華族会議⑫
「大丈夫です。自分も今来た所ですから。
今回一緒にクエストが出来て嬉しいです」
俺もお決まりの挨拶のメッセージを返す。とりあえずは無難な始まりだ。
メッセージウインドウをしばらく凝視していたが、追加のメッセージは現れなかった。
そうしているとすぐにまた別の転送エフェクトが現れた。こちらはアム・ジャックさんのものだろう。
エフェクトが薄れ、その精悍なアバターが具体化してくる。
アムジャックさんのアバターは名前のように少し外国人を意識した容姿になっていた。
その容姿と名前から一時期外国人説なども一部のユーザーから出ていたが、一応日本語で挨拶をしていることや、日本のサーバーからの接続になっていることから、今ではその節はたち消えになってしまった。
しかし、事実確認のしようがない以上もしかしたら、日本在住で日本語の上手い外国人プレイヤーである可能性も全くゼロではないだろう。
ネットの世界の信憑性はほとんどなく、噂ばかりが現れては消えて行く世界だ。だから、自分が見て確認したこと以外は手放しでは信じられない。
ただ、俺がアムジャックさんと接触して感じた感想は、なんとなくだが優しい日本人男性と言った印象だった。
本当に口では説明できないのだけれども、なんとなく懐かしいような、心が安らぐようなオーラがアバターから出ているように感じたのだ。
「よろしくお願いします」
簡素なメッセージがグループチャットに表示される。
「こちらこそよろしくお願いします」
すぐさま返事をメッセージウインドウに乗せる。Makotoやカロからも同様のメッセージが流れる。




