ります」
「跡目ではないのにか」
「跡目にならなければ無価値、という話ではありません」
ユリスは台帳を見た。
「客を繋ぐ仕事は、剣を打つ仕事とは別に必要です。ですが、それだけでは跡目には足りません」
ボルガは奥歯を噛んだ。
だが、その言葉は否定できなかった。
ミーシャが、低く言った。
「兄さんの同席が必要なのか」
「必要です」
ユリスは答えた。
「ミーシャ様は剣を打てます。ですが、客との約束を知らなければ、工房は続きません」
「私が親方になっても、兄さんに頭を下げろってことか」
「頭を下げる相手を間違えないためです」
ミーシャはむっとした顔をした。
ロッカが笑った。
「いいじゃねえか。兄妹で頭を下げ合え」
「笑うな!」
「笑うさ。少しは笑わねえと、この工房は重すぎる」
グンデルが、伏せられた広告札を見た。
「親方直打ち、か」
誰も答えなかった。
「わしは」
グンデルは、ゆっくり言った。
「その札を見た時、止められた」
ボルガが顔を上げた。
「親父」
「止められたんじゃ」
グンデルは繰り返した。
「これは違う、と言えた。じゃが、言わんかった。グンデルの名がまだ売れると知って、少し安心した」
ミーシャの手が止まった。
ボルガも何も言わなかった。
「わしは、打てん」
グンデルは右手を見た。
「だが、名はまだ売れる。そう思った。だから、黙った」
調停室が静まり返った。
ユリスは何も言わなかった。
その沈黙は、責めるより重かった。
「最低だな」
ミーシャが言った。
「そうじゃな」
グンデルは否定しなかった。
「今さら謝るなよ」
「謝らん」
「なんでだ!」
「謝って済むことではないからじゃ」
ミーシャは、言葉を失った。
グンデルは《黒炉の黎明》を見た。
それから、柄の内側に刻まれた小さなMを見た。
「ミーシャ」
「何」
「次からは、刃に刻め」
ミーシャの目が細くなる。
「許したつもり?」
「違う」
グンデルは、短く息を吐いた。
「もう、隠すなと言っとる」
ミーシャは答えなかった。
ただ、火傷だらけの手袋を握りしめた。
ボルガが、低く言った。
「刃に刻んだら、客は聞いてくるぞ」
「聞かせればいい」
ミーシャは言った。
「値を下げろと言われる」
「下げさせるなよ、営業だろ」
ボルガは一瞬、妹を睨んだ。
それから、ほんの少しだけ口元を歪めた。
「言うようになったな」
「ずっと言ってた。聞かなかったのは兄さんだ」
ロッカが槌を肩に担いだ。
「で、弟子の納期は俺が止める」
「止めすぎるなよ」
ボルガが言った。
「詰めすぎるなよ」
ロッカが返した。
「二人とも」
ミーシャが低く言った。
「私の剣の前で喧嘩するな」
「お前が一番怒鳴ってたろうが」
ロッカが言うと、ミーシャは睨んだ。
ユリスは、机の上の書面を一枚引き寄せた。
「仮の合意案を読みます」
全員が、再びユリスを見る。
「一つ。グンデル工房の正式な跡目は、本日決定しない。ただし、第一候補をミーシャ様とする」
ユリスは淡々と読んだ。
「二つ。三か月の移行期間を置き、ボルガ様は営業、予約、価格、保証の責任を持つ。ミーシャ様は大口商談に同席する」
「三つ。今後の広告では、製作者、監修者、販売責任者を分けて表示する。親方直打ちという表現は、本人が実際に打った場合に限る」
「四つ。ロッカ様を現場長とし、弟子の工程、無理な納期、危険な作業について意見を出す権限を認める。ただし、理由は工程で示す」
「五つ。三か月後、ミーシャ様が営業と現場条件を守れるかを確認し、正式な跡目合意を作る」
ボルガが言った。
「これでも揉めるぞ」
「揉めます」
ユリスは言った。
ミーシャが眉を寄せる。
「そこは否定しないのか」
「しません」
ユリスは書面を置いた。
「客は迷います。注文は減るかもしれません。ボルガ様とミーシャ様の意見が割れれば、納期は止まります。ロッカ様が現場を止めるたびに、誰かが怒ります。グンデル様が黙れば、また同じことになります」
