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支援
三崎はあの後も何度か支援に関わってくれていた。物資、輸送ルート、行政の仲介――実際に助かった場面は多い。今回は、その彼が、愛のもとを再び訪れた。
「お久しぶりです。今回、新聞記事を見かけて心苦しくて……」
柔らかな言葉。だがその奥には、冷静な計算が透けていた。
今回のスキャンダルは、明らかに“誰かが流した情報”だった。三崎にとっては、慎吾を追い詰め、愛の隣に立つには、最適なタイミングだった。
「スラム支援がマフィアに悪用されている」
――そうした印象が広まれば、愛の活動も次第に孤立する。そして、そうなれば、三崎の申し出は“正義”に見える。
「東川さん。今だからこそ、私たちのような日本企業が、あなたのような方を支える必要があるんです」
愛は、迷いながらも頷いた。慎吾の言葉では得られなかった、具体的な助けが、ここにあった。資金、輸送、物資、現地当局との交渉――三崎の“言葉”には、現実を動かす力があった。
理想に生きる二人の隙間に、三崎という現実主義者が、静かに入り込んでいった。