「じゃあ、何が変わる」
グンデルが聞いた。
「誰の仕事かが見えるようになります」
ユリスは答えた。
「それだけか」
「はい」
ユリスは言った。
「ですが、今はそれが見えないから、全員が傷ついています」
誰も、すぐには返せなかった。
ボルガは台帳を見た。
ミーシャは自分の手袋を見た。
ロッカは古い槌を見た。
グンデルは、伏せられた広告札を見た。
しばらくして、ボルガが言った。
「三か月だ」
「はい」
「三か月で、王都の客に通らなければ」
「再調停です」
「ミーシャが商談で怒鳴ったら」
「記録します」
「記録するだけか」
「必要なら条件を変えます」
ミーシャが言った。
「兄さんが私の名前を後ろに回したら」
「記録します」
「ロッカが納期を止めすぎたら」
ボルガが言った。
「記録します」
「何でも記録かよ」
ロッカがぼやいた。
「記録がなければ、また声の大きい人の言い分だけが残ります」
ユリスが言うと、ロッカは黙った。
グンデルが、ゆっくり書面を見た。
「わしは、何をすればよい」
「黙らないでください」
ユリスは言った。
老親方の眉が動く。
「名を貸すなら、どういう意味で貸すのかを言ってください。監修なのか、保証なのか、実作なのか。曖昧にしたまま頷かないでください」
グンデルは長く黙った。
それから、小さく頷いた。
「……分かった」
ミーシャが、少しだけ驚いた顔をした。
ユリスは書面を四人の前に置いた。
「この案を、持ち帰る必要はありますか」
ボルガがミーシャを見た。
ミーシャがロッカを見た。
ロッカがグンデルを見た。
グンデルは、誰も見ずに広告札を見ていた。
「持ち帰ったら」
ロッカが言った。
「また親方が黙る」
「黙らん」
グンデルが言った。
「今、黙りかけたろ」
「黙っとらん」
「黙ってた」
「うるさいわ」
ボルガが深く息を吐いた。
「俺は、この案を全部飲むとは言っていない」
「はい」
ユリスは頷いた。
「だが、親方直打ちの札は下げる」
ミーシャが顔を上げた。
「本当に?」
「その代わり、ミーシャ作と出すなら、商談には出ろ。値を下げろと言われても、炉に逃げるな」
「逃げない」
「怒鳴るな」
「それは相手による」
「そこを直せと言ってるんだ」
ロッカが笑いかけたが、ミーシャに睨まれて口を閉じた。
「弟子の納期は」
ロッカが言った。
「工程表を出せ」
ボルガが返した。
「止めるなら、理由を書け。俺が客に説明できる形にしろ」
「書く」
ロッカは言った。
「その代わり、勝手に詰めるな」
「詰める時は相談する」
「相談だけで押し切るな」
「お前も止めるだけで終わるな」
二人はしばらく睨み合った。
ミーシャが、小さく息を吐いた。
「面倒くさいな」
「工房を継ぐとは、そういうことです」
ユリスが言った。
ミーシャは、言い返せなかった。
グンデルが、机の上の《黒炉の黎明》を指で押した。
「これは」
老親方は言った。
「銘を入れ直せ」
ミーシャが顔を上げた。
「今さら?」
「柄の内側ではなく、見えるところにじゃ」
「客に出た剣だぞ」
「戻ってきたら、入れ直せ」
「命令?」
「違う」
グンデルは、少しだけ目を伏せた。
「わしの名ではない」
その言葉に、ミーシャは黙った。
ボルガも、ロッカも何も言わなかった。
ユリスは、書面の端を揃えた。
「では、この内容を仮合意案として作成します」
ユリスは言った。
「正式な跡目は、三か月後の確認を経て決めます」
グンデルが低く言った。
「また、決める日が来るのか」
「来ます」
「逃げられんか」
「逃げれば、また誰かの名前が消えます」
老親方は、ゆっくり頷いた。
その日、グンデル工房の跡目は、まだ決まらなかった。
けれど、次に打たれる剣の銘を、柄の内側に隠すことだけは、もう許されなかった。




